神戸のトンボたち
K034. ギンヤンマ Anax parthenope julius
単独植物内産卵.2011.8.2.,神戸市須磨区.
単独植物内産卵.2011.8.2.,神戸市須磨区.
 市街地や六甲山西区・北区の田園地帯と,神戸市全域でそのすがたを見ることができます.
 私は,新神戸駅ができる前,布引中学校がまだ生田川の横に円形校舎であったころ,その横の生田川の河原に降りていって,夕方に上空を無数に舞うギンヤンマをトンボつりで採った記憶があります.たしか1960年から70年にかけてのころだったと思います.このころは,夏休みになるとたくさんのガキ大将が集まり,毎日のようにみんなでトンボつりを楽しんでいました.あんな群飛はもう,神戸市ではどこに行っても見られなくなってしまいました.
 それでも,このように各地に記録があるのは,本種の繁殖力と分散力の強さに他なりません.非常に成長がはやく,よい環境があれば一気に数を増やす力を持っています.学校のプールでさえ,産卵のための水草を秋に入れておけば,春に幼虫が採れるほどです.
 出現期間は4月下旬から11月初旬まで.大型の派手な色のトンボで,昼間は開けた明るい池の上を我がもの顔で飛び,連結して産卵し,夕方は上空で群をなして摂食飛翔をする.....とこんなに人目に触れるわけですから,まさに人々にもっとも親しまれるトンボといえるでしょう.