052.ホソミイトトンボ   Aciagrion migratum

ホソミイトトンボ♂(夏型)
兵庫県加古川市
2001.7.1.
ホソミイトトンボ♀(夏型)
兵庫県加古川市
2001.7.1.
ホソミイトトンボ♂(越冬型)
兵庫県小野市
2008.4.20.
ホソミイトトンボ♀(越冬型)
兵庫県加古川市
2001.5.5.
ホソミイトトンボ♀(越冬型・未熟)
神戸市北区
1997.8.8.

<分類学的位置>
 トンボ目 Order Odonata
 イトトンボ科 Family Coenagrionidae
 ホソミイトトンボ属 Genus Aciagrion

<分布> 
 石川県,栃木県を北限東限とし,本州,四国,九州などの南西日本に分布する.南限は沖永良部島である.その他に青森県や新潟県で見つかっている例がある.青森県の記録は,杉村ら(1999),津田(2000)などに記されているが,最近刊行された「青森県のトンボ(青森県トンボ研究会,2006)」では言及されていない.海外では,台湾,朝鮮半島,中国中部に分布する.

<特記事項>
 本種は成虫で越冬するが,初夏にも出現する.私自身の成虫や幼虫の採集状況から,兵庫県では,1年に2化することによって2度の成虫の出現が実現されていると考えるのが妥当である.すなわち,春に大量に産卵に来ていた池ではその後幼虫が多数発生し,その幼虫は夏前に終齢となって,やがて姿を消す.越冬型であれ,夏型であれ,成虫が多数産卵する時期には幼虫は採れていない.夏型が姿を消した後,越冬型が現れ,未熟なまま秋冬を越す.
 越冬型は春早く現れ,細長い体型と大きさで,格別同定に困難はないであろう.本種だけの特徴ではないが,眼後紋と後頭条がつながっている.初夏に出現する夏型は,やや黄緑色を帯び,体もひとまわり小さくなるので,飛んでいるのを一見するとアオモンイトトンボ Ischnura senegalensis と見間違えることがあるので注意を要する.採集して比較すると間違えることはない.なお,越冬型は春に成熟するまでは,♂♀とも一番下の写真のように全体が褐色をしている.

青森県トンボ研究会,2006.青森県のトンボ.

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