<分類学的位置>
トンボ目 Order Odonata
イトトンボ科 Family Coenagrionidae
ホソミイトトンボ属 Genus Aciagrion
<分布>
石川県,栃木県を北限東限とし,本州,四国,九州などの南西日本に分布する.南限は沖永良部島である.その他に青森県や新潟県で見つかっている例がある.青森県の記録は,杉村ら(1999),津田(2000)などに記されているが,最近刊行された「青森県のトンボ(青森県トンボ研究会,2006)」では言及されていない.海外では,台湾,朝鮮半島,中国中部に分布する.
<特記事項>
本種は成虫で越冬するが,初夏にも出現する.私自身の成虫や幼虫の採集状況から,兵庫県では,1年に2化することによって2度の成虫の出現が実現されていると考えるのが妥当である.すなわち,春に大量に産卵に来ていた池ではその後幼虫が多数発生し,その幼虫は夏前に終齢となって,やがて姿を消す.越冬世代であれ,夏世代であれ,成虫が多数産卵する時期には幼虫は採れていない.夏世代が姿を消した後,越冬世代が現れ,未熟なまま秋冬を越す.
越冬世代は春早く現れ,細長い体型と大きさで,格別同定に困難はないであろう.本種だけの特徴ではないが,眼後紋と後頭条がつながっている.生体写真でわかるように,夏世代 (Summer generation) は越冬世代 (Overwinter generation) と比較して,やや黄緑色を帯び,体もひとまわり小さくなるので,飛んでいるのを一見するとアオモンイトトンボ Ischnura senegalensis と見間違えることがあるので注意を要する.採集して比較すると間違えることはない.なお,越冬世代は春に成熟するまでは,♂♀とも未熟標本のように全体が褐色をしている.
<生体写真>
トンボ目 Order Odonata
イトトンボ科 Family Coenagrionidae
ホソミイトトンボ属 Genus Aciagrion
<分布>
石川県,栃木県を北限東限とし,本州,四国,九州などの南西日本に分布する.南限は沖永良部島である.その他に青森県や新潟県で見つかっている例がある.青森県の記録は,杉村ら(1999),津田(2000)などに記されているが,最近刊行された「青森県のトンボ(青森県トンボ研究会,2006)」では言及されていない.海外では,台湾,朝鮮半島,中国中部に分布する.
本種は成虫で越冬するが,初夏にも出現する.私自身の成虫や幼虫の採集状況から,兵庫県では,1年に2化することによって2度の成虫の出現が実現されていると考えるのが妥当である.すなわち,春に大量に産卵に来ていた池ではその後幼虫が多数発生し,その幼虫は夏前に終齢となって,やがて姿を消す.越冬世代であれ,夏世代であれ,成虫が多数産卵する時期には幼虫は採れていない.夏世代が姿を消した後,越冬世代が現れ,未熟なまま秋冬を越す.
越冬世代は春早く現れ,細長い体型と大きさで,格別同定に困難はないであろう.本種だけの特徴ではないが,眼後紋と後頭条がつながっている.生体写真でわかるように,夏世代 (Summer generation) は越冬世代 (Overwinter generation) と比較して,やや黄緑色を帯び,体もひとまわり小さくなるので,飛んでいるのを一見するとアオモンイトトンボ Ischnura senegalensis と見間違えることがあるので注意を要する.採集して比較すると間違えることはない.なお,越冬世代は春に成熟するまでは,♂♀とも未熟標本のように全体が褐色をしている.
<生体写真>