No. 1027. バイカモとカワトンボを求めて.2025.6.6.

今日は少し前の天気予報では雨降りの感じで,休養日とするつもりでした.昨日,一昨日と,朝から晩まで遠出をして,アップすることも後回しにしていました.そして今日もまた遠出をしてしまいました.さすがに疲れました.今日は浜坂町のバイカモ公園で,バイカモに止まるカワトンボの写真を撮ろうという目的で,夫婦でドライブしました.

ところがバイカモはほぼ姿が消えていました.川は水が流れているだけで,案内掲示がむなしく数年前の様子を表示していました.最近の気温上昇で水温が上がったからでしょうか.それでも探すと,ほんの片隅にバイカモの生き残りが見られました.


▲わずかに残っていたバイカモ.▲

まあ,私はカワトンボが目的なので,探してみました.アオハダトンボを期待したのですが,ニホンカワトンボとミヤマカワトンボだけでした.その他にはヤマサナエがいました.


▲ニホンカワトンボのオスとメス.▲


▲ミヤマカワトンボのオス.▲


▲ヤマサナエのオス.▲

これではどうしようもなく,引き返すことにしました.途中,砂が堆積する川があったのでちょっとのぞいてみましたが,ヤマサナエ1頭だけでした.とはいうものの,今年はヤマサナエの姿をあまり見かけていないので,まあ,あちこちで無事な姿を見るとホッとします.


▲ヤマサナエのオス.▲

ということで,またまた帰る途中にキイロサナエの姿を確認に出かけました.キイロサナエは姿を見せていませんでした.まだ早いのか? 代わりにいたのはヤマサナエ.この個体はなれなれしく,私の長靴に止まりました.


▲私の長靴に止まるヤマサナエのオス.▲

すぐ横ではニホンカワトンボが産卵をしていました.ところが面白いことに,警護するオスがずっと翅を広げているのです.翅を広げたままで何分も警護しています.


▲だんだんと近づいていって撮影を続けたが,翅はずっと開いたまま.▲

長い間ニホンカワトンボを見てきましたが,こういう行動は初めてでした.また水面ではオオイトトンボが産卵をしていました.流水なのですが,気にならないのでしょうね.


▲オオカナダモに産卵するオオイトトンボ.▲

今日はバイカモに止まるカワトンボというテーマでしたが,完全に失敗に終わりました.別のバイカモが見られるところに行く必要がありそうです.

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No. 1026. イトトンボの探索(4).2025.6.5.

まだ続けていますイトトンボ類の探索.今日はグンバイトンボです.レンズの使いこなしを試しているのですが,今年のトンボの発生状況を見るというのも大切な目的です.今日行く場所はグンバイトンボが激減したところで,前回の調査では流れのほんの一部にいました.出会うことができるでしょうか.

現地の川は,先日降った雨のせいでしょうか,やや増水していて川に入るのが少しためらわれるような状態でした.しかし一方で,ヨシは州に生い茂っていて,藪漕ぎ状態でもありました.グンバイトンボはこういったヨシ林(?)の中に潜っていたりしますが,全く出会うことがありません.流れに出ると,アオハダトンボがいて,オジロサナエが処女飛行に飛び出しました.また瀬の部分は石が顔を出していて,アオサナエが止まっていました.


▲アオハダトンボのメス.今日はアオハダトンボは2頭のメスが見られただけだった.▲


▲オジロサナエの羽化個体.▲


▲アオサナエ.今日は増水していて石が水面に出ている場所が少ない.▲

グンバイトンボは見つかりませんが,州の部分に水がたまっていて止水域ができている状態で,止水性のイトトンボがいました.


▲クロイトトンボの交尾.▲


▲先日探し回ったアジアイトトンボ,ここにはいた.▲


▲アオモンイトトンボのオス.▲

グンバイトンボはやはり見つかりません.最後に前回来たときにいた場所を探すことにしました.ただ,今日は増水していて,深みがあって川を渡るのが怖いので,いったん上がって向こう岸へ出て,再び川に入りました.なんと,いました.もっと感じのいい場所はたくさんあるのに,なんかここが気に入っているみたいですね.


▲グンバイトンボオス3頭,メス1頭を見つけた.▲

マクロレンズで撮っているので,軍配状の脚をクローズアップしなければ意味がありません.それは撮れましたが,この個体,脚が1本欠けていたみたいです.ただこのグンバイトンボの写真,増水した川の中に立って撮ったので,体がどうしてもゆれ,ピントを決めるのが非常に難しかったです.

明日も晴れそうだ.

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No. 1025. 続々イトトンボ探索.2025.6.4.

何か,やり出したら止まらない性格というか,また今日もマクロレンズを片手にイトトンボ探索に出かけました.今日はモートンイトトンボです.モートンイトトンボは,兵庫県ではもっとも小さなイトトンボの一つです.これをクローズアップでうまく撮れるか,細部が綺麗に表現されるかといったことを試そうというわけです.確実に出会うために兵庫県北部へ行ってみました.今年はたくさんモートンイトトンボが発生していました.


▲モートンイトトンボのオス.複眼にピントを合わせると脚先が被写界深度外になる.▲

このオスは,少し離れたところから撮っていて,まだ最接近ではありませんが,それでも被写界深度の浅さが撮影を難しくしています.


▲モートンイトトンボの成熟メス.ほごトリミングなしといってよい.▲


▲メスの未熟.▲

細部までかなりはっきりと見える写真になっています.ふつうのズームレンズですと,かなりトリミングして大きくするために画像が粗くなって,それが写真の解像感を損ねることになります.本当のところ三脚を使ってマニュアルでピントを合わせ被写界深度内に全身を収めるのが理想なのでしょうが,植物を撮影するようなわけにいかないのがトンボの難しいところです.

オオイトトンボを見つけましたので,それも撮ってみました.


▲オオイトトンボのオス.▲


▲オオイトトンボのメス.▲

イトトンボのなかまは拡大してみるとその美しさが際立つので,マクロレンズの映像は気に入っています.さて,この撮影現場に行く途中で,道路に止まっていたホンサナエのメスに出会いました.


▲ホンサナエのメスがいた.▲

これはかなり離れたところから撮影し,トリミングしたものです.結構シャープに写っています.たったこれだけですが,当初の目的は達することができました.

あと時間があったのでヒヌマイトトンボを見に行きました.さすがにまだ出ていませんでした.老熟したシオヤトンボがいましたので,複眼を大きくクローズアップして撮ってみました.ただちょっと老熟しすぎていて,マリンブルーから少し彩度が落ちた色になっていました.写真はかっちり写っていました.


▲シオヤトンボの老熟オス.▲

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No. 1024. 続イトトンボ探索.2025.6.1.

前回アジアイトトンボを見つけることができなかったので,今日午後晴れ間が出たのを幸いに,再びアジアイトトンボの探索に出かけました.最初の池ではアジアイトトンボは見かけず,モノサシトンボがいました.メスはまだ脚が赤くなっていないようでした.


▲モノサシトンボの未熟なメス.▲

次は今日の本命です.毎年のようにアジアイトトンボを見ています.ところが池に着いてびっくり.太陽光パネルが池に敷設されていました.この池は秋にはオオキトンボが飛ぶ池です.どうもオオキトンボが飛ぶ池によく太陽光パネルが設置されるようです.これで4カ所目です.オオキトンボの敵は外来魚や薬剤等の水質汚染などではなく,太陽光パネルかもしれません.遠浅で植生がある程度ある池がねらわれているようです.遠浅はパネルを設置するには都合よく,植生はため池の運用には邪魔者ですから,一石二鳥なのかもしれません.まあ,池の四分の一程度の面積でしたので,他の池の状況から見て,秋にオオキトンボはやってくるかもしれません.

さて,肝心のアジアイトトンボですが,いました.


▲アジアイトトンボのオスとメス.▲

今日も単焦点のマクロレンズを使っています.下のメスなどはほとんど記録サイズと同等です.ただ難しいのはフォーカス面に全身を入れるためには,アングルが限られてしまうことです.同じような写真ばかりになってしまいます.


▲アジアイトトンボのオスとメス.▲

次の写真はアオイトトンボがたくさん羽化していた池で,ちょっとマクロレンズの特長を出させるような写真を撮ってみました.


▲アオイトトンボの未熟なオス.胸側に粉を吹いていない.▲


▲頭部と胸部をトリミングにより拡大してみた.▲

均翅類の顔面をこれほどシャープに撮れるのは,さすがマクロレンズです.このレンズ優れものですね.

ということで,やっとアジアイトトンボに出会えたわけですが,アジアイトトンボを見つけるのに二日間かかるなんて,ちょっと考えられません.トンボの減少は知らぬ間に各地に広がっているように思えます.

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No. 1023. イトトンボ探索.2025.5.28.

今日は午後から曇ってくるとの予報で,遠くへ行くのはやめて,近隣でイトトンボ類を探しに行くことにしました.目標はアジアイトトンボを見つけることです.先日ダビドサナエに会いづらくなったことを書きましたが,イトトンボ類ではアジアイトトンボに出会いにくくなっている気がします.そこで,過去にアジアイトトンボの記録があったところを中心に回ることにしました.あわせて今日はレンズを変えマクロレンズで小さなイトトンボを大きく撮ることを試してみました.

まずは近所の公園に行ってみました.ここはクロイトトンボが多いところです.案の定クロイトトンボはたくさん飛んでいましたし,まだまだ羽化が続いていました.


▲スイレンの葉の上で羽化するクロイトトンボ.▲

すぐ向こう,タンデムになったペアが,一生懸命移精行動に移ろうとしていました.しかしこのオス,移精行動に移るのが下手なんですね.何度もやり直ししています.


▲すぐ向こうで移精行動に移ろうとしているペア.▲

今日は105mmのマクロレンズなので,上の写真はかなり小さいのをトリミングしました.しかし観察していると近づいてきましたので,思い切り寄って撮ってみました.


▲移精をしようとしているクロイトトンボのペア.▲


▲移精行動に成功したように見えたが,実はすぐに離れてやり直しした.▲

やはり単焦点レンズはシャープに写ります.ただ,上の下の方の写真,オスが少しこちらに動いたため,ピントがわずかにずれました.上の方の写真はオス・メスともピントが来ています.マクロレンズでぐーんと寄って撮影するとき,被写界深度がとてもシビアに影響を与えてくることが分かりました.イトトンボの場合,ほぼ真横から撮影をしないと,全身が被写界深度内に入らない感じです.マクロ撮影のとき三脚を使う理由が分かりますね.ただトンボ撮影には無理ですけど.ちなみにこの写真 f7.1,1/1600,ISO800 でシャッターを切っています.

少し移動すると,フタスジサナエがまだ頑張っていました.これもマクロレンズで撮ってみることにしました.いやはや画面いっぱいに入ります.なんせ等倍撮影ができるので,最短で撮影するとフタスジサナエが画面からはみ出てしまいます.撮ってみて,やはり腹部先端にピントが来ていません.撮影する角度が若干悪いんですね.難しい.


▲活動するフタスジサナエのオス.▲

クロイトトンボに混じって,アオイトトンボが羽化をしていました.角度が難しいことが分かってきたので,今度は注意してライヴビューにして羽化している位置と同じ高さのローアングルで撮ってみました.


▲アオイトトンボのメスの羽化.別アングル写真の産卵管の形状で判断.▲

やはりトンボが被写界深度内に入ると,すみずみまでシャープに写ります.いつもはズームレンズで撮っていて,ロング端で撮ると周辺がどうしてもぼけてしまうのですが,それがあまり目立ちません.これは癖になりそうですね.

ここはこれくらいにして次に行くことにしました.次はアジアイトトンボがいた池ですが,アジアイトトンボには出会えませんでした.いたのはアオモンイトトンボばかり.まだ朝の時間帯なので,あちこちで交尾をしています.


▲あちこちで交尾しているアオモンイトトンボたち.▲

全体を被写界深度内に収めるため,例によってライヴビューでローアングル撮影を行いました.この写真で気づいたのは,寄りすぎるとストロボの光がまわらないということです.上の3枚の内,真ん中の写真は少し離れて撮っていますので,ストロボの光がまわり,影が消えています.あとの2枚はかなり寄ったので,ストロボの光が回っていなくて,太陽の影がトンボにはっきりと出ています.むしろこちらの写真の方が自然でいいという感じもしますが,まあ好みの問題かもしれません.

それにしてもアジアイトトンボがいませんので,次の池に行くことにしました.ここも最近アジアイトトンボが減っているように感じている場所です.


▲いたのはアオモンイトトンボばかりだった.これはメス.▲


▲ここにはセスジイトトンボが1頭だけ見られた.▲

やはりアジアイトトンボには出会えませんでした.本当にアジアイトトンボはどうしていないんでしょう?.次に行くことにしました.ここでは,モノサシトンボやキイトトンボなど,イトトンボ類の数がかなり多いところです.


▲うまく被写界深度内に入ると,こういう角度でも全身にピントが来る.▲


▲モノサシトンボの未熟なオス(上)とメス(下).メスは少し角度が悪い.▲


▲キイトトンボもたくさんいたが,まだ未熟な個体がほとんどだった.▲


▲数は減ったものの,フタスジサナエもまだ元気に活動していた.▲

あと,クロイトトンボがいましたが,アジアイトトンボは姿がありませんでした.まだ空は晴れていますので,もう一つ別の公園へ行ってみることにしました.ただ,ここは惨憺たる状態で,イトトンボ類が全くいませんでした.この公園の一つの池は,以前茂っていた沈水・浮葉植物がほとんど姿を消しました.多分アメリカザリガニです.そしてウシガエルがたくさんいて,トンボを捕食しています.ヤブヤンマにさえ食いついているのを見たことがあります.産卵基質を失い,わずかに残された産卵基質で産卵していた個体はカエルに集中攻撃されたのかもしれません.広い自然公園で池も複数ありますが,この時期にまったく均翅類がいないというのは明らかにおかしいです.フタスジサナエとシオヤトンボなどがいました.


▲すっかり黄色みが取れたフタスジサナエのメス.▲


▲日陰にはシオヤトンボが止まっていた.▲

ということで,空腹でふらふらしてきましたし,それに雲がかかり始めましたのでここまでとしました.今日はマクロレンズを使って,その良さと同時に撮影の難しさを感じることができました.ただ小さなイトトンボ類は,画面いっぱいに撮影できることによってディティールが潰れずに写るので,今後もうまく利用していきたいと思いました.

それにしても,半日歩き回ってアジアイトトンボに出会えない.先日のダビドサナエといい今日のアジアイトトンボといい,普通種のトンボに気を配らないといけないと感じます.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 1023. イトトンボ探索.2025.5.28. はコメントを受け付けていません