No. 998. 午後の散歩とトンボの生き残り.2024.11.11.

11月も中旬を迎えました.今週は最高気温23~24℃の日が続きそうで,とても11月中旬とは思えません.アカトンボたちはどうしているだろうと,午後の散歩がてら,午後休みのトンボたちの状況を見に行ってみました.ねらいの種はオオキトンボです.

3ヶ所を回りました.最初の場所では,10月に多く見られたコノシメトンボやマユタテアカネが減少しており,ごく少数のアキアカネなどが見られただけでした.


▲やはりキトンボはやって来ていた.この場所には来ると思っていた.▲


▲リスアカネはもうボロボロ.▲


▲アキアカネは数頭いた.▲


▲コノシメトンボは産卵しているペアも観察した.▲

ここではオオキトンボを確認できませんでしたが,それらしいトンボが地面に止まるのを見ました.ここは公園で,ちょうど止まったところに人が歩いて行き,飛んで逃げてしまいました,確認できなかったのが残念です.これがオオキトンボだとすると,今年3例目で,この公園でも繁殖活動をしている可能性が高まってきました.

2つ目の池は神戸市内にある池です.ここは結構オオキトンボが集まってくることが多い池です.着いてしばらく歩いてみましたが,トンボは何もいません.しばらく探してようやくオオキトンボの姿を確認しました.


▲腹部の茶色味が増してきた晩秋のオオキトンボのオス.▲

オオキトンボは11月の後半になると腹部の茶色味が増し,私の好きな状態になります.不思議なもので,1頭見つけるとすぐにもう1頭見つかりました.しかしこちらは敏感で,近づくことすらできませんでした.少し場所を変えてみると,また1頭見つけました.


▲上とは違う個体.翅の汚れなどで判別できる.▲

その場所では,また別のオオキトンボが飛び立ちました.これは敏感で近づけませんが,遠くから撮影して確かめるとメスの個体でした.メスはそのあとにも見つけましたが,翅が破れており,先のメスと同一個体であることが分かりました.


▲オオキトンボのメス.メスの腹部は茶色というより緑っぽくなる.▲

関東のトンボ屋に,兵庫では池にオオキトンボしかいないことがよくある,と言うと「そんなことあるの?」と返されます.この池でもまたその状態かと思いましたが,最後にアキアカネを2頭見ました.オオキトンボだけの池ではありませんでした.


▲アキアカネのオス.▲

写真を見て思ったのですが,オオキトンボは,自分の体色に近い者褐色の背景に止まっていて,アキアカネは緑の背景に止まっているのが面白いと感じました.結果,オオキトンボは少なくとも3オス1メスの4頭いたことになります.

3つ目の池には,アカトンボが1頭いただけでトンボが全然いませんでした.

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No. 997. 北部へ飛来種を見に行ったが.2024.11.4.

今日は兵庫県北部へ飛来種を見に行きました.結果はだめでした.飛来種どころか,アキアカネ自体も非常に数が少ない印象でした.それ以外のトンボもポツポツ見られただけで,北部と思えないくらい閑散としていました.


▲ネキトンボのオス.▲


▲ナツアカネ.ナツアカネはそこそこ見られた.▲


▲リスアカネのオス.まだ生き残っていた.▲


▲キトンボ.▲


▲アキアカネ.正午頃,特定の場所では数が見られた.▲


▲白い点は摂食飛翔するアキアカネの集団.▲


▲特定の場所にはアキアカネは集まっていた.▲

もうトンボのシーズンも終わりに近い感じでした.13:00ごろに,キトンボの産卵を見ました.キトンボの産卵を見ると,ますますトンボシーズンも終わりだなと感じます.


▲連結産卵をするキトンボのペア.▲

このペアは,途中で連結を解消し,メスの単独産卵に移行しました.オスは周辺を飛びながら産卵警護を続けました.


▲単独産卵するキトンボのメス.▲

このメスは朽ち木に腹端を打ちつけたあと,そこに一時静止して休憩?をしていました.


▲腹端を打ちつけたあと,産卵基質に一時的に静止した.▲

北部の調査は,今年はこれで終わりになりそうです.

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No. 996. スナアカネを探しに行ったが… 2024.11.3.

先日ベニトンボを見たので,スナアカネが来ていないか探しに行きました.しかし来ていたのはタイリクアカネとアキアカネ,そしてウスバキトンボだけでした.それもあまり数が多くない感じでした.


▲タイリクアカネたち.▲

アキアカネは一時非常に少なくなりましたが,こんな海岸近くの公園にまで来ていたのを久しぶりに見ました.


▲アキアカネとその産卵.▲

天気は良かったですが,あまりトンボがいない公園でした.

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Mo. 995. アオイトトンボ属3種.2024.10.31.

今日は晴れるという予報でしたが,一日中雲が全天を覆っていて曇の状態でした.ただ雲がうすくなってそれを通して日が射すこともありました.池は2つ回りました.写真は特に区別せずに掲載します.観察ねらいのトンボはアオイトトンボ属です.まずはアオイトトンボです.アオイトトンボは通常は9月下旬が最盛期ですので,もう時期的には終わりに近い感じです.


▲もう老熟の状態にさしかかった感じのアオイトトンボだ.▲

アオイトトンボの数もとても少なかったようです.対してオオアオイトトンボは数が最も多く,たくさんのタンデムペアが飛び回っていました.時刻は14:00少し前でしたので,タンデムで飛び回る時間帯です.草地の上や池の畔の草に止まって,交尾やぶら下がりが見られました.


▲アオイトトンボなどに混じって池畔の草に止まるオオアオイトトンボのペア.▲

最後のアオイトトンボ属はコバネアオイトトンボです.兵庫県ではもう絶滅寸前といった感じですが,今年もまだ,オスの静止や産卵等の活動が見られました.


▲コバネアオイトトンボのオスの単独静止.すべて別の個体である.▲

産卵ペアは1組だけでした.個体数が少ないとトンボは敏感になりますが,このペアも例にもれず非常に敏感で,私がそっと近づいていくと産卵を止め,メスが様子をうかがう状態が続きました.が,やがて飛び去って,見失ってしまいました.


▲コバネアオイトトンボが産卵していたが,近づくと産卵を止めやがて飛び去った.▲

アオイトトンボ属が活動をする横ではアカトンボが産卵をしていました.リスアカネとナツアカネで,打空産卵をするトンボばかりでした.


▲リスアカネの打空産卵.連結2ペア,単独1頭でした.▲


▲池の畔で産卵するナツアカネのペア.▲

ちょっとの気温上昇と薄日のもとで繁殖活動を繰り広げる秋のトンボたちでした.

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今日初めて出会ったトンボ
No. 77. コバネアオイトトンボ,産卵.

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No. 994. ベニトンボがいた.2024.10.30.

今日は朝から青空が見え,アオイトトンボ系のトンボを見に行くことにしました.しかし一つ目のやや離れた観察地では,なんと雲が黒く広がり雨まで降る始末でした.そこで,よく晴れている自宅近所の公園に引き返し,オオアオイトトンボの産卵を探すことにしました.時間は14:00をまわっており,オオアオイトトンボの産卵にはちょうど良い頃合いでしたが,アカトンボの繁殖活動にはちょっと遅く,午後休み状態の観察になりました.

アカトンボを探していると,なんとベニトンボが止まっているのを見つけました.兵庫県でもベニトンボの報告はあちこちで聞かれ始めています.


▲ベニトンボのオス.すべて同じ個体.▲

奈良県など非常に多くの個体が観察されている地域の報告では,10月に数が多くなると言われています.タイワンウチワヤンマと同じように,やがてこのトンボも兵庫県で普通に見られる仲間になるのかもしれません.

その他のアカトンボでは,まずアキアカネの数が増え始めていました.


▲アキアカネのオスとメス.メスは腹部が赤色と褐色のものがいた.▲

この公園には,前に来たときにはコノシメトンボがたくさん見られました.しかし今日はその姿はほとんど見られませんでした.オスメス各1頭ずつでした.


▲コノシメトンボのオスとメス.▲

その他のアカトンボとしては,マユタテアカネとナツアカネがいました.


▲マユタテアカネのオス.▲


▲ナツアカネのメス.▲

さて,目的のオオアオイトトンボですが,日陰にあって,木漏れ日が射す池に行きました.最初見たときは何もいないように感じましたが,しばらく待っていると,タンデムペアが飛ぶのを見ることができました.あちこちに止まったり飛んだりしていました.産卵が始まるまでによくある風景です.


▲タンデムのオオアオイトトンボはしばらくの間タンデムで飛び回る.▲

時刻は14:22,だいたい15:00を過ぎると産卵を始めますので,もう間もなく産卵をするはずだということで待つことにしました.しばらくすると,低いモミジの茎に止まって,産卵を始めました.


▲水面におおいかぶさるモミジの茎に産卵するオオアオイトトンボ.▲

このペアの産卵を撮影していると,もう一組のペアが産卵にやって来ました.やはり同じ木の枝に産卵を始めました.


▲もう一組のタンデムペアの産卵.▲

葉の茂り方がカメラのストロボの光を遮る位置に産卵をしていましたので,結構ペアの近くでカメラがごそごそ動いたためか,短時間でいったん飛び去ってしまいました.まあ,産卵していることが記録できたので,今日はここまでにしました.

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今日初めて出会ったトンボ
No. 76. ベニトンボ,オス.

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