No. 962. ヨツボシトンボの休息場所?.2024.5.18.

今日は川のトンボなどの出現状況を見に行くことにしました.「など」とついたのは,ついでにサラサヤンマやムカシヤンマの出現状況も見ておこうと思ったからです.結論から言うと,ムカシヤンマやサラサヤンマのいる谷は,今年はめちゃくちゃトンボが少ないように思えました.1時間半以上,水田や池,流れのある谷筋を歩いて,ヤマサナエ3頭,シオカラトンボ数頭,シオヤトンボ数頭,ホソミオツネントンボ2頭,アサヒナカワトンボ1頭,ニホンカワトンボ1頭,オグマサナエ1頭,フタスジサナエ1頭しか見ませんでした.

そこで,川に転進.アオハダトンボやアオサナエの出現状況の確認です.川はまだ静かでしたが,それでも少数のアオハダトンボ,ミヤマカワトンボ,アオサナエなどが川に出ていました.


▲まだ数は非常に少なかったが,アオハダトンボが出始めていた.▲


▲あわせて,ミヤマカワトンボも飛んでいた.▲


▲アオサナエは強い日差しのもと,腹部挙上姿勢で暑さをしのいでいた.▲

ということで普通ならこれでおしまいというところなのですが,今日は興味深いものを観察できました.この川に行く途中の道で,ヨツボシトンボが集まっている場所に遭遇したのです.時刻は13:00前後です.ここには何度か来ていますが,こういう状況は初めてです.もっとも今までは5月末に来ていて,ヨツボシトンボはもう終わりの時期でしたけど.

場所は,川に沿った農道で,その横には休耕田があって雑草が生えています.休耕田の上空にはギンヤンマも飛んでいて摂食活動をしています.その休耕田の獣よけの柵や電線に並んで止まっていたのです.そしてときどき上空に飛んで摂食しています.アカトンボなどではよく見る風景ですが,ヨツボシトンボでは初めてです.しかもこの近くに,ヨツボシトンボが好むような抽水植生が茂る池はありません.Googleの地図や衛星写真で見ても,半径1km内にはないようです.彼らはどこから来たのでしょう.


▲休耕田の柵に止まるヨツボシトンボたち.これらはすべて異なる個体.▲

以上5枚の写真を見てお気づきでしょうか.そう,すべてメスなのです.成熟したメスがこれほど集まっているということは,この場所はメスの休息,そして摂食場所なのではないでしょうか.驚かせると,すぐ横の山の斜面に茂る樹林の方に飛んでいきますので,ねぐら(夜を過ごす場所)はこの樹林なのかもしれません.オスはいないかと探しましたが,オスもいるにはいました.


▲同じ場所にオスも1頭だけいた.▲


▲少し離れた場所にもオスが1頭見つかった.▲

以前オナガサナエも同じようにオス・メスが集まっている場所に遭遇したことがあります.こういう目にしたことがない光景に出会えるのは,繁殖活動ばかり追いかけている普段の観察とは違った目的を持って出かけているからでしょう.私のトンボ観察もまだまだ偏っているなど感じた次第です.

最後に今日は事故に遭ったトンボたちを見ました.最初の谷筋ではヤマサナエのペアが一緒に車にひかれて死んでいました.アオサナエのいた川の近くでは,羽化不全でしょうか,飛べないアオサナエが地面に落ちていて,瀕死の状態でした.アリが攻撃を始めていました.


▲恋の最中に事故に遭ったのでしょうか,何ともかわいそう.ヤマサナエ.▲


▲アオサナエの羽化不全?それとも事故?.▲

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今日初見のトンボたち
No.29. アオハダトンボ,オス・メス
No.30. ミヤマカワトンボ,オス

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