No. 855. オオヤマトンボの産卵を狙ったが.2022.7.1.

今日もまたまた晴れ.週末は孫守があり,来週は台風の影響で曇りや雨.ならば今日連続で出て行くしかありません.今日のねらいはオオヤマトンボの産卵.これはなかなかそれだけを目的に行きずらい相手です.まあ,結局は,産卵に来ませんでしたけど.

まず出会ったのはコフキトンボ.交尾態が飛びましたので産卵を期待しましたが,だめでした.交尾から直後の産卵というのはパターンなのですが.メスは交尾が外れた途端どこかへ行ってしまいました.別のところでは成熟したオス同士が追飛行動を繰り広げています.暑さにも負けず強いトンボです.


▲今年はコフキトンボが少ないが,オスたちは頑張っている.▲

次いでコシアキトンボ.コフキトンボと同じくらいの数がいます.コシアキトンボたちの活動も暑さのもと,へたれずに元気です.


▲オスの追飛とメスの産卵.▲

本命のオオヤマトンボは,オスが1頭だけ池の周囲を飛び回っていました.メスと思われる個体は1回だけ通過しました.今日の池のトンボで,オオヤマトンボが一番暑さに弱いようで,10:00前にはこのオスも姿を消しました.


▲オオヤマトンボのオスがいつも通り池のまわりを飛び回っている.▲

結局今日一番活動的だったのは,ウチワヤンマでした.6ペアぐらいが交尾態で飛び回り,そのうち3ペアが私の目の届く範囲で産卵をしました.ウチワヤンマを狙って来たのならこれは大成功の部類ですが,不思議なものです.ただその日一番多く活動しているトンボを観察対象とするという鉄則で,また再び,ということにはなりますが,ウチワヤンマの観察に注力しました.


▲ウチワヤンマの交尾態での産卵場所探索行動.オオヤマトンボが干渉している.▲

まず上の交尾態で飛び回っていた1ペア目.これは特にどういうことなく,通常の産卵行動を見せてくれました.オスはつかず離れずでメスの産卵を見守っています.


▲メスを警護するオス.どうしてもいい位置に来てくれないのでオスだけ撮った.▲


▲警護されながら産卵を続けるメス.▲


▲9:26,最後までオスの警護で邪魔されることもなく,産卵を終えた1ペア目.▲

次のペアは9:56です.この前,9:30に1ペアが飛び回りましたが,どこかへ行ってしまいました.今日はこうやって結構続けて交尾態飛翔が入ってきました.このペアは,交尾を解いたところから観察できましたが,途中でアクシデントがありました.


▲オスが交尾を解いたら,メスは止まってしまった.▲


▲そのすきに横の位置に移動して産卵開始を待った.そして産卵を始めたメス.▲

なんか産卵する場所の背景になる枯れ枝が,ちょうどステージの大道具のように見えて,ちょっと面白い感じの舞台装置になりました.産卵は続きます.


▲順調に産卵を続けるメス.▲

ところが,撮影していると,妙なことが起きました.打水した状態でメスが飛び上がれなくなったのです.写真でははっきりしませんが,どうも卵に付いている糸が腹端に絡みついたのではないかと思えました.同じ場所でたくさんのメスが産卵しているようで,枯れ枝に糸が絡みついたようになっているせいでしょう.次の7枚は連写したものそして8枚目は少し間を置いたものです.普通なら一瞬で終わる打水の瞬間が,打水した姿勢のままの状態で止まっているのが分かると思います.右上に撮影時の時刻を入れています.


▲だ水して飛び上がろうとするが,…..▲


▲腹端に何かが引っかかっているようで,飛び上がることができない.▲


▲再び腹端が水面に着いてしまった.▲


▲もう一度飛び上がろうとするが,…..▲


▲腹端は水面に着いたまま.▲


▲腹端がちょっと上がった.たまらなくなって,たたんでいた脚を開きだした.▲


▲腹端に水の膜ができている.糸のようなものが着いているように見える.▲


▲思い切って向きを変えて飛び立った.糸を引いているのが分かる.▲

写真記録から,約8秒あまりこの姿勢で止まっていたのが分かります.このあと,このメスは慌てて飛んで逃げました.そのとき何かがパラパラと水面に落ちたように見えたかと思うと,魚の稚魚たちが我先にそれに食らいつく姿が観察されました.もっともこれは私の見間違いで,何の関係もないかもしれません.


▲白い点が二つ見える物体に食らいつく稚魚たち.▲

さて10:13,3ペア目はというと,これもまたちょっと変な感じの産卵でした.止まっているオスの下でメスが産卵を開始したらしいのです.らしいというのは,私も交尾態が解かれ産卵を始めた瞬間を見ていないからです.オスは警護をしていましたが,その警護オスは,静止していたなわばりオスに追いやられ,どこかへ行ってしまいました.しかしメスはお構いなしに産卵を続けました.


▲交尾相手ではないオスのなわばりの中で産卵を続けるメス.▲


▲シオカラトンボが産卵メスの様子を見に来たがかまわず産卵.▲

このなわばりオスはしばらく止まっていましたが,やがて直下でメスが産卵しているのに気づいたようで,交尾しようと近づいてきました.


▲メスは産卵をやめて静止した.▲

メスはこのオスが交尾相手ではないことが分かるのでしょうか.産卵をやめて止まってしまいました.そしてしばらくすると,数回産卵行動を行った後,逃げるように飛び去ってしまいました.上の写真でも分かるようにオスの近づき方が,1ペア目のオスのように一定の距離を置いて飛ぶのではなく,近づこうとしているような飛び方です.


▲メスは産卵を再開したが,オスはメスに近づこうとしているように見える.▲

ウチワヤンマの産卵もたくさん見ているといろいろなアクシデントが見られて楽しい限りです.トンボたちはこんなアクシデントに臨機応変に対応しながら,毎日を生活しているのですね.ウチワヤンマのオスは,今日は10mおきぐらいに止まっていたので,こんなことが起きたのでしょうね.

今日はブログ的には,ウチワヤンマの産卵という今年二度目の観察になりましたが,私的には楽しい観察でした.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 パーマリンク