No. 882. タイリクアカネとベニトンボ.2022.10.11.

天気の悪い日が少し続きました.晴れた日は仕事があったりして,今日は久しぶりにトンボ観察です.大分気温も下がってきて,すっかり秋になった感じがします.今日は都市公園にタイリクアカネと飛来種を見に行ってきました.飛来種はスナアカネがねらいですが,今日は姿が見えず,代わりにベニトンボがいました.神戸市内では今年2回目の遭遇ということになります.


▲都市公園の池の畔に止まるベニトンボのオス.▲


▲長靴を履いてなかったので,裸足になって池に入って近寄った.▲

こうやって南方の種がどんどん北上してくるのを目の当たりにしていると,本当に気温が上昇していて,神戸市の気候がもう30年ぐらい前の南西諸島並みという感じがします.やがて,ベニトンボもタイワンウチワヤンマのように,兵庫県であたり前の夏のトンボになるような気がします.

さて,もう一つのねらいはタイリクアカネです.あまり公言していませんでしたが,今年は兵庫県版レッドデータブックの改訂作業の年になっていて,そのため,兵庫県に生き残っているトンボの姿を全部見ることを目標に調査・観察活動を行ってきました.すでに見逃している種があって,それはキイロヤマトンボとミヤマサナエです.何回か挑戦しましたが,確認できませんでした.ただ情報としては,キイロヤマトンボの方は県内で見つかっているようです.あと県内絶滅した可能性のあるベッコウトンボは県外へ見に行きました.もう一つのマダラナニワトンボは今が季節ですが2016年以来見つかっていません.

県内に土着していたトンボ種は全部で92種類です.ベッコウトンボ,キイロヤマトンボ,ミヤマサナエ,マダラナニワトンボの4種を除いて,88種類県内で今年確認できました.その最後がタイリクアカネです.あとチャンスがあればキイロヤマトンボとミヤマサナエは幼虫採集に挑むかもしれません.


▲公園の石に止まるタイリクアカネのオスたち.▲


▲メスは木の枝の先に止まっているのを2頭見つけた.▲

タイリクアカネの数は多くありませんでした.今年はアカトンボが少ないように感じます.6月の梅雨明けが異常に早く,すぐに高温の日々が続いたので,その時期浅い水域で幼虫として生活していたアカトンボたちは,水域の干上がりや高温でかなりやられたのかもしれませんね.

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