K069. タイリクアキアカネ Sympetrum depressiusculum
オスの標本.2001.10.7.,神戸市西区産.
タイリクアキアカネは神戸市はおろか,日本にさえ定着しているかどうかはっきりしていない種です.毎年秋になり北風が吹くようになると,兵庫県でも,日本海側で少数が採集されるようになります.これらは大陸から飛来してきていると考えられています.
そういった種ですので,瀬戸内側の神戸市では,過去にたった2頭の採集記録があるだけです.採集されたのは1991年10月15日に玉津町の丘陵地,および2001年10月7日に神出町のため池においてです.
1991年は異常に多くのタイリクアキアカネが日本に飛来した年で,兵庫県の瀬戸内側でも,この神戸市から赤穂市にかけての一帯で,80頭以上が発見されています.
2000年10月22日に,久しぶりに瀬戸内側(揖保川町)で発見され,この日4頭が目撃されました.そのときは他のトンボがまだ飛ばないような気温の低い朝に,本種1頭だけが,水面上をホバリングするように飛んでいるのが印象的でした.
翌2001年もかなりの数が瀬戸内海側(稲美町,加古川市,加東市滝野町,明石市大久保町)で発見され,上で述べたように神戸でも見つかっています.
その後,2006年には再び稲美町で2頭採集されました.