■見分けのチェックポイント
羽化殻全長30mm前後.複眼は小さく頭部の前側部についている.松木(1993)によると側棘は第6−9腹節にあるとされているが,筆者の検した個体では,第6腹節には側棘といわれるほどの棘はなく,側縁が角張っている程度で(腹部側面図の(iv)矢印参照)あるとはいえない.肛上片(epi.)は肛側片(par.)よりやや長く,尾毛(cer.)は肛側片とほぼ等長である.♂の肛上片上の下付属器原器は非常に浅い二叉状になっていて,肛上片の上に発達している.♀の原産卵管先端は第10腹節の後縁に届かない.
■分布と類似種
沖縄本島名護市以北にのみ分布する.屋久島以北の北海道,本州,四国,九州にはサラサヤンマが生息している.形態は類似しているが分布域は重ならない.
■生態
沖縄本島北部の河川源流域に付随する湿地に生息する.♀は朽ち木に産卵し,泥土や蘚苔類への産卵は観察されなかったという(尾園,2002).本種の幼虫のサラサヤンマと同じく非常に見つけにくいようで記録は多くない.幼虫の発見をした佐藤(1988)によると,水辺から少し離れた陸地の転石の下にいたという.
<参考文献>
尾園 暁,2002.Aeschna (39):1-13.
佐藤文保,1988.琉球の昆虫, (12):96-109.
松木和雄,1993.月刊むし, (263):15-17.
<参考文献>
尾園 暁,2002.Aeschna (39):1-13.
佐藤文保,1988.琉球の昆虫, (12):96-109.
松木和雄,1993.月刊むし, (263):15-17.