No. 1057. オオキトンボの没姿調査(1)2025.11.22.

オオキトンボの没姿調査を始めました.今日は12:00ごろから観察を開始しました.観察池のまわりを2往復して,すべての個体を撮影する努力をしました.あとは,翅の破れや体色,その他の特徴を利用して個体判別をするという方法で個体数を数えるという方法です.できるだけ背面から写真を撮る方が区別しやすいのですが,実際はなかなかうまくいきませんでした.


▲日向に憩うオオキトンボのオスたち.▲

それでは早速個体識別しながら個体数を数えていきましょう.


▲No.01 オス:左右の前翅の破れ,特に左前翅中央後縁の破れ,左後翅の破れ.▲


▲No.02 オス:右前後翅はいずれもぼろぼろ.▲


▲No.03 オス:No.01と似ているが,左前翅後縁の破れがないので別個体.▲


▲No.04 オス:右前翅先端の前縁部縁紋だけを残しての破れ.▲


▲No.05 オス:ほとんど破れがないが,右前翅先端の小さな破れがある.▲


▲No.06 オス:ほとんど破れがないが右後翅先端後縁の小さな破れ.腹部第6節の傷.▲


▲No.07 オス:右後翅の縁紋より先の前縁部分の破れ.▲


▲No. 08 オス:翅にめだった破れがない.尾部付属器が左右不揃い.▲


▲No.09 メス:右前後翅先端の破れ,左前翅先端後縁の破れ.▲


▲No.10 メス:腹部第3-4節間にある傷.No.09にはない.▲

以上,確実なのは,8オス2メスの合計10頭でしたが,明らかに逃げてしまったものがいくらかあったので,今日は10頭以上ということになります.

あとアキアカネが産卵するのに出会いました.またナツアカネもいました.アキアカネは本当に少ないですね,オオキトンボの方が多いといういつもながらの珍現象です.


▲アキアカネのメス,褐色個体.▲


▲アキアカネの産卵.▲


▲ナツアカネのメス.▲

それではまた次の没姿調査まで.

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No. 1056. コバネアオイトトンボを見に行った.2025.11.20.

今日はコバネアオイトトンボを見に行くことにしました.先日1頭だけ見かけたのですが,もう秋も深くなりましたので,アオイトトンボはほとんど消えていて,見つけやすくなっているでしょう.今日は最高気温15℃ということですから,正午ごろがいちばんいいと思い,出かけました.


▲コバネアオイトトンボの産卵.▲

数はあまり多くはありませんでしたが,秋の日差しを受けながら,産卵活動をやっていました.ただ,植物が堅いのか,すぐに飛び立って場所を移動し,産卵を試みていました.


▲コバネアオイトトンボの産卵.最初と同じ個体.▲

他のペアはいないかと探しましたら,少し離れたところにもう1ペアいました.これはオスの体色が違うこととメスの左中脚が途中で切れていないことで,別ペアと分かります.


▲上とは違うペアの産卵.▲

他には,オスが単独で飛ぶ姿がちらほらという感じでした.アオイトトンボとオオアオイトトンボもそれぞれ1頭ずつ見かけました.


▲コバネアオイトトンボの単独オス.▲

コバネアオイトトンボが少ないので,アカトンボを見てみることにしました.マイコアカネがいました.交尾していました.まだ繁殖活動をやろうとしているのですね.オスの顔面も青味が消え白くなっていました.またリスアカネも産卵していました.ただこれはすぐに姿を消したので,ほとんど写真にはなりませんでした.


▲マイコアカネの交尾.▲


▲リスアカネの産卵.▲

そろそろ引き上げようかと思い,最後にもう一通りまわりを歩きましたら,コバネアオイトトンボが移精行動から交尾に移行するところを観察できました.それはそうと,コバネアオイトトンボ,体色がほとんど茶金色ばかりです.晩秋になるとこうなるのでしょうか.


▲コバネアオイトトンボの移精行動.▲


▲コバネアオイトトンボの交尾.▲

さて,まだ時間的にはゆとりがあるので,オオキトンボを見に行くことにしました.この場所は今年はそこそこの数が集まっていて,家から近いこともあり,没姿調査をしてみようかと思っています.あと10日間で12月,まずは12月越えをするかどうかというところですね.これからしばらくオオキトンボばかりが出てくるかも知れません.


▲オオキトンボのオスとメス.太陽がだいぶん傾き,日光が黄色い.▲

ということで,暖かい昼間の3時間ほどの観察でした.

今日も単焦点のマクロレンズを使ったのですが,解像感が高い感じがします.やはり単焦点レンズは素晴らしいですね.

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No. 1055. ショウジョウトンボがいた.2025.11.16.

今日は公園を散歩しただけでしたが,なんとショウジョウトンボが生き残っていました.私的にはショウジョウトンボを11月に見るのは初めてです.おそらく県下でもかなり遅い記録でしょう.


▲ショウジョウトンボのオス.感じとしては老熟していない.▲

コシアキトンボ,コフキトンボ,シオカラトンボなど,同じ時期に出てくるトンボは,この公園ではすべて姿を消していました.これ以外には,キトンボ,アキアカネ,マユタテアカネ,リスアカネ等が見られました.


▲キトンボのオス.▲


▲アキアカネの交尾.▲

本当に季節外れのトンボが晩秋に見られることが多くなりました.気温が下がらないからでしょうかね.

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No. 1054. オオキトンボ.2025.11.8.

今日は雲一つない快晴.出かける予定はなかったのですが.天気につられて家の近くの池へオオキトンボを見に行ってきました.大分茶色になっていることでしょう.


▲オオキトンボのオス.いい色になってきている.▲

今日はオスもいましたが,メスが結構目につきました.産卵も2組やっていました.ただ池に下りるにはアメリカセンダングサとヌスビトハギの洗礼を受けることになりそうで,遠くからながめるだけになりました.


▲オオキトンボのメスたち.緑味を帯びるのがまた渋い.▲


▲一番下の個体は何かを食べている.横から見てみたが何かは分からない.▲


▲枯れ草に止まることが多い.保護色になっているのかも...▲

結構たくさんいたので,というかオオキトンボしないないような状況で,アキアカネが2,3頭いたようですが,次の池に行ってみることにしました.ここは昔記録がありますが,メガソーラーが入っていて,トンボが集まるような状況ではないような感じです.結局オオキトンボは見られませんでした.ただ収穫だったのは,ここでは初記録のマイコアカネがいたことです.これは来年きちんと調べ直す必要がありそうです.


▲マイコアカネのオス.この写真でははっきりとしないが,額の水色を確認した.▲

ということで,オオキトンボが優占種の池でした.

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No. 1053. 北部へ行った.キトンボがいた.2025.11.7.

今日は今年最後の兵庫県北部へ行ってきました.飛来種のアカネを探すのですが,これは全くの空振りでした.午前中,アキアカネのタンデムが水田地帯をそれなりの数飛んでいました.家の近くではほとんど見なくなりましたので,昔に戻ったみたいでした.ただ今日は北風が強く,あまりに動きがランダムだったので,写真はだめでした.

池に行きますと,キトンボが活動していました.産卵ペアを含めて,全部で10頭ほどはいたでしょうか.まあここまで来た印にカメラを向けました.キトンボが出てくるとトンボシーズンも終わりに近くなりますね.


▲産卵するキトンボのペア.打水した直後て水滴が落ちている.▲

キトンボは,腹部第9,10節を上方に曲げ,産卵弁を大きく下方に下げて,水滴を保持する形状をつくります.そして打水して腹端に水滴をつくり,そこに産卵口から卵を排出して水滴中に浮かべ,それを産卵基質に当てたり飛ばしたりして貼り付けます.

▲まず打水して水滴を腹端に形成させる.腹端が大きく開いている.▲


▲いったん下がって産卵基質の杭にねらいを定める.▲


▲そして杭に腹端を打ちつけて,卵を含んだ水滴を杭に貼り付ける.▲

腹端の水滴を見てみましょう.卵はちょっと見にくいです.


▲打水のあと腹端に水滴が形成されている.▲


▲やはり水滴が形成されている.▲

ちょっとこれらの写真でははっきりしないので,うしろ正面から撮った写真で見てみましょう.


▲ちょっと失礼!,奥の方に白く透明な卵が見える.▲

この卵を貼り付ける動きでは,オスがメスを振り回すという力仕事をやっています.最後にオス君の顔を見ておきましょう.


▲腹端を打ちつけた瞬間のオスの表情.▲

それでは今日はここまで.

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