No. 1030. ベニイトトンボの観察.2025.6.20.

先日ベニイトトンボが活動を始めていることを見たので,マクロレンズをひっさげて,今日はベニイトトンボの状況を見に行くことにしました.


▲ベニイトトンボの数は増えていたように思えた.▲

はじめはオスが飛ぶばかりでしたが,11時30分ごろからタンデムペアや交尾ペアが見られるようになりました.


▲タンデム個体が飛びだした.▲


▲交尾ペア.▲

13時頃まで産卵開始を待ちましたが,34℃を超え始めましたので観察を中断しました.しかし,夏のトンボたちは,まだまだ元気に日向で活動していました.


▲シオカラトンボの産卵.上は警護するオス,下は産卵しているメス.▲


▲コシアキトンボ.オス同士の闘争とメスの産卵.▲


▲強い日差しの日向に止まるチョウトンボのオスたち.▲


▲クロイトトンボの成熟オス.こういうアップで見るのは久しぶりの気がする.▲

単焦点のマクロレンズは,やはりズームレンズと違い,描写力が高いことが分かります.飛んでるトンボもかっちりと写ります.

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No. 1029. アカトンボが出てこない.2025.6.18.

この数日間,ナニワトンボの未熟オスを見たいが為に,あちこちにアカトンボの羽化を見に行きました.6月12日にリスアカネの羽化個体を見たので,続く6月13日,16日,17日,18日と,ナニワトンボやリスアカネがいそうな池を中心に,アカトンボの未熟個体を探しに回ってきました.しかし,全くアカトンボの姿が見られなかったのです.羽化して来ていないのです.

まず13日から.この日は近所の公園に行ってみました.しかしキイトトンボやモノサシトンボがいただけでした.


▲キイトトンボはたくさん活動していて,羽化も続いているようだった.▲


▲モノサシトンボは成熟している個体がたくさんいた.▲

今日もマクロレンズで撮っているのでシャープさが気持ちいいです.この公園ではマユタテアカネですら出てきていませんでした.まだ早いのかもしれません.そう思って,先日見たコバネアオイトトンボの未熟をもう一度見に行くことにしました.こういうチャンスは非常に短期間で終わるし,そもそも出会うことすら難しい相手です.まだいくつか飛んでいました.しかしすぐに林の中などへ入っていくのでしょうね.


▲未熟なコバネアオイトトンボのオスとメス.▲

未熟なシオカラトンボがいたので,マクロレンズで撮ってみました.


▲未熟なシオカラトンボのメス.▲

次いで16日.この日はナニワトンボをねらいに,よく観察する池に行きました.しかし全くアカトンボがいませんでした.それどころか,コシアキトンボが摂食する姿とショウジョウトンボのメスが草地にたむろしていたのを見ただけでした.あとアオイトトンボが1頭いました.


▲草地で憩うショウジョウトンボのメス.▲

今日もまだアカトンボには早いのかと考え,ベニイトトンボのいる公園へ行ってみることにしました.とても暑く,シオカラトンボが元気に飛び回っていました.またフタスジサナエが生き残っていました.


▲あちこちで活動しているシオカラトンボ,交尾個体.▲


▲フタスジサナエのオス.▲

そんな中,ベニイトトンボが羽化して,活動していました.ベニイトトンボの活動もしばらくの間見ていませんでしたので,後日これは観察に来なければと思い,今日はここまでとしました.


▲ベニイトトンボが活動を始めていた.▲

次は17日.この日は西の方のナニワトンボの生息地へ行ってみました.しかしここも全くアカトンボの姿がありませんでした.マユタテアカネぐらいはいても良さそうに思えますが,いたのは,アオサナエのメスとコオニヤンマの未熟個体でした.流水性トンボだけ!


▲アオサナエのメス.突然舞い降りてきた.▲


▲池畔の道路に止まっていたコオニヤンマのオス未熟個体.▲

やはりアカトンボの羽化には早いみたいです.そういえば今回のようにアカトンボの羽化をねらって観察に出かけると言ったことはほとんどしてこなかったように思います.今までは他のトンボの観察のついでにアカトンボの姿が見られて,観察を始めるきっかけとなったという感じでした.

そこでそれを確かめるために,18日は兵庫の北部へアキアカネの羽化を見に行くことにしました.これまでは,だいたい6月下旬には,未熟な個体がふわふわと水田のまわりを飛ぶ姿が見られました.しかし,これも不発でした.全くアカトンボの姿がありませんでした.同様にこの時期のトンボ,キイロサナエやモートンイトトンボの観察もしてみることにしました.しかし両方のトンボの個体数は非常に少なかったのです.


▲キイロサナエはいるにはいたが,数は6頭程度だった.▲


▲モートンイトトンボのメス.やはり数は少なかった.▲

あと,ハッチョウトンボ,オオイトトンボなどこの時期のトンボや,春の生きのこりのシオヤトンボ,ホソミオツネントンボなどがいました.


▲ハッチョウトンボも暑いのだろうか,腹部挙上姿勢で頑張っていた.▲


▲オオイトトンボのメス.単独で飛んでいると見知らぬトンボに見える.▲

▲金属ロボットのような色彩のシオヤトンボのメス.▲


▲ホソミオツネントンボのメス.単独産卵していた.▲

ということで,アカトンボは今月末ころまで待つことにして,アカトンボ探索はしばらくお預けです.

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No. 1028. アオイトトンボ属3種.2025.6.12.

いつもこの時期は,キイロサナエやアオハダトンボやグンバイトンボなどなど,川のトンボに集中して池のトンボがおろそかになっています.といっても池のトンボはまだ端境期で,種類はそれほど多くはありません.ただ,夏や秋のトンボの羽化期になっており,羽化に関連したトンボの姿がこのブログではあまりうまく伝えられていないように感じています.今年は,夏や秋のトンボの羽化のうち,いくつかのあまり記録されていないトンボたちを追いかけようと考えています.具体的にはナニワトンボのオスの未熟個体をはじめとしたアカトンボの未熟個体,コバネアオイトトンボなどアオイトトンボ属の羽化直後の個体,成虫越冬性トンボの未熟個体などです.

今日は,ナニワトンボやアカトンボの状況を見るのがねらいでしたが,アカトンボはまだもう少し先のようでした.代わりにアオイトトンボ属が羽化をしていました.この時期に,アオイトトンボ属3種そろいぶみです.まずはコバネアオイトトンボ.


▲コバネアオイトトンボのオスとメス,羽化直後の個体.▲

コバネアオイトトンボは,他のアオイトトンボ属と違って,羽化直後,翅胸部が赤い色をしています.でもこれが見られるのは非常に短期間です.すぐに金属緑色になっていきます.今日見た個体も,翅胸前面が少し金属緑色になりかけていました.


▲翅胸前面が金属緑色になり始めているコバネアオイトトンボのメス.▲

次はアオイトトンボです.これは以前に紹介しました.少し発育が進んで,翅胸の淡色部分が綺麗な黄色になっていました.


▲アオイトトンボのオスとメス.若い個体は粉を吹かないのでオオアオイトトンボのようだ.▲


▲アオイトトンボオスの翅胸と頭部.淡色部に濁りがなく綺麗だ.▲

秋の成熟してくすんだ色彩に比べると,アオイトトンボはこの時期が綺麗です.さて,残りのオオアオイトトンボですが,こちらは本当に羽化直後でした.まだ体が湿っている感じです.これだけは別の池です.


▲オオアオイトトンボのオス.▲

ということで,初夏のアオイトトンボ属3種でした.アカトンボの方は,ノシメトンボらしいのが高いところに止まっていたのと,リスアカネがいただけで,今年は来週くらいから本格的に出てくるのかもしれません.


▲リスアカネの未熟オス.▲

ということで,ナニワトンボは次の晴れが狙い目のようです.

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No. 1027. バイカモとカワトンボを求めて.2025.6.6.

今日は少し前の天気予報では雨降りの感じで,休養日とするつもりでした.昨日,一昨日と,朝から晩まで遠出をして,アップすることも後回しにしていました.そして今日もまた遠出をしてしまいました.さすがに疲れました.今日は浜坂町のバイカモ公園で,バイカモに止まるカワトンボの写真を撮ろうという目的で,夫婦でドライブしました.

ところがバイカモはほぼ姿が消えていました.川は水が流れているだけで,案内掲示がむなしく数年前の様子を表示していました.最近の気温上昇で水温が上がったからでしょうか.それでも探すと,ほんの片隅にバイカモの生き残りが見られました.


▲わずかに残っていたバイカモ.▲

まあ,私はカワトンボが目的なので,探してみました.アオハダトンボを期待したのですが,ニホンカワトンボとミヤマカワトンボだけでした.その他にはヤマサナエがいました.


▲ニホンカワトンボのオスとメス.▲


▲ミヤマカワトンボのオス.▲


▲ヤマサナエのオス.▲

これではどうしようもなく,引き返すことにしました.途中,砂が堆積する川があったのでちょっとのぞいてみましたが,ヤマサナエ1頭だけでした.とはいうものの,今年はヤマサナエの姿をあまり見かけていないので,まあ,あちこちで無事な姿を見るとホッとします.


▲ヤマサナエのオス.▲

ということで,またまた帰る途中にキイロサナエの姿を確認に出かけました.キイロサナエは姿を見せていませんでした.まだ早いのか? 代わりにいたのはヤマサナエ.この個体はなれなれしく,私の長靴に止まりました.


▲私の長靴に止まるヤマサナエのオス.▲

すぐ横ではニホンカワトンボが産卵をしていました.ところが面白いことに,警護するオスがずっと翅を広げているのです.翅を広げたままで何分も警護しています.


▲だんだんと近づいていって撮影を続けたが,翅はずっと開いたまま.▲

長い間ニホンカワトンボを見てきましたが,こういう行動は初めてでした.また水面ではオオイトトンボが産卵をしていました.流水なのですが,気にならないのでしょうね.


▲オオカナダモに産卵するオオイトトンボ.▲

今日はバイカモに止まるカワトンボというテーマでしたが,完全に失敗に終わりました.別のバイカモが見られるところに行く必要がありそうです.

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No. 1026. イトトンボの探索(4).2025.6.5.

まだ続けていますイトトンボ類の探索.今日はグンバイトンボです.レンズの使いこなしを試しているのですが,今年のトンボの発生状況を見るというのも大切な目的です.今日行く場所はグンバイトンボが激減したところで,前回の調査では流れのほんの一部にいました.出会うことができるでしょうか.

現地の川は,先日降った雨のせいでしょうか,やや増水していて川に入るのが少しためらわれるような状態でした.しかし一方で,ヨシは州に生い茂っていて,藪漕ぎ状態でもありました.グンバイトンボはこういったヨシ林(?)の中に潜っていたりしますが,全く出会うことがありません.流れに出ると,アオハダトンボがいて,オジロサナエが処女飛行に飛び出しました.また瀬の部分は石が顔を出していて,アオサナエが止まっていました.


▲アオハダトンボのメス.今日はアオハダトンボは2頭のメスが見られただけだった.▲


▲オジロサナエの羽化個体.▲


▲アオサナエ.今日は増水していて石が水面に出ている場所が少ない.▲

グンバイトンボは見つかりませんが,州の部分に水がたまっていて止水域ができている状態で,止水性のイトトンボがいました.


▲クロイトトンボの交尾.▲


▲先日探し回ったアジアイトトンボ,ここにはいた.▲


▲アオモンイトトンボのオス.▲

グンバイトンボはやはり見つかりません.最後に前回来たときにいた場所を探すことにしました.ただ,今日は増水していて,深みがあって川を渡るのが怖いので,いったん上がって向こう岸へ出て,再び川に入りました.なんと,いました.もっと感じのいい場所はたくさんあるのに,なんかここが気に入っているみたいですね.


▲グンバイトンボオス3頭,メス1頭を見つけた.▲

マクロレンズで撮っているので,軍配状の脚をクローズアップしなければ意味がありません.それは撮れましたが,この個体,脚が1本欠けていたみたいです.ただこのグンバイトンボの写真,増水した川の中に立って撮ったので,体がどうしてもゆれ,ピントを決めるのが非常に難しかったです.

明日も晴れそうだ.

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