トンボノート
No.954. 成虫越冬種三者そろい踏み.2024.4.28.

今日は,そろそろオグマサナエが繁殖活動を始めるのではないかと思い,去年オグマサナエがたくさんいた池に行ってみました.結果はまだ少し早いように思えました,池に出てきているオグマサナエは2頭だけ.そして今年は他のコサナエ属も含めて個体数が少ないように感じました.去年は池の堤を歩くと次々とコサナエ属のトンボが飛び立ったものですが,今年はパラパラという感じでした.


▲池に出てきていたオグマサナエのオス.驚いて飛び立ちホバリング.

フタスジサナエはまだ未熟な個体がほとんどという感じでした.タベサナエは見ていません.池ではホソミイトトンボとホソミオツネントンボが繁殖活動をしていました.またクロイトトンボが羽化を始めていました.


▲羽化しているクロイトトンボ.

あとコサナエ属に混じってシオカラトンボが飛びました.今年初ものです.


▲シオカラトンボのメス.

そこで次は,この3月末にオツネントンボを観察した池に行ってみることにしました.ホソミイトトンボやホソミオツネントンボが活動しているのを見て,あっちの池の様子も知りたくなったからです.

池に着くと,まあ,たくさんのホソミイトトンボが活動をしていました.全部で50頭以上いたのではないでしょうか.それに混じって,ホソミオツネントンボもいましたし,オツネントンボも老熟したのがまだたくさん頑張っていました.久しぶりに見る成虫越冬種三者そろい踏みです.10年くらい前は,ゴールデンウィークあたりにこういうそろい踏みをよく見たものですが,今年は久しぶりです.


▲まだオツネントンボは頑張って飛び回っていた.大分色が落ちてきている.


▲岸辺の草に止まって移精行動をとるペア.オスは翅がボロボロだ.


▲オツネントンボが止まっている下でホソミイトトンボが交尾している.


▲ホソミオツネントンボも産卵している.

三者の中ではホソミオツネントンボの個体数が一番少なかったようです.ホソミイトトンボはグループ産卵をよくやるトンボです.ですから,隣り合った位置に止まって産卵するのを多く観察しました.


▲産卵したり交尾したり,活動最盛期と思わせる状態であった.

さて,十分楽しめましたので,次にカワトンボが羽化していることを確かめに,小川のある谷筋に行ってみました.ニホンカワトンボとアサヒナカワトンボが羽化をしていました.そこには,コサナエ属もいましたが,やはりまだ未熟という感じでした.コサナエ属の繁殖活動が本格化するのは,5月に入ってからになりそうです.そしてうっかり同定ミスしてしまいましたが,ダビドサナエのメスも羽化していました.


▲ニホンカワトンボの未熟オス.アサヒナカワトンボはピンボケでした.


▲上から,タベサナエ,オグマサナエの順です.いずれもまだ未熟だ.


▲思い込みから最初フタスジサナエと誤同定.これはダビドサナエのメスです.

今年はシオヤトンボの数も少なく感じますし,コサナエ属もまだまだ未熟状態です.気温は今日28℃ありましたが,トンボの春は少し遅れ気味,というより,10年ぐらい前の標準的出現状況になっているようです.

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No.08. クロイトトンボ,羽化.
No.09. シオカラトンボ,未熟.
No.10. ニホンカワトンボ.未熟
No.11. ダビドサナエ.未熟