トンボノート
No.922. アマゴイルリトンボを見に行った.2023.6.22.

今日はアマゴイルリトンボを見に上信越地方へ出かけました.何しろ遠いので,旅館を予約してから天気よ良くなってくれ,と願うだけでした.しかし,予報は見事に雨雨雨.梅雨前線が南の方に,日本海には低気圧が梅雨前線に沿うように進んでいく構図です.まあ観光旅行だと割り切って,出かけました.ということで,今日も観察記ではなくエッセイとしました.

朝起きますと,雨の音がパラパラ出窓をたたいています.予想していたことなので,6:30ごろに出かけました.晴れていたら本当はもっと早く夜中に出かけるつもりでした.雨ですからそんな無理をすることもありません.舞鶴道・舞鶴若狭道・北陸道と走って行きますと,雨が降り続き,おまけに低気圧がそばにいるからか,ものすごい嵐のような風が吹き荒れて,木々が波打ち,車のハンドルが取られるくらいです.こんなもの,トンボが出てくるわけはないや,とのんびり走行しました.

ところが,金沢を過ぎたあたりから雨がやみ,薄日が差してくるようになりました.なんだこれは,いい方に予報が外れそうです.アクセルを踏む足にも力が入り,それまで100km/hの制限速度の所をトラックについて80km/h位で走っていましたが,一気に指定速度での走行,遅いトラックは追い越し,と運転に力が入りました.

目的地到着は14:00少し前.気温は22℃.日差しはありませんが雨が降った形跡もありません.これは池に出ていなくても周辺の草地で摂食ぐらいはしているはずだ,と見当を付け,目的の池に進みました.しかし駐車場から結構遠い.天気が崩れるかもしれないのでイライラしながら,山道を歩きました.20分以上かかって到着.池には全くトンボは出ていません.予定通り池のまわりの道を探索し始めました.ほどなくイトトンボが飛びました.なんと,クロイトトンボ.このトンボ本当にどこにでもいますね.でも,未熟なクロイトトンボのオスは他にはない美しさがあります.クロイトトンボの名称がしっくりきますね.


▲クロイトトンボのオスとメス.

少しがっかりしていますと,青いモノサシトンボが飛びました.いました.アマゴイルリトンボ.メスもいます.ただ,結構敏感に私の動きを感じるようで,なかなか近づかせてもらえません.


▲草の中に潜り込んでいたアマゴイルリトンボのオスとメス.

近づこうとすると,どんどんと草の中の方に入ってしまいます.最初に見つけたこの個体たちが最初で最後になるかもしれないので,かなりねばりましたが,近づけませんでした.仕方ないので,さらに先をめざしました.すると,明るい水色のトンボがいました.ルリイトトンボのようです.やはりこんな所にはルリイトトンボがちゃんといるんだと思いました.北の方の普通種でしょうか?


▲ルリイトトンボのオスたち.

ルリイトトンボのメスを探しましたが,見つかりませんでした.少しまた歩きますと,アマゴイルリトンボがあちこちから出てきました.たくさんいます.おそらく天気が中途半端なので,池面には出ることなく,全員草の中で摂食をしているのでしょう.かえってこんな天気が幸いしたかもしれません.池面に出られると,むしろ近づくことが難しくなりますから.


▲やはり見つかるのはオスの方が圧倒的に多い.

そんなとき普通のモノサシトンボも止まっていました.いるんですねぇ.2頭見ましたが,まだいずれも未熟な個体だったので,アマゴイルリトンボより少し遅れて出てくるのかもしれません.


▲モノサシトンボのメス,未熟.

ということで,草の中でちょろちょろしているトンボを見ただけで,繁殖活動などは観察できませんでした.池をちょうど一周した頃,雨がパラパラしてきました.また風も木々をうねらせるようになりました.どうやら低気圧を追い越して到着したようです.雨に濡れながら,池から駐車場へ引き返し,宿に向かいました.近頃はどこでもWiFiがあるので,宿に到着後早速アップした次第です.

このあとさらに東の方にトンボ観察に出るつもりですが,晴れれば,帰りにもう一度寄ってもいいかも...