トンボノート
No.905. ムカシトンボを見に行った.2023.5.21.

今日は兵庫北部へムカシトンボを見に行ってきました.同時に同所的に見られるヒメクロサナエとクロサナエの状況も確かめに行きました.

9:00過ぎに現地に入りますと,ほどなくムカシトンボのメスが入ってきました.こんなに早い時間帯に産卵に来るのは,フライングシーズン末期ならではのことです.


▲ムカシトンボの産卵.

少ししたら飛び立ち,場所を変えて産卵をしました.後を追いましたが途中で見失ってしまいました.ムカシトンボはもう数が減っているのでしょうか,その後は12:00前後に,オスと思われる個体が2,3頭が飛んだだけでした.写真の複眼も少し透明感が増し,かなり日齢が進んでいるようです.時間を見つけてフキの葉柄の産卵痕を探しましたが,見つかりませんでした.

ムカシトンボ以外には,今日はヒメクロサナエの活動が活発でした.オスは結構頻繁に(ヒメクロサナエにしてはということですが)流れの畔に降りてきました.メスも2回はいりましたが,いずれもオスにお持ち帰りされてしまい,写真にはなっていません.


▲結構頻繁に降りてきたヒメクロサナエのオス.

メスがオスに持って帰られてしまうので,途中からオスを追っ払う作戦に出ました.しかし,普段結構敏感なオスなのに全然逃げない個体がいました.あまりに逃げないので手づかみすると,簡単に採れてしまいました.記念写真を一枚撮って逃がしてやりました.


▲手づかみしたヒメクロサナエのオス.

今日はクロサナエの姿を全く見ませんでした.また帰りに寄ったヒラサナエの個体数も非常に少なく3オス1メスが見られただけでした.

今年は,なんとなくですが,トンボの出現時期が例年と違う感じがします.経験的な感覚と合いません.ヒラサナエなどは例年であれば,まだたくさんいるはずです.クロサナエはムカシトンボの後ヒメクロサナエの前に出てくることが多いのですが,これが全く見られなかったことも腑に落ちません.両者とも Davidius 属です.今後のトンボの動向を見ていきたいと思います.