トンボノート
No.897. 兵庫北部へ羽化の状態を見に..2023.4.20.

今日はまだ4月20日です.年によってはトンボ観察を始めたばかりというところってこともあります.ところが今年はすでに9回目の報告.報告していないときもありますので,観察に出たのは12回です.過去のブログの記事を見れば分かりますが,20日ごろはやっとフタスジサナエが羽化し始める時期です.本当に今年は驚きの早さです.

さて今日は,そんな状況なので,北部の方はどうなっているのだろうとトンボ出現の様子を見に行ってきました.あまり構えず,ドライブを兼ねてといった気分で行きました.出現状況を見るのでいつもの場所へ行きました.まずはホソミオツネントンボが多いところ.たくさんとまではいきませんが,そこそこのペアが産卵をしていました.単独オスもいました.


▲ホソミオツネントンボの産卵活動.

ホソミイトトンボもいましたが,すばしこく動き回っていて写真にはなりませんでした.毎年見かけますが,ホソミオツネントンボのメスで青みが全く出ていない個体が産卵しています.これはやがて青みが出てくるのか,それとも,このままなのか,ちょっと気になるところです.

さて,シオヤトンボはもう繁殖活動の最盛期と言ってよいような状況でした.あちこちでオスが飛び回り,交尾が見られ,メスは産卵活動をしていました.


▲シオヤトンボのオスと産卵するメス.

コサナエの羽化が見られたらなんて淡い期待を持ってきました.去年は4月19日で少し遅かった感じで,あちこちに羽化殻が付いていて,1頭だけ羽化していました.今年は,羽化殻の姿が見られません.まだ羽化していないのではなく,相当前に羽化して羽化殻が水辺からなくなったということでしょう.それを確かめるために未熟なコサナエを探しに歩き回りました.目撃したのは1オス2メスで,2メスを写真に撮りました.オスは水辺にこそ出ていませんが,結構活発に飛んでいました.それなりの日齢が進んでいるように思えました.


▲多分この一週間の間に羽化したものと思われる.コサナエのメスたち.

次はカワトンボの羽化状況を見に行きました.ニホンカワトンボはたくさん羽化していて,あちこちひらひらと飛んでいました.アサヒナカワトンボを探しに上流の方に行かなかったので,ニホンカワトンボに混じって止まっているのを見ただけで終わりました.林縁で過ごさず単独で川の畔の草に止まって,もうすでに成熟している感じのニホンカワトンボもちらほら見られました.


▲林縁の草地で過ごすニホンカワトンボの未熟なオスメスたち.


▲アサヒナカワトンボも腹部先端に粉を吹き始めている.

ここのカワトンボたちは出現が毎年結構早いので,こんなものだろうという感じでした.そして次はシオカラトンボ.シオカラトンボは5頭が草地を飛び回っていました.そのうちの1頭は,腹部にうっすらと粉を吹き始めていました.


▲シオカラトンボのオス.

こんな感じです.これで,今年ははや14種を目撃しました.あと川へ出向いて,ダビドサナエやホンサナエを確認に行こうと思っていましたが,なんか今日はちょっと歩いても息が上がってしまい,非常に疲れを感じました.ということで中止.これ熱中症までは行かなくても体温の上昇によるものかもしれません.今日は車外温度計で28度ありましたから.

観察途中,毒蛇さんたちに会いました.彼らも暑いのか,マムシなどだらーんと伸びていました.ヤマカガシはまだ若い小さな個体です.ゲストに紹介しておきます.それにしても最近はマムシを見ることはほとんどなくなりました.


▲マムシさん.尾部が急激に細くなってツチノコ状に見える.ほかの蛇を食べた?.


▲ヤマカガシさん.二匹の毒蛇がすぐ近くを這っていた.

ということで,結構たくさんの生き物に出会えた観察行でした.