トンボノート
No.892. オグマサナエが羽化していた.2023.4.10.

昨日,タベサナエやフタスジサナエの羽化を観察しましたので,残ったオグマサナエの羽化を見たくて,まったくの新しい場所に挑戦しました.そこは集水域に水田がなく,おそらく農薬の影響がないと思われるところです.実際に行ってみると,岸からいきなり深くなっていて水生植物もほとんどない池でした。こういうドン深の池はオグマサナエの好む環境なのです.

池に着いたのが11:20ごろで,堰堤に沿って歩きますと,コサナエ属のトンボが飛び上がりました.全部で7,8頭が飛びましたが,全部池に隣接する林の樹上に飛び上がってしまい,種名を確認できません.ただ,腹部が長い感じがしますし,池の環境がオグマサナエですので,期待をしながらゆっくりと探索を進めました.やっとのことで,1頭だけ,堰堤に止まっている状態の個体に接近ができました.前肩条はあるのですが,胸側の部分が翅に隠れて現地では種名が確認できませんでした.そして自宅で写真をよく見ると,胸側の黒条が1本.オグマサナエと確認できました.昨日のフタスジサナエやタベサナエと比べると分かりますが,オグマサナエのメスは,羽化直後の複眼が灰色がかっているので,その点でも間違いありません。


▲オグマサナエのメス.池から飛び上がって堰堤に止まったもの.

池の堰堤の角度が急で,しかもドン深なので,危なくて水際まで降りることができません.羽化や羽化殻は見つけられませんでしたが,結構個体数もいるようで,繁殖期に来ればいろいろな行動が見られるかもしれません.今年の楽しみができました.

ということで,周辺のほかの池を回ってみました.が,特に目新しいこともなく,オツネントンボとホソミオツネントンボがいただけです.ただ,私の今までのフィールドでは見られにくくなったオツネントンボがこの付近では結構見られたので,これは収穫と言えます.それにしてもホソミイトトンボには出会いませんね.


▲オツネントンボの集団産卵.上の2枚は違う池である.


▲ホソミオツネントンボ.なんか繁殖活動が見られない...

今日は,このあたり以外に,川と池を回ったのですが,いずれもトンボの姿がありませんでした.まだカワトンボ類はちょっと早いのかな.明日も晴れそうですので,またどこかへ出かけることにします.