続 トンボ歳時記
No.633. オオルリボシヤンマの産卵.2018.9.18. -Part.2

今日は2カ所に出かけてきました.ここで紹介するのはその2カ所目です.ミヤマアカネの観察を終えての帰り道,三度目の正直,オオルリボシヤンマを見に行きました.過去2回はオオルリボシヤンマの産卵に巡り会えず,タカネトンボに出会っただけでした.さて,今日はどうでしょう.

現地に入ったのは12:20です.池に入ると,コウホネの間からオオルリボシヤンマのメスが浮き上がるように飛び立ちました.いました.そして池を回ってみると,開水面のある部分で,4頭のメスが産卵を行っていて,これもまた産卵を中止し,少し飛び上がってホバリングしました.

▲3mほど横を通っただけで,産卵を一時中止し,飛び上がって様子を見る.

▲飛び上がるとホバリングするので,オートフォーカスで写真が撮れる.

まあこれは儀式みたいなもので,こちらが動かずじっとしていると,すぐに水面に下りて産卵を再開します.

▲開水面で産卵をするオオルリボシヤンマたち.全部で3個体が写っている.

メスが複数いると警戒心がやや緩む傾向が見られます.できるだけ近づきたいので,よく止まる基質のあるところの近くに陣取って近づくのを待つことにしました.しかし警戒してなかなか近くの枯れ枝のあるところにやって来ませんでした.まあこんなものかと思って,場所を変えました.うまいことに岸近くで産卵している個体があったのでそっと近づいて近距離で撮影ができました.

▲岸近くで産卵してくれたオオルリボシヤンマ.枯れ葉の上に止まっているが何に産卵しているのだろう.

▲スギの葉に産卵するオオルリボシヤンマ.

▲朽木に産卵するオオルリボシヤンマ.

この後,近くに源流域があったので,ミルンヤンマを探しに行きましたが,まったく姿はありませんでした.そして再び池に戻ってきましたら,今度は目の前のアサザの群落のところで産卵する個体がいました.この個体はあまり神経質ではなく,40cmくらいのところでストロボを焚いてもまったく動じませんでした.

▲目の前で産卵したオオルリボシヤンマ.こういう個体は助かります.

▲アサザの葉の表面に産卵するオオルリボシヤンマ.

至近距離で撮ったので,最後に顔写真で締めくくります.この写真を撮ったとき,正体不明の黒いヤンマが入りました.よく見るとルリボシヤンマのオスでした.コウホネの間にもぐり込んだり,岸近くの水草の辺りを丹念に見回しながら飛んでいます.メスを探しているのです.

▲オオルリボシヤンマのメスの顔.

そうそう,おまけを一つ.昨日から静止個体の写真を撮ると,どういうわけかシャッターを切った瞬間に飛び立ってしまい,飛び立つ瞬間が記録されていました.今日もまたそれが起きました.相手はオオアオイトトンボ.ここの池オオアオイトトンボがたくさんいるようです.

▲オオアオイトトンボが飛び立った瞬間.下に落ちるようにして飛び立っている.

また秋が深くなったらオオアオイトトンボを見に来てみることにします.うまくいけば,ここでルリボシヤンマも見られるかもしれません.一石二鳥をねらって観察に来てみましょう.今日は両方合わせても4時間ほどで観察が終了.トンボが予定通りいてくれると,短時間で観察が終えられます.