トンボ観察記
No.546. ムカシトンボの観察.2017.5.14.

今年はトンボが遅い感じがしています.例年であればムカシトンボにちょうどよい時期ですが,今年はどうだろうと考えながらも,この晴天の日,観察に出かけることにしました.現地に入ったのは9:00少し前.まだ川にはトンボの姿はありません.9;20頃になって,オスが流れの上を,摂食とも探雌ともつかないような飛び方で,行ったり来たりするのを見ました.

▲ムカシトンボオスの飛翔.

これを見て,今日は時期的にはもうムカシトンボの季節に入っていると感じました10:00少し前,メスが産卵場所を探すように,川べりをゆっくりと飛ぶ姿に出会いました.驚かさないようにゆっくりと後を追いましたが,時々止まって産卵はするものの,落ち着いてじっくりとは産卵しません.

▲ムカシトンボの産卵.

時々見失ったりしながら,結局は最初見つけた場所に戻って,産卵を始めました.30分以上そこで産卵を続けていました.ただ,産卵角度が悪く,また時々寝そべって産卵するような感じで,アングルとしてはいい感じではありません.

▲寝そべったような姿勢でじっとしている産卵メス.

またほとんどお尻を向けていました.今日はビデオで記録したので,ビデオから切り出して記録しておきます.

▲少しずつ移動しながら産卵するメス.

産卵場所はコケなどが密生しているところで,ジャゴケのようなものに産卵していたようです.腹部をデジタルズームで拡大して撮影してみましたら,産卵痕とともにそれが写っていました.

▲腹部先端と産卵痕(白い矢印).

まあ,今日は,半日という短い時間でいたけれども,いい観察ができたようです.ヒメクロサナエやクロサナエの姿は全く見ずでした.


この日に撮影したビデオと,これまでの4年間に撮影したビデオを合わせて,「ムカシトンボの産卵とその基質植物」として公開しました.


ビデオ:ムカシトンボの産卵とその基質植物