トンボ歳時記
No.254. ムカシトンボを探して. 2011.5.8.

今日は,姫路市でムカシトンボが羽化していたというN.O.氏の情報をもとに,姫路市の川の上流部へ出かけてきました.まずは,N.O.氏の撮影されたムカシトンボの写真を紹介しましょう.もちろん氏の承諾を得ています.兵庫県産のムカシトンボ成虫の生態写真は意外とありませんよ.

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▲ムカシトンボメスの羽化.姫路市.N.O.氏撮影.

さて,現地に入ったのは9:00過ぎ.朝は曇っていたのでこれくらいでいいかと思いましたが,出かけると急に晴れてきて気温が上がり,ちょっと出遅れたかと感じました.まあ,気を取り直して,山を登っていきました.

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▲現地の流れの風景.

ムカシトンボは源流域にいるので,どうしてもこのように歩いて生息地にアプローチしなくてはいけません.昨日の神戸市内の探索でかなり足腰に来ていたので,今日はとても登るのがつらかったです.

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▲ムカシトンボの幼虫.現地で撮影,現地で放流.

さて,羽化している個体などというものは,個体密度が小さい兵庫県の産地では,よほど運がなければ出会えるものではありません.まずは幼虫を探し,見つかったらその周辺の林を捜す,という手順で進めました.幼虫はかなり簡単に網に入りました.手順通り周辺のそれらしいところを探し回りましたが,簡単には見つかりません.お腹がすいたので昼食をとろうと登山道の横に腰掛けて,おにぎりを食べていると,石の下側についていた羽化殻と目が合ってしまいました.

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▲見つかった羽化殻.いずれも登山道の石段の下側に着いていた.

羽化殻は合計2個見つけました.残念ながら羽化途中の個体には出会えませんでした.兵庫県でムカシトンボをカメラに収めるのはかなり根気がいる仕事のような気がします.採集なら簡単なのですけどね......

ということで,今日も最後にゲスト出演.アミガサタケです.

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▲アミガサタケ.実物を自然状態で見るのは初めてである.