トンボ歳時記
No.232. 晩秋のトンボ生き残り調査(2). 2010.12.12.

今日は午前中日射しがあって暖かだったので,定点へトンボを観察に行きました.

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▲観察地の農道.

日だまりのある農道はすっかり冬景色になっていました.
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▲マユタテアカネのオス.

着いてすぐに出会ったのがマユタテアカネのオスでした.まだまだいるのかなと思いましたが,農道にはこれ1頭だけでした.あとはキトンボのメスがいました.トンボの数も非常に少なくなっていました.


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▲キトンボのメス.腹部が凹んでけがをしている.

このキトンボのメス,腹部が凹んでいます.多分鳥のくちばしではさまれたのではないかと思います.寒くなると,トンボの数が減るのは寒さだけではなく,寒さで動きが鈍くなったトンボが鳥に食べられるからだと考えています.12月に入った生き残りトンボの翅の破れ方が独特です.このメスも,後縁が引きちぎられたような破れ方をしています.昨年は鳥のくちばし型の△の破れ方をしたものが複数いました.このキトンボの凹み方は外圧がかからないと生じないような凹みです.

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▲池に現れて,エサを探すような仕草をするキセキレイ.

さて,池では産卵を期待して少し待つことにしました.すると,向こうの方で,キセキレイが池に入って,なにやら探しています.これはきっとトンボのような小昆虫を探しているに違いないと思い,しばらく観察を続けました.残念ながらトンボをつかまえる瞬間は見ることができませんでしたが,やはり晩秋のトンボは鳥に襲われているのではないかという予測を,より確信しました.

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▲池でなわばりをはるキトンボ.

池ではまだキトンボが時々ホバリングをしながらなわばり活動をしていました.合計6頭.マユタテアカネも2頭オスが飛んでいました.まだまだ頑張っていますね.なお,産卵に入ったらしいメスを追いかけるオス2頭を目撃しましたが,確認はできませんでした.