トンボ歳時記
No.172. 中部地方への遠征(1). 2010.7.10.

今日も雨だろうと思って,前の日は「明日はHPの整理でもしよう」などとぼんやり考えて帰宅したところ,妻が「明日は一日だけ奇跡的に晴れ,中部の方も晴れマーク」などと開口一番に報告.ということで,思い切って夫婦で遠征に出かけてきました.

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▲観察地の風景.

観察地に着いたのは10:00ころ.安全運転でやってきたので,6時間以上かかってしまいました.天気は雲が多いものの晴れ.もうトンボたちは飛び回っていました.

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▲現地にいた普通種.

到着すると,まず目についたのはカオジロトンボでした.たくさん飛び回っています.次に目についたのが,水面を飛び回っているエゾイトトンボ.そしてヨツボシトンボもまだ元気で,交尾・産卵をしています.同時にショウジョウトンボやキイトトンボという夏のトンボも飛んでいました.

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▲エゾイトトンボのオス.

エゾイトトンボは,水色の部分が多く,兵庫県などに分布する同じような色彩のトンボよりいっそう鮮やかに見えます.でもここのエゾイトトンボはとても神経質で,ちょっと人影が動いただけで,さっと飛んで逃げてしまいます.こうやってオスが止まっているのを撮るのは結構大変でした.

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▲エゾイトトンボ.緑型のメスとの交尾と産卵.

エゾイトトンボには,クロイトトンボと同じように,メスが多型現象を示し,2型あります.上の写真はそのうちの緑色をしたタイプです.数はこちらの方が少なかったように感じました.

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▲エゾイトトンボ.青色型メスとのタンデムと産卵.

青色型のメスは結構目につきました.敏感なのはやはり同じで,なかなか近づくことができず,たかがイトトンボといっても,写真は結構大変でした.ただ,トンボたちとある程度一緒に過ごすと(というよりある程度写真をとって余裕が出てくると),要は,じっと待っていれば向こうからやってくる,ということに気づき,後半は接近撮影もかなりできました.どうしても初めのうちは追いかけ回すのですね(笑).