トンボ歳時記
No.158. ホンサナエを探して. 2010.5.22.

先週,とある谷筋で未熟なホンサナエのメスを見つけたので,今日は,その谷口を流れる川へホンサナエの探索に出かけてきました.

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▲調査地の川.

いつもそうですが,見つかるときはあっけないもので,現地に到着して100mも歩かないうちにホンサナエの姿を発見しました.早速川に入り写真記録をとりました.

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▲葉や花にとまるホンサナエ.

ホンサナエは結構すばしこいサナエトンボで,近づくのに苦労しました.見つけたホンサナエはオス2頭だけでした.

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▲川の石に止まるホンサナエ.これがホンサナエらしい.

このあと川に沿って少し歩いてみましたが,他にホンサナエの姿はありませんでした.メスを探索するように,止まったり飛翔したりしていたので,この川に生息していることは間違いないと思いますが,数は多くないようです.


これに気をよくして,午後からかつての神戸市内の産地へ出かけてみましたが,やはりホンサナエどころかトンボの姿はありません.シオカラトンボが1頭だけ飛び回っていましたけれども...

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▲上はかつての神戸市内のホンサナエの産地.下はシオカラトンボ.

20年前にはたくさんホンサナエがいたのですが,見かけはたいした変化はないのに,こうやってトンボが消えていくのをあちこちで目の当たりにしていると,喪失感がぐっと涌いてきます.齢を重ねるとこういった喪失感にさいなまれるのでしょうね.

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▲20年前,この産地で撮影されたホンサナエ.

今日は,早々に目的を達成し,昼から曇っても来ましたので,新規開拓であちこちを回って,環境を見て,帰ってきました.