トンボ歳時記
No.146. やっと水面がにぎやかになりました. 2010.5.4.

今日は朝来市では30.0℃を記録し,真夏日となりました.暖かさ,いや暑さはもう十分すぎるくらいです.今日はまずは定点観察の池に行きました.池面では,ヨツボシトンボ,トラフトンボが飛び交い,ヨツボシトンボでは交尾・産卵が見られました.

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▲池で活発に活動するヨツボシトンボ.まだ若いせいか全然止まらない.
 上:タンデムと交尾.
 中:交尾されて逃げて静止したメスを執拗に刺激するオス.
 下:産卵行動を始めたメス.でもすぐに池を飛び去ってしまった.

ヨツボシトンボのメスはまだ成熟が不十分なのかもしれません.産卵をすぐに終えて飛び去ってしまいます.この間のシオヤトンボとよく似た状況です.交尾されて池から逃げ出して静止したメスを,オスが執拗に刺激している様を観察しました.

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▲トラフトンボもパトロールを始めた.

またトラフトンボでしょうか,少し遠かったので確認不十分でしたが,交尾態で池面を飛んでいたとき,オオクチバスにジャンプ一発,食べられてしまいました.今年もオオクチバスの餌食になるカップルは多くなりそうです(涙).この池は,オオクチバスがいなければ,相当にトンボの多い池になるのじゃないかと思います.残念.そうそう,あと,シオヤトンボも池にやってきていました.


さて,次は少し北の方にある池に行きました.サナエトンボねらいです.

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▲二つ目の観察池.

池に着くと,早速オグマサナエが迎えてくれました.サナエトンボも成熟して池に戻ってきていました.よかったよかった.

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▲オグマサナエのオス.時々ホバリングを交えてパトロールする.

オグマサナエの産卵を見たかったので,この池で3時間ほど粘りました.退屈紛れにトラフトンボが飛んでいるところを撮影していましたら,1頭だけメスが入ってきました.しかし,トラフトンボがこれを目ざとく見つけ,追い払ってしまい,結局産卵行動は観察できませんでした.

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▲この池で見られたトンボたち.
 上:ホソミイトトンボ.
 2段目左:トラフトンボの交尾.2段目右:オツネントンボ.
 3段目:パトロールするトラフトンボのオス.
 下:フタスジサナエ.

オグマサナエ以外には,トラフトンボの数が多く,数回交尾態で飛び回るのを見ましたが,産卵は見ませんでした.やはりまだ少し卵の成熟が十分ではないのかもしれません.オスに交尾されたメスは,一気に池の外へ逃げてしまうという状況でした.あと,フタスジサナエ,ホソミイトトンボ,オツネントンボを見ました.クロイトトンボ属の種が羽化していました.フタスジサナエは周辺にまだ未熟なのもいて,オグマサナエより少し成熟が遅れているようでした.

ここに来てやっと,池が春らしくなり,トラフ,ヨツボシ,コサナエ属などが池をにぎわすようになりました.これで安心,そしてこれからまた忙しくなる....(喜).