トンボ歳時記
No. 063. 神戸のトンボ調査(8) ニホンカワトンボの繁殖行動. 2009.5.24.

ホンサナエの観察はこれくらいにし,空の雲が切れてきたので,このまま神戸市北区の川へ,ヤマサナエを見に出かけました.

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▲観察地の北区の川.水はきれいで,雨の予報でも天気も上々.

最初に出迎えてくれたのはキイロサナエでした.神戸市内で羽化を見るのは,本当に久しぶりです.この冬に幼虫を確認していますが,成虫を見るのはやはり嬉しいものです.

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▲キイロサナエオスの羽化.

ゆっくりと観察をして,続いて上流に向かって川を歩いていきました.ニホンカワトンボの数が非常に多く,あちこちで飛び立ちます.タンデムになったペアが飛び立ち,葉上で移精行動を始めましたので,写真を撮りました.交尾と違って,移精は一瞬で終わるので,なかなかシャッターチャンスがありません.

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▲ニホンカワトンボの移精行動.移精は十数秒で終わり,すぐに交尾態になる.

さらに少し上流に向かっていくと,産卵に出会いました.カメラを5cmまで近づけても逃げる気配もありません.

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▲流れの中の枯れ枝に産卵している淡橙色型のメス.水がきれい.

そうこうしていると,すぐそばに,ハーレム状態のオスがいました.産卵に適した倒木に陣取って,周りでメスが3頭産卵しているのを見守っています.そこへさらにメスが来て,それをつかまえて交尾.交尾後このメスも3頭に混じって産卵を始めましたので,きっと産卵している3頭も,このオスと交尾したものでしょう.

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▲ニホンカワトンボの縄張りと,その中で産卵するメス,さらに交尾をするオス.

よくみるとあちこちで産卵が行われています.今日はニホンカワトンボの産卵デーという感じで,十分に,飽きるほど,観察を堪能しました.

この他には,コヤマトンボを1頭,クロスジギンヤンマのオスを1頭目撃しました.結局目的のヤマサナエは見つけることができませんでしたが,思いつきで出てきた割には十分に成果があった3時間でした.