神戸のトンボたち
K047. フタスジサナエ Trigomphus interruptus
メスの静止.日付不詳.,神戸市北区.
メスの静止.日付不詳.,神戸市北区.
 神戸市では各地に記録があり,春に普通に産するサナエトンボといえますが,最近は数が減ってきています.六甲山地の高標高地からは記録がないようなので,基本的には平地,丘陵地,低山地に生息する種といえそうです.
 環境としては田園地帯のため池がその中心となるようですが,他に,湿原でも成虫が見られます.また淡河川で羽化殻が1個採集されていますが,これは,どこからか流れてきたものと思われます.幼虫は,ため池の岸近くの泥の中に潜んでおり,落葉のたい積している下の泥などに隠れています.
 フタスジサナエは春一番に羽化するトンボの1つです.北区の10×5m程度の小さな池では,4月21日の暖かい日に羽化殻(ぬけがらのこと)を合計68個を採集したことがあります.これでもまだ全部採りきっていないことは確実で,100個はあると思われました.この日は朝から快晴で気温も高く羽化には絶好の日よりで,ここに到着したのは14時30分ころでしたから,この日の午前中にほとんど羽化したのではないかと思われます.羽化殻は水面に浮かぶものがたくさんあり,他のものは水面から出ている植物の茎に垂直に,また水面に広がる葉や岸の泥の上で見つかりました.羽化途中の幼虫も1頭観察しました.
 また西区の池では1日で数百のオーダーで羽化殻が採集された記録もあります.とにかく数の多かったサナエトンボですが,他のトンボの例にもれず1980年代からの20年間で激減しました.