デジタルトンボ図鑑
オオヤマトンボ Epophthalmia elegans elegans (Brauer, 1865)
オオヤマトンボ:♂,小野市.♀,神戸市
♂,2001.6.18.(左).♀,1997.8.2.(右)/ スケール:1.0cm. 100% on 150ppi.
<分類学的位置>
 トンボ目 Order Odonata
 ヤマトンボ科 Family Macromiidae
 オオヤマトンボ属 Genus Epophthalmia

<分布> 
 北海道・本州・四国・九州,さらに南西諸島の島々に点々と分布し,与那国島まで至る.海外では台湾,中国などに分布する.


翅が透明な♀,小野市
翅が透明な♀.2008.5.21. / スケール:1.0cm. 100% on 150ppi.
<特記事項>
 身体が金緑色に輝き,池の周囲を巡回するように飛ぶ.コヤマトンボ Macromia amphigena amphigena やキイロヤマトンボ Macromia daimoji よりひとまわり大きい.
 本種は,かつては南西諸島には分布していなかったが,1967年に石垣島の石垣ダムで発見されたのを皮切りに,次々と南西諸島で発見されていった.
 本種は比較的開けた止水域(池や湖)に生息する種である.しかし開発が進む前の南西諸島の自然は,うっそうとした樹林が広がるなかに河川が発達するといった環境で,大規模な止水域というような水環境はほとんどなかった.石田(1969)は自身の最初の石垣島での発見に関して次のように述べている.『おそらく台湾から飛来したものが,石垣ダム造成により世代を重ねるようになったものと考えられる』と.また山本(1978)は,沖縄本島産の標本が日本本土産の標本に比べてひとまわり小さいことを指摘しており,渡辺・小浜(1986)では,石垣島産の標本も同じ特徴を持っていることから,沖縄本島産の飛来源について,石垣島産のものとの関連を示唆している.杉村ら(1999)はこれらのことを総合して,『最初台湾から飛来したものが大規模貯水池の出現で産卵場所が確保されるようになって定着し,それが飛び石的に伝播して,急速に琉球弧に分布が広がった』と推測している.

石田昇三,1969.原色日本昆虫生態図鑑.II.トンボ編.保育社.
山本哲央,1978.南西諸島のトンボの記録.昆虫と自然, 13(13):22.
渡辺賢一・小浜継雄,1986.沖縄のトンボ.博物館友の会,沖縄.

<生体写真>
オスの生体写真