T.アオイトトンボ属 Lestes
本州以南に分布するアオイトトンボ属3種は,♂の場合,尾部下付属器を腹面から見て区別するとよい(図1).また成熟すると腹部先端部に白色の粉を吹き白くなるが,オオアオイトトンボは第10腹節だけが白くなるのに対し,他の2種は第9,10腹節が白くなる.なおアオイトトンボは胸側にも白い粉を吹く.
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図1.本州以南に分布するアオイトトンボ属3種の♂の比較.
♀の場合は少し難しくなるが,まず翅胸側面の金属緑色の部分の先端が,第2側縫線に全く届かないのがコバネアオイトトンボで,届くか届かないかくらいで点で接する程度のものがアオイトトンボ,広く接するのがオオアオイトトンボである(以上は♂でも同じ).産卵管はオオアオイトトンボがいちばん大きく発達し,続いて,アオイトトンボ,コバネアオイトトンボは産卵管の発達が悪い.これら3種はいずれも産卵管の先端は腹部の先端を越えない程度であるが,北海道のエゾアオイトトンボはこれを大きく越えるという(杉村ら,1999).
図2.本州以南に分布するアオイトトンボ属3種の♀の比較.
U.オツネントンボ属 Sympecma,ホソミオツネントンボ属 Indolestes
オツネントンボとホソミオツネントンボは,未熟なときに色彩がよく似ているが,前翅後翅を重ねて翅をたたんでいるときに,縁紋の位置を確認すれば簡単に区別できる.
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図3.オツネントンボとホソミオツネントンボの区別点.
杉村光俊・石田昇三・小島圭三・石田勝義・青木典司,1999.原色日本トンボ幼虫成虫大図鑑.北海道大学図書刊行会.