No. 968. ベニイトトンボの新産地.2024.6.10.

今日は,水に濡れて一時は完全に沈黙したカメラが奇跡的に復活再稼働し始めたので,そのテストをかねて近くの公園に出かけ,撮影をしてみました.連写,ストロボ発光,オートフォーカス,等々のチェックです.250枚ぐらいの写真を撮りましたが,極めて順調でした.これなら使えそうです.よかった.

さてそんな軽い気持ちでのテスト撮影でしたが,トンボの方は成果がありました.近くの公園にベニイトトンボがいたのです.


▲処女飛行に飛び立ち,止まったベニイトトンボのオス.▲

池の際を歩いていると,池の方から処女飛行に飛び立ったイトトンボがいました.赤い色をしていましたので,まさかと思いましたが正真正銘のベニイトトンボです.この時期はトンボの端境期であり,この公園のトンボもあまりパッとした種類がいないと決めつけていました.だから今まで足が向かなかったのですが,そういった隙間にこういったトンボが見落とされるんですね.今年は似たような反省をよくしています.


▲近くを探すと,池には成熟した個体が10頭程度活動していた.▲

さらに目を凝らして探しますと,交尾をしているペアがいました.交尾が終わると産卵が始まるかもしれません.


▲交尾するベニイトトンボ.メスにはダニがついている.▲

このペアはやがて交尾を解き,タンデムで水面の方に降りていきました.しかしすぐには産卵を始めず,メスは腹部を直線的に伸ばしたままでいます.


▲水面に降りたペアだが,メスは腹部を伸ばしたまま曲げようとしない.▲

根比べでかなり待ちましたが,やがて飛び立ち,草陰に入ったかと思うと見失いました.しかたないので,移動しながらベニイトトンボの状況をさらに調べました.単独オスがときどき目に付きます.そんな中,ペアが草の間を矢のように飛んでいるのを見ました.

▲飛び回っていたペアが止まるところ.▲


▲あちこち移動するベニイトトンボのペア.▲

このペアもタンデムで飛ぶだけか...と思っていますと,やがて産卵を始めてくれました.


▲産卵するベニイトトンボのペア.▲

ということで兵庫県のベニイトトンボの産地が一つ増えたことになります.この池は他の生息地からは相当に離れていますから間違いありません.カメラテストが新しい発見につながりました.他のトンボは端境期であることもあって,少なかったです.キイトトンボと産卵するコシアキトンボを紹介しておきましょう.


▲キイトトンボのオス.ベニイトがいればキイトがいるという経験則は当たった.▲


▲若いコシアキトンボのメスが産卵していた.すぐにオスに見つかりどこかへ行った.

トンボの世界は夏に衣替えを始めていますね.

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今日初出会いのトンボたち
No.40. ベニイトトンボ,産卵
No.41. キイトトンボ,オス,メス

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No. 967. 信越地方へのトンボ観察行.2024.6.5-8.

梅雨入りの前に,信越地方へ,トンボ観察に行きました.見たいトンボはオオトラフトンボです.もともと幼虫(ヤゴ)に興味があったため,日本産トンボ幼虫については,だいたい出会ったり生きた状態のを見たことがあるのですが,成虫については,自然の中を飛ぶのを見ていない種類がそこそこあるのです.オオトラフトンボもその一つです.

まず一日目は,昨年アマゴイルリトンボを観察した場所へ行くことにしました.そこには遠くを飛ぶ不均翅類のトンボがいて,種類がはっきりしなかったのですが,写真に撮って解析したら,どうもオオトラフトンボのように見えたのです.そこで今年はまずそれを確認に行きました.結論から言うと,いました.一日目は午後到着で気温が18℃とやや低かったこともあり,水面を飛ぶトンボはほとんどいませんでした.一方草の間には,アマゴイルリトンボの未熟な個体がたくさん群れていました.羽化期のようです.


▲草間に群れるアマゴイルリトンボの未熟個体.▲


▲アマゴイルリトンボの羽化殻.まだ羽化期が続いているのだ.▲

二日目,朝は青空,予報は昼から曇り,まあまあの感じです.朝8時過ぎに池に着いたとき,まだ水面を飛ぶトンボはいませんでした.しかし日向にはコサナエたちが止まっていました.と,突然足下で,コサナエが産卵を始めました.


▲産卵に来たコサナエ.淡色部がまだ黄色く若いのだろうか.▲

写真でおわかりのように,写真撮影には理想的な場所です.背の低いシダ植物の上で産卵をし,背景は空が反射する水面です.こういう位置ではオートフォーカスがよく効くのです.案の定数十枚の写真のほとんどはフォーカスが来ていました.なんか,ステージの上で産卵のショウを見せてくれているようです.


▲産卵をするコサナエ.▲


▲オスはあちこちに止まっている.▲

さて,本命はオオトラフトンボです.実は一日目ロケハンをしているときに,オオトラフトンボの羽化殻を見つけました.なんと水際から1mくらい離れた小径の,池とは反対側に生えている草に付いていました.一日目は不均翅類のトンボの姿がほとんどなかったのでちょっと心配はあったのですが,これでこの池にいることは間違いないということが確認できました.


▲オオトラフトンボの羽化殻.これはオス.▲

ただこんなものが着いているということは,まだ繁殖活動には早いのかと,別の心配が出てきました.羽化殻は二日目も見つかり,全部で6個体採取できました.


▲オオトラフトンボの羽化殻.これはメス.▲

さて,コサナエの産卵を見たあと,産卵に敵した場所,つまり水中に卵を絡めやすい沈積物のある場所で,待つことにしました.ここは一日目に羽化殻を見つけた場所でもあります.そうこうするうちに池の中央を飛ぶトンボが現れました.あまりに遠くて種類がよく分かりません.クロスジギンヤンマにしては小さいし,トラフトンボにしては大きいというサイズです.このトンボ,ほとんど岸に近寄らず,中央ばかりを飛んでいます.しかも私が近づくと,その反対側に寄って飛びます.見えているのですかね?


▲池の中央部を飛ぶばかりの謎のトンボ.囲みは腹面からのアングル.▲

撮った写真をホテルで確認すると,どうやらオオトラフトンボです.オオトラフトンボは池の中央を飛ぶとことは図鑑等に書かれていますが,まさにその通りでした.かなり粘りましたが,岸に近づく気配はありません.これはもう産卵に来るメスしか接近遭遇できそうにないと,判断せざるを得ない状況でした.まあ,本当にトンボによってその行動パターンはさまざまです.若干の悔し紛れはありますが,これが生態観察なのですね.写真には難しい相手です.普段見ている人には当たり前の光景なのでしょうが,初めて実感したときの感情,これが遠征の「冒険心」をくすぐります.

すると,10時を過ぎたころ,突然私の目の前に黒いトンボが入り,行ったり来たりしながら打水産卵を始めました.オオトラフトンボはこんな産卵はしません.写真を撮りまくりましたが,動きが早くピントが来ません.1枚だけなんとか写っているものがあって確認すると,カラカネトンボでした.


▲産卵にやって来たカラカネトンボのメス.▲

よく見ていると,ときどき岸近くを飛ぶオスの姿も確認できました.でも速すぎて写真にはなりませんでした.ということでしばらくしてから,地元では見られないイトトンボ類の確認をすることにしました.


▲エゾイトトンボ.メスには青色型と黄緑色型がある.▲

まずはエゾイトトンボです.エゾイトトンボは信越地方では極めて普通種のようです.私には北の方にやって来たと実感させられるトンボなのですが...アマゴイルリトンボがまだ羽化期が続いている状況の中で,エゾイトトンボは見た限り成熟した個体がほとんどでした.


▲オゼイトトンボ.こちらは未熟な個体や,処女飛行の個体がむしろ多かった.▲

次はオゼイトトンボです.こちらはまだ羽化期のようで,足下から処女飛行する個体をいくつか見ました.繁殖活動には少し早いようです.対してアマゴイルリトンボは,羽化期ではあるようですが,すでに成熟して産卵しているペアもいました.


▲アマゴイルリトンボの産卵.▲

それから,オオトラフトンボを待っているとき,ルリイトトンボを見ました.クロイトトンボに混じって枯れ枝の先に止まっていました.これ1頭だけしか見なかったので,この場所では数が少ないのでしょう.でもイトトンボというのは,近くでじっくり見ると,とてもきれいなトンボたちです.でもどうして北の方のイトトンボたちは水色をしたものが多いのでしょうね.


▲ルリイトトンボ.▲


▲潜水産卵を始めているクロイトトンボ.▲

クロイトトンボを初め,地元で見られるトンボたちも活動していました.写真にはありませんが,クロスジギンヤンマも元気に飛んでいました.シオヤトンボなど,兵庫県ではもう終わりといっていいですが,標高が高いせいか,まだまだ若くてきれいな個体がたくさんいました.アサヒナカワトンボも繁殖期真っ盛りの感じです.


▲標高が高いせいでしょうか,まだ若々しくきれいなシオヤトンボ.▲


▲アサヒナカワトンボも数多くいた.▲

さて,この場所は,これ以上いても進展がなさそうなので,移動して宿に入ることにしました.次の日のターゲットはオオセスジイトトンボですが,これはまだ時期が早いと地元の友人に助言を受けていましたので,観察地の様子を見る程度にしました.

三日目,観察地に着いて池の周囲を歩いて,トンボのようすを観察しました.草地の中にはアオモンイトトンボがたくさん群れていました.


▲草の間に群れるアオモンイトトンボたち.▲

と,突然目の前を,大型のイトトンボが飛びました.よく見るとオオモノサシトンボのようです.腹部第9節の背面が褐色をしています.


▲未熟なオオモノサシトンボのオス.▲

やはり遠くへ来るといろいろなトンボたちに出会えますね.これが楽しみでもあります.ただこれ1頭だけでした.これから羽化してくるのでしょうね.

さらに歩いているとアオモンイトトンボの交尾の時間帯に入ったようです.アオモンイトトンボは午前中に長時間交尾します.ですから,あちこちで交尾態が飛び回る風景に出会います.


▲交尾時間帯を迎えたアオモンイトトンボたち.▲

一通り探索をしたあと,友人に勧められた池を見に行くことにしました.こちらは平地にある池で,とても環境がよく多くのトンボが記録されていると聞いています.まず目についたのが,たくさんのヨツボシトンボ.やはりこちらはまだヨツボシトンボが盛んに活動している時期なのですね.


▲ヨツボシトンボのオス.▲

次に見たのがモノサシトンボ.こちらのモノサシトンボは淡色部がやけに白く見え,濃色部が黑っぽいので,一瞬オオモノサシトンボか? と思ったほどでした.兵庫県のモノサシトンボは淡色部が薄緑色から水色へと変化しますので,この白黒のコントラストに驚かされました.やはりところ変われば品変わるです.オオモノサシトンボとモノサシトンボの区別がよく図鑑に取り上げられていますが,色彩感覚だけだと見間違いもありなんということがよく分かりました.こんなことに感動できるのも,遠征のいいところです.ただ撮った写真をよく見るとやはり淡色部は薄緑色をしていますね.オオモノサシトンボがいるかもしれないといったバイアスがかかっていたのかもしれません.


▲モノサシトンボのオス.腹部第9節全体が白い.▲

そこで,モノサシトンボは兵庫県と同じように水色になるのか,といったことに興味が湧き,探してみました.すると,いました水色の個体が.妙に安心したのを覚えています.遠征して実物を見ることで視点が広がる感覚を実感できました.


▲淡色部が水色をしたモノサシトンボ.▲


▲モノサシトンボのメス.メスはこちらの個体とあまり違わない.▲

さて普通種で盛り上がってしまいましたが,この池が素晴らしいと言われるのは,ハッチョウトンボやアオヤンマがいるからかもしれませんね.


▲ハッチョウトンボのオスとメス.▲


▲アオヤンマの交尾.兵庫県では減ってしまったアオヤンマが元気に飛ぶ.▲

さて,次の四日目です.この日は友人の案内で,もう一度オオトラフトンボに挑戦します.ただ,二日目のオオトラフトンボの飛び方を見て,初めから負け戦的な感覚がありました.諦めてはいけませんので,写真に撮れるよう集中しました.ここのオオトラフトンボは先の池よりは岸近くを飛んでくれていますので,チャンスはあるかもしれません.

池に着いて最初に目にしたのはカラカネトンボでした.これは岸近くを飛び,ときどきホバリングをするので,だいぶんましです.


▲池近くを飛び回るカラカネトンボのオス.▲

ただどういうわけかうまくピントが来たのはトンボが草陰に入ったときだけでした.だがここでアクシデント.トンボに気をとられて池にはまりました.カメラが,水没ではありませんが,一部が水に濡れ,どうかと思いましたが,「しばらくは」動き続けてくれました.そんなころオオトラフトンボが飛び始めました.なんたる不運.しかし濡れた服を乾かしながら,撮影に挑みました.が,やがてカメラが水に浸食されたのでしょうか,動作がおかしくなり始めました.そんな瀕死の状態のカメラで少しだけ写真が撮れました.


▲池を飛ぶオオトラフトンボのオス.▲


▲カメラが生き残っている間に何枚か撮れたオオトラフトンボ.▲

カメラはやがて完全に沈黙してしまいました.ただ今回は予感があったのか,予備のカメラを持参していましたので,次の池に移動する前に着替えをし,カメラを交換し,観察を続けました.

次の池はやたらコフキトンボの多い池でした.産卵もしていました.この池では帯型が見られるかもしれないとのことで頑張って探しましたが見つかりませんでした.


▲ハスの浮葉に産卵するコフキトンボ.▲

あともう一つ池を見に行きましたが,時間帯が遅かったせいか,普通種がちらほらいただけでした.こんな感じで,信越地方への遠征は終わりました.なかなか面白かったので,また行くかもしれません.そうそう,カメラはしばらくすると復活しました.キーボードなど,コーヒーをこぼすと水で洗えなどということを聞いたことがありますが,バッテリーを抜いて,乾燥させると生き返ることもあります.このカメラしばらく使ってみるつもりです.水没の修理は10万円近くかかるので....

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No. 966. ムカシヤンマを探しにいった.2024.5.30.

今年は兵庫県のトンボの状況を確認するために,少なくとも1回は兵庫県に分布しているトンボ種に出会うことを目標に動いています.今日はムカシヤンマを探しに行きました.6月中旬には出現時期が終わりになるので,急がなければならないトンボです.他のトンボを見に行ったときにぽつんと止まっているところによく出会うのですが,今年は全くそういう機会がありません.

今日行ったムカシヤンマのいる谷もそういうところです.この谷今年は異変を感じています.いつもなら結構たくさん見られるニホンカワトンボ,ヤマサナエ,シオヤトンボが非常に数が少ないのです.今日いつもの道を歩いて出会ったのは,シオヤトンボ1頭,シオカラトンボ数頭,ショウジョウトンボ1頭,ヤマサナエは1頭,サラサヤンマ2頭,ムカシヤンマ1頭でした.

この谷では,奥の方の水田は,以前休耕していました.この何年か再び耕作を始めています.その水田から流れ出る水が小川を流れていきます.そこにヤマサナエやニホンカワトンボが群れていたのですが,これがほとんど消えています.同じくこの水田下の道路脇の細流にシオヤトンボがよく飛んでいましたがこれも非常に少なくなりました.今日サラサヤンマ,ムカシヤンマ,ヤマサナエとで会ったのは,この奥の水田より上手です.観察事実だけを述べましたが,原因は想像するより他はありません.

さて,それでは出会った今日の目標種ムカシヤンマを紹介します.オスの姿は全くありませんでしたが,1頭見つけたのが産卵にやって来ていたメスでした.


▲水が染み出ている道ばたの草地で産卵するムカシヤンマを見つけた.▲

この場所は,先日の大雨の影響でしょうか,水がちょろちょろと流れていました.普段は湿気ている程度です.大雨のせいで今日は水が流れているのですが,ムカシヤンマはだまされているのかもしれません.晴れの日が続くと,ムカシヤンマの幼虫が暮らす環境にはならないような場所であると思います.


▲近づいて撮影した.▲

このメス割合に神経質で,私の動きやストロボの光をうっとうしく感じているように見えました.すぐに飛んで場所を変えました.


▲産卵場所をあちこち変えながら産卵を続けるムカシヤンマ.▲

場所を変えてもUターンしてまた同じ場所に戻ることもありました.産卵適所が少ないのでしょうね.私が見つけてから5分ほどで産卵を止めて飛び去りました.

ムカシヤンマの個体数自体が少ないので,産卵メスに出会えるというのは数年に1回あるかないかというところです.今日はそういう意味ではついていましたが,オスの姿が全く見られなかったのが残念です.

そのあと,サラサヤンマの摂食飛翔に出会いました.摂食飛翔はあまりホバリングをしないので写真には撮りにくい相手です.


▲農道で摂食飛翔をするサラサヤンマのオス.行ったり来たりの急旋回が多い.▲

摂食飛翔をしているに出会うのはいつもオスです.メスはどうやって摂食をしているのでしょうか.ちょっと考えたら不思議です.

さて少し進むと,今度は道の上でなわばりを張っているのではないかと思われるオスに出会いました.ホバリングを頻繁にし,さらに植物にぶら下がって止まるのです.これは摂食飛翔の飛び方とは異なります.農道ですので湿地ではありません.これも大雨の影響で水蒸気が立ち上り,サラサヤンマの偏光を感じる視覚に何か影響を与えているのでしょうか.先のムカシヤンマの産卵といい,大雨の後というのは,湿地性のトンボの行動に何らかの影響を与えているように感じました.


▲今度は長くホバリングするので写真が撮りやすい.▲


▲ホバリングを止めて低い位置に静止した.これはなわばりで見せる行動だ.▲

あまりしつこく私が近づくので,嫌気が差したのか,最後は高い木の上に避難しました.


▲最後は高い木の枝に止まった.▲

さて,探索目的は達成したので,この後は夏のトンボ出現状況調査に切りかえました.まずこの谷で見つけたシオヤトンボ.本当に数が少ないんです.そして小さな池ではホソミオツネントンボがいました.ただしこの池にはこれ1頭のみ.


▲シオヤトンボの老熟メス.複眼の灰色が渋い.▲


▲ホソミオツネントンボは毎年6月くらいまでは活動を続けている.▲

場所を変えることにしました.近くのもっと環境のよい池に行ってみることにしました.何がいるでしょう.全く予測が付きません.まず見つけたのが,モノサシトンボです.最近モノサシトンボに出会う機会が減っています.データを整理すると,見つかっている場所の数がレッドデータブックに載る種とあまり変わらないくらいなのです.調査が偏っているだけならいいのですが.


▲まだ羽化直後の個体がいたり,産卵していたり,いろいろなステージがいた.▲

アオイトトンボもたくさん羽化していました,が,どういうわけかメスばっかり.


▲アオイトトンボの羽化してから時間が経っていない個体たち.▲

そして一番驚いたのが,オツネントンボがまだ頑張っていたことです.なんと超高齢者のオツネントンボがまだ元気に交尾をしていました!.ここでは3月30日から産卵活動が開始されていました.


▲超高齢状態のオツネントンボの交尾.頑張って産卵してください.▲

あとはヨツボシトンボが2頭だけ飛んでいました.これ以外には,ギンヤンマ,クロスジギンヤンマ,トラフトンボなどを見ました.トラフトンボもオツネントンボに負けず頑張っていますね.これらは写真に撮れませんでした.


▲ヨツボシトンボはまだ頑張っている.若い感じがする個体だ.▲

最後に新分布の発見です.この池の近くに川が流れていますが,そこにアオハダトンボがいました.アオハダトンボの,この川での生息記録がありません.また季節適期になったとき一度調査する必要があります.


▲新産地発見のアオハダトンボ.▲

ということで,どちらかというと散歩がてらの調査でしたが,意外と収穫がありました.

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今日初出会いのトンボ
No.38. ムカシヤンマ.メス
No.39. モノサシトンボ.産卵.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 966. ムカシヤンマを探しにいった.2024.5.30. はコメントを受け付けていません

No. 965. トンボは次の季節へ,状況調査.2024.5.29.

トンボの季節が過ぎのステージに移り変わろうとしています.夏のトンボの登場です.今日は春のトンボの生き残りと,夏のトンボの出現状況を見に行きました.今後の生態観察の方針を立てるためです.2ヶ所の池に出かけてきました.まずは春の生き残りから.


▲ヨツボシトンボ.数は非常に減って,わずかに生き残りがいた.▲


▲ヤマサナエ.まだもう少し続くだろうが,一時期より減少して今日は1頭だった.▲


▲フタスジサナエ.産卵.まだもう少し頑張るつもりかな?▲

次は,春のトンボと同じぐらいに現れてはいるが,これからが本番のトンボたち.


▲どうしてこんなにどこにでもいるのか不思議.シオカラトンボ.▲


▲ショウジョウトンボは夏の終わりに2化目が出るからまだまだこれからだ.▲


▲クロイトトンボも2化目が出るトンボ.秋口までは出現が続く.▲


▲ギンヤンマもずっと前から飛んでいるが,登場は今日が初めて.▲

以上,私が通季種と呼んでいるグループでした.次はこれから出現してくる夏のトンボたちです.もうすでに成熟して活動しているのがほとんどでした.


▲コフキトンボの複眼が黒い成熟オスと若いメス.▲


▲コシアキトンボ.活動しているオスと羽化しているメス.▲


▲ウチワヤンマ.2頭活動をしていた.▲

いずれも普通種ばかりですが,季節は着実に次へ進みつつあるようです.今年はムカシヤンマを見ずに過ごす可能性が出てきました.早く見に行かないと.あぶない.

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今日初登場のトンボたち
No.34. ギンヤンマ.産卵
No.35. コフキトンボ.オス・メス
No.36. コシアキトンボ,オス・メス
No.37. ウチワヤンマ.オス

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No. 965. トンボは次の季節へ,状況調査.2024.5.29. はコメントを受け付けていません

No. 964. クロサナエなどを見に行った.2024.5.26.

今日は,先日行ってまだ少し早いと感じた,源流域のサナエを見に行きました.クロサナエとヒメクロサナエがねらいです.天候は晴れ,風がやや強い状態.風の強さが原因しているかどうかは分かりませんが,今日はオスのサナエが降りてくるのを全く見ませんでした.目の前を一瞬飛んだのが2回だけ.ただクロサナエは2回産卵にやって来ました.


▲クロサナエ,1頭目の産卵.▲

▲産卵するメスのクロサナエ.▲


▲産卵する2頭目のクロサナエ.▲

だいたい12:30くらいまで待ちましたが,この2頭だけでした.つまり今日見た源流域のサナエは,一瞬通り過ぎたのが2頭とこの産卵メスが2頭の,合計4頭だけでした.少ないなと思います.またムカシトンボは今日は全く姿がありませんでした.数が多かったのはアサヒナカワトンボで,あちこちで追尾飛翔を行っていました.1頭のメスが少しだけ産卵の行動をとって飛び去りました.


▲水しぶきを浴びながらの産卵行動.アサヒナカワトンボ.▲

このあと,サラサヤンマを探しに行きました.もう彼らも元気に活動する時期になっているでしょう.飛翔ポイントでは1頭のオスがせわしなく行ったり来たりして飛んでいました.珍しく,ガンガン陽の当たる場所を飛んでいました.結構動きがランダムで速かったのですが,先日のクロギンを使った練習の成果が出たようです.


▲陽の当たる明るい湿地で往復飛翔を続けるサラサヤンマのオス.▲

昼下がりには,あちこちで情報が耳に入っているハッチョウトンボの確認に行きました.もう出ていました.オスなどは十分成熟し,水辺に出ていました.


▲ハッチョウトンボのオスとメス.▲

あとアオイトトンボの羽化個体が草の中に止まっているのを見ました.いよいよ秋のトンボの出現です.季節が進んでいくのは早いです.


▲羽化直後のアオイトトンボ.▲

源流域の標高の高いところではアサヒナカワトンボの活動が非常に活発でした.しかしハッチョウトンボを見に行くため平地に降りてくると,アサヒナカワトンボはほんのちらほら,あれほどいたニホンカワトンボは完全に姿を消していました.コサナエも非常に数が減っていますし,ヒラサナエももう終わりの時期みたいに貧弱になっています.


▲コサナエはまだ5月なので,普通ならもう少し数は多いと思う.2頭だけだった.▲


▲ヒラサナエは老熟を感じさせるオスが,数頭いただけだった.▲

今年のトンボの出現はどうもイレギュラーな感じが拭えません.出現が遅れているように思えるのですが,一方で早く姿を消してしまったように見えるニホンカワトンボやムカシトンボ.まだ生き残りがいてもおかしくない時期です.もう少し観察を進めて,率直な感想をどこかでまとめておきたいと思います.今日はここまでです.

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今年初見のトンボ
No.31. ハッチョウトンボ.オス・メス
No.32. サラサヤンマ,オス
No.33. アオイトトンボ,オス

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