No.940. 春を待つオツネントンボ.2024.3.11.

いよいよトンボの観察シーズンが近づいてきました.昨年は急な仕事の関係で観察を一時休止していましたが,やっとの事でその仕事も終わり,この春からはエンジン全開で観察を再開しようと考えています.

掲示板にオツネントンボが見られるという投稿を続けて報告いただき,その場所が繁殖場所から遠くはないところだそうで,それならということで,今日はこの春一番にオツネントンボを観察する予定の池周辺に出かけることにしました.現地に着いたのが11:30くらいで,快晴,気温は車の車外温度計で11℃というところ.陽だまりに行けば出会えるかもしれません.

着いて10分もしないうちにオツネントンボに出会いました.しかしさっと逃げられ行方不明.まあまあということで周辺を散策がてら探索.しかし他に姿はありませんでした.しかたなく最初に発見したあたりを丁寧に探したところ,オツネントンボのオスを発見しました.


▲オツネントンボのオス.陽だまりの仲で枯れ木に止まっている.▲

見つけたのはこれ1頭だけでした.ここで越冬していたというより,春になって間もなく活動開始ということで集まってきた第一陣の個体かもしれません.池はまだ抽水植生が全く姿なく,繁殖活動はできない状態です.オツネントンボが活動を始めるころには植生も伸びてくるのかもしれません.

ということで,今年の活動が,思わず幕を切って落とされたという感じです.

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No. 939. タイリクアカネが自宅に.2023.10.18.

昨日10月17日,今年最後と考えて,兵庫県北部に出かけてきました.アキアカネを見るためです.でも,状況は驚くべきものでした.アキアカネが激減していたのです.以下の記事で書いたのと同じ場所に行ってきました.なんと電線に止まるアキアカネがいなくて,ナツアカネが1頭いただけでした.

No.810. アキアカネとナツアカネ.2021.10.5.

実はアキアカネの減少は昨年から感じていました.一昨年あふれるほど飛んでいた某場所のアキアカネがかなり減っていたのです.昨年は年変動かもしれないぐらいに考えていましたが,今年はそれに輪をかけて減っていました.

この地域はコウノトリの野生復帰のため,広い地域の水田で無農薬・減農薬で米作りが営まれています.その成果があってアキアカネの数が非常に多いと考えていました.しかし今年は本当に数が少なかったのです.

もし水田でアキアカネが育っているならば,今年のような暑い日々が続くと,浅い水田の水温が非常に高くなることが予想されます.アキアカネの幼虫が暑さのせいで死んだという可能性はないのでしょうか.少なくともこの地域の減少は薬剤の影響ではないと考えられますから.メールでいただいた情報の中にも,ビオトープでトンボの幼虫が死んでいたというのがありました.この1,2年トンボの減少を肌で感じています.

さて,そんなことを思っていたら,今日,家の前の物干し竿掛けに,タイリクアカネが止まっていました.


▲物干し竿かけに止まっているタイリクアカネのメス.▲

また,少し前から夕方に散歩することが多くなりましたが,あるときギンヤンマがアブラコウモリに混じって摂食飛翔している姿に出会いました.そのときものすごく愛おしい感情がわいたのを覚えています.今日のタイリクアカネも似たようなものを感じました.

街中でも頑張っているトンボたち,そういった姿をまたいつか追いかけてみたいです.遠方の特別な場所ばかり行くのではなく...

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No. 938. ナツアカネの産卵.2023.9.29.

今日は全県的に晴れ模様.兵庫県の北部へアカネ属のトンボを見に行きました.しかしまだ少し早かったようです.ネキトンボなどは逆に終わっていたような感じでした.まだアキアカネは下りてきていないようで,標高の高いところで接触しているのを見かけました.下りてきているのはナツアカネばかりでしたが,まだこれも活動が本番に入っていない感じでした.まだ秋はちょっと早かったようです.


▲イグサの生えた湿地で産卵するナツアカネのペア.▲

ナツアカネは乾いた場所で産卵することが多いのですが,水の存在する湿地の上で産卵していました.植物が密に茂っていたので,陸上と勘違いしているのでしょうか.少し歩くと今度は畦の上で産卵しているメアを見つけました.こちらは完全な陸上です.


▲陸地の上で産卵するナツアカネ.▲

これは正午近くなのですが,まだ交尾態で飛び回っているペアもいました.産卵は数ペアといった感じでした.ここはやがてアキアカネがいっぱいやってくると思っています.そうなるとナツアカネは目立たなくなるのでしょうね.

あとこれ以外には,オニヤンマ,チョウトンボ,ショウジョウトンボ,ネキトンボ,オオヤマトンボ,シオカラトンボ,オオイトトンボ,クロイトトンボ,ハグロトンボ等が見られました.今年オニヤンマに接近遭遇していないので,写真を一枚掲載しておきます.今日はここまで.


▲今年あまり出会わなかったオニヤンマ.今日はたくさん出会った.▲

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No. 937. ちょっとついでにミヤマアカネ.2023.9.26.

今日はちょっと遠出の買い物のついでにミヤマアカネの状態を観察に出かけました.この2,3年この観察地のミヤマアカネの数が激減しています.今日もまずは川に沿って歩いたのですが,見つけたのがオス1頭のみ.まあ見落としもあると思うので川に入り探してみました.すると,オスが10頭足らずとタンデムペアが3つ,そしてメス1頭が見つかりました.以前の数の多さから見るともう見る影もないほど数が減っていました.昨年も一昨年も同じような状況でしたので,減少傾向は続いているようです.


▲尾部付属器がまだ白く,完全成熟でないように見えるミヤマアカネオス.▲

他にはマユタテアカネ,ハグロトンボが見られました.水量が多く草が高く密に茂っていたので,あまり他のトンボも見られませんでした.今日は買い物が主でしたのでこれでおしまいです.

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No. 936. マイコアカネの産卵活動.2023.9.23.

今日は久しぶりにトンボを見に行きました.8月以来不発続きでしたが,今日はこの夏マイコアカネがたくさん見られた場所へ成熟状態を観察に行きました.あいにく朝のうち曇っていましたが,やがて太陽が顔を出し,気温は27℃,ちょうど良い天気です.

マイコアカネはここにはたくさんいました.マイコアカネは最近あちこちでその姿が見られなくなってきていますが,ここは健在でした.


▲産卵するマイコアカネ.▲

この池は広いので,全体ではかなりの数がいたようです.産卵しているペアだけでも軽く10ペアは超えていました.久しぶりにたくさんのマイコアカネを見ました.


▲秋の陽を受けながら産卵にいそしむマイコアカネたち.▲

産卵が集中したときには,2ペアが隣り合わせで産卵する姿も見られました.


▲2ペアが隣り合わせで産卵している.▲

このようにマイコアカネはたくさん発生していました.しかし他のアカトンボ類は貧弱この上ない感じでした.マユタテアカネ数頭,コノシメトンボ10頭前後,ノシメトンボ2頭ほど,オオキトンボ1頭,リスアカネ2頭ほど.といった程度でした.マイコアカネが多かったので楽しめましたが,これがいなかったら,悲惨な感じの秋の一日だったと思います.

久しぶりにトンボたちと戯れました.

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