下越地方へトンボ調査に行きました.目的は,オオセスジイトトンボ,オオモノサシトンボ,カラカネイトトンボでした.前二者は多分いないだろうという予想で,後者が本命というところでした.しかし結果は目的達成率0%という残念なものでした.
オオセスジイトトンボ・オオモノサシトンボの生息地には,イトトンボの姿すらなく,池を一周してアオモンイトトンボ1頭という状態でした.あとはコシアキトンボ,コフキトンボ,シオカラトンボが少々飛んでいただけでした.気温は35℃という厳しいものでした.この池もイトトンボがいないのです.最近イトトンボの姿を見かけない池が増えつつあるように感じます.
翌日,天気は曇で時々雨がぱらつくあまりいい状態ではありませんでした.調査する身には暑すぎなくていいのですが...かなり歩いて目的の湿原に着きました.息を切らせて山を登ったので,少し休憩と木陰で腰を下ろしましたら,ヤマビルの爆撃にあいました.最初カメラのビューに1頭のヤマビルが落ちてきて,気がついたら手の甲に5,6匹のヤマビルがうろついていました.やられましたね.熊との出会いを警戒していてヤマビルにまで気が回りませんでした.急いで取り除きましたが,3ヶ所血を吸われてしまいました.
あわてて湿原のほうに入って,爆撃を逃れました.トンボはというと,ハッチョウトンボがやたら多く,これまたイトトンボがいません.やっとの事で見つけたのは,ホソミイトトンボでした.
▲ホソミイトトンボ.おそらく夏世代だと思う.▲
▲ハッチョウトンボは非常にたくさんいた.▲
ゆっくりと池塘周辺を探索しましたが,本当にイトトンボがいません.2時間近く時間が経ったとき,少し薄日が射してきて,イトトンボも姿を見せるようになりました.オオイトトンボがいました.青いメスが見られました.これは私にとっては初めて見るものです.
▲オオイトトンボの青色メス.▲
▲オオイトトンボのオス.オスはこちらで見るのと変わりがない.▲
写真にはなりませんでしたが,エゾイトトンボが飛んでいました.あと,キイトトンボ,モノサシトンボの姿がありました.しかしカラカネイトトンボの姿はとうとう最後まで見ることがありませんでした.そもそもイトトンボの姿が少なすぎる感じです.エゾイトトンボなどもっと群れていてもいいのに,と思うようなよい環境です.
空模様は次第に悪くなり,雨が降り始めました.クロスジギンヤンマ,カラカネトンボ,コサナエ,チョウトンボなどが飛んでいましたが,それらも姿を消しました.
▲カラカネトンボのパトロール.▲
▲7月になっても,コサナエがまだいる.▲
ということで調査を終えました.羽化の時期は過ぎていると思うのですが,こんないい環境で,他のトンボたちはいるのに,見つからないのが不思議です.私の探索力が落ちたのかもしれません.強いて成果というなら,オオイトトンボの青色メスだけでした.