No. 1028. アオイトトンボ属3種.2025.6.12.

いつもこの時期は,キイロサナエやアオハダトンボやグンバイトンボなどなど,川のトンボに集中して池のトンボがおろそかになっています.といっても池のトンボはまだ端境期で,種類はそれほど多くはありません.ただ,夏や秋のトンボの羽化期になっており,羽化に関連したトンボの姿がこのブログではあまりうまく伝えられていないように感じています.今年は,夏や秋のトンボの羽化のうち,いくつかのあまり記録されていないトンボたちを追いかけようと考えています.具体的にはナニワトンボのオスの未熟個体をはじめとしたアカトンボの未熟個体,コバネアオイトトンボなどアオイトトンボ属の羽化直後の個体,成虫越冬性トンボの未熟個体などです.

今日は,ナニワトンボやアカトンボの状況を見るのがねらいでしたが,アカトンボはまだもう少し先のようでした.代わりにアオイトトンボ属が羽化をしていました.この時期に,アオイトトンボ属3種そろいぶみです.まずはコバネアオイトトンボ.


▲コバネアオイトトンボのオスとメス,羽化直後の個体.▲

コバネアオイトトンボは,他のアオイトトンボ属と違って,羽化直後,翅胸部が赤い色をしています.でもこれが見られるのは非常に短期間です.すぐに金属緑色になっていきます.今日見た個体も,翅胸前面が少し金属緑色になりかけていました.


▲翅胸前面が金属緑色になり始めているコバネアオイトトンボのメス.▲

次はアオイトトンボです.これは以前に紹介しました.少し発育が進んで,翅胸の淡色部分が綺麗な黄色になっていました.


▲アオイトトンボのオスとメス.若い個体は粉を吹かないのでオオアオイトトンボのようだ.▲


▲アオイトトンボオスの翅胸と頭部.淡色部に濁りがなく綺麗だ.▲

秋の成熟してくすんだ色彩に比べると,アオイトトンボはこの時期が綺麗です.さて,残りのオオアオイトトンボですが,こちらは本当に羽化直後でした.まだ体が湿っている感じです.これだけは別の池です.


▲オオアオイトトンボのオス.▲

ということで,初夏のアオイトトンボ属3種でした.アカトンボの方は,ノシメトンボらしいのが高いところに止まっていたのと,リスアカネがいただけで,今年は来週くらいから本格的に出てくるのかもしれません.


▲リスアカネの未熟オス.▲

ということで,ナニワトンボは次の晴れが狙い目のようです.

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