キトンボとオオキトンボの季節になりました.繁殖シーズンからいうとオオキトンボはもう終わりの時期です.しかし,11月下旬頃のオオキトンボは茶色になってとても渋いのです.これは多分赤色の色素が出てきて,もともとの黄褐色と混じってそう見えるのではないかと思っています.またキトンボの方も,特にメスが濃い緑茶色になるので,他のトンボでは味わえない色合いになります.これはよく晴れた日でないと写真の色が出ないので,今日はそれを撮りに行くことにしました..
ちょうどこのブログも1,000回目を迎えましたので,私の好きな茶色のトンボたちを載せることにしました.同じく茶色で好きなのは,先日紹介したコバネアオイトトンボも含まれます.このトンボにもゲスト出演してもらいました.「私の好きな色彩を持つトンボ」として1,000回目のブログを飾ることにします.
▲キトンボのメス.赤くならずやや緑がかった茶色が渋く感じます.▲
▲これは上とは違うメスの個体.地色が明るい黄色なのでこのような色彩になる.▲
▲キトンボがなぜこんな色彩かは紅葉した葉に止まればわかる.▲
▲オスは翅は黄色くてきれいでも腹部が赤く,やや渋さには欠ける.▲
今日行った先では,キトンボは,オスが2頭メスが2頭見られました.
次はオオキトンボです.オオキトンボはオスの方が渋い色になります.11月下旬頃になるとこの茶色の傾向がはっきりと出てきます.10月の下旬ですと,まだ薄黄色でもう一つ渋さには欠けています.老熟するほどいい色が出てくるのですね.
▲オオキトンボのオス.同じ個体.赤銅色とでもいうか,オオチャトンボだ.▲
▲これは上とは別の個体.他に類を見ない色彩である.▲
▲メスは少し緑味を帯び,これもまた渋い色彩である.▲
秋深くなると,赤色または黄褐色のトンボが増えてきますが,キトンボとオオキトンボは鮮やかな緑茶色や茶色になります.年間を通じてこの時期だけにしか見られないトンボの色彩です.そしてコバネアオイトトンボ.オオアオイトトンボもかなり茶色味を帯びた色になりますが,やはり,胸部の薄緑色が茶色と妙に合うんですね.
▲コバネアオイトトンボの茶金色個体.2024.11.12. ▲
ということで,私が惹かれている色のトンボを紹介しました.
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最後にニュースを一件.きょうシオカラトンボのテネラルな個体を見つけました.最近の気温上昇で,生活史の季節的な枠組みが乱されるのではないかという心配をずっとしています.こういう尋常じゃない時期のトンボ出現はやはり最近の気温上昇が原因だと思います.このシオカラトンボはきっと子孫への遺伝子を残さずに短い生涯を終えるのでしょうね.
▲以前にも11月にシオカラトンボを見たことがあるが,...▲
さて,1,000回を突破したトンボノートですが,健康が続く限り発信を続けていきたいと思っています.今後ともよろしくお願いします.