昨日の観察地でその場所初のオオキトンボを目撃しましたが,写真に収められなかったので,今朝もう一度オオキトンボ探しに出かけてみました.見つからなくても産卵の活動時間帯になら出てくるかもしれないという大雑把な予測です.しかしながら,意外とあっさりと草に止まるオオキトンボを見つけました.しかもメスでした.これでまたオオキトンボが見つかった場所が増えました.
▲オオキトンボのメス.朝日を浴びて草地で休んでいる.▲
ここで時間を潰すつもりでしたが,意外とあっさりと見つけたので,ちょっと気合いを入れて,オオキトンボの繁殖活動を見に行くことにしました.まだ時間的には間に合いそうです.
一つ目の池に行きましたが,水が完全に落ちていなくて,オオキトンボの姿はありませんでした.ただ,ここに少数生き残っていたマイコアカネが結構たくさん止まっていました.今年はアカトンボの数が多いと感じていますが,こんなところでもマイコアカネの数でそれを感じてしまいました..
▲最初に訪れたオオキトンボ目的の池にはマイコアカネがたくさん止まっていた.▲
そこで,もう一つの池に行くことにしました.この池のオオキトンボは,水落をしていなくても打水で産卵するのです.オオキトンボの産卵戦術は,打泥だけでなく打水も可能と言うことで,産卵のための環境はそれほどうるさくない?トンボです.今日見かけた産卵はワンペアだけでした.
▲水がたっぷりとたまっている普通の池で産卵に飛び回るオオキトンボ.▲
▲打水産卵するオオキトンボ.▲
こんな何にもない水面で平気で産卵するのですから,集まってくる環境には難しさはないように思います.それでもやってくる池にはここのように水落をしないでも毎年やってくるし,来ない池には先の池のように水落をしない限りやって来ません.本当に集まってくるのに必要な環境がわかりにくいトンボです.
▲産卵に飛び回るオオキトンボのペア.▲
この池に着いたとき,コンクリート護岸で産卵するマユタテアカネを見ました.この池はオオキトンボもコンクリート護岸で打泥産卵するときがあります.コンクリート張りの護岸で産卵するのは,キトンボでも見たことがあります.コンクリート張りが古くなると普通の石と同じように見えるのでしょうか.それとも,表面に泥が付着し産卵可能な状態になるのでしょうか.たしかに古いコンクリート張りは,写真でも分かるように,表面に泥がたくさん付いていますね.
▲コンクリート張りの護岸で産卵するマユタテアカネ.▲
同じような場所でもうワンペアが産卵を始めました.またマユタテアカネかと思いましたが,写真を撮っていると,どうもマイコアカネのようです.この池には昔マイコアカネがたくさん生息していましたが,まだ細々と生き残っているんですね.ストロボの電池切れに気づかず,逆光で暗い写真になってしまいました.
▲やはりコンクリート護岸で産卵するマイコアカネ.▲
▲コンクリート張りの上に打泥しようとするマイコアカネ.▲
写真のようにコンクリートに腹端を打ちつけています.しかしずっと見ていると,少しずつ移動して,泥や落ち葉の上に産卵することの方が多かったようです.
▲あちこち移動しながら産卵を繰り返すマイコアカネのペア.▲
マイコアカネは各地で数を減らしていますが,今年は過去の生息地でその姿が見られています.先にも言ったように,これも今年アカトンボが多い印象に結びついています.
▲いつまでも残り続けてほしいマイコアカネ.▲
今年アカトンボが多いと感じるもう一つの理由は,コノシメトンボの多さです.各地でコノシメトンボの姿を見ます.それも結構たくさんの数をです.コノシメトンボは,少し前出会うのが難しく感じた時期があって,わざわざ遠方へ出かけて観察していました.今年に関してはその必要はないようです.
▲コノシメトンボのオスが単独でホバリングしてメスを探している.▲
▲コノシメトンボはこのような開水面が大好きである.▲
コノシメトンボの翅端の褐色斑は明瞭で,飛んでいるときにそれがよく目立ち,可憐さが漂うアカトンボです.産卵ショウが終わってからコノシメトンボの交尾態を草むらで発見しました.おそらく産卵が終わったメスを捕まえたのでしょう.
▲コノシメトンボの交尾.草むらでメスを捕まえたオス.▲
コノシメトンボに混じって1頭だけタイリクアカネが飛んでいました.タイリクアカネもついに平地に降りてきたようです.いよいよトンボシーズンも最後のステージに突入しそうですね.
▲コノシメトンボに混じってタイリクアカネも活動を始めたようだ.▲
アカトンボに目を奪われがちな池で,草地でひっそりとアオモンイトトンボが交尾をしていました.
▲アオモンイトトンボもまだ活動している.▲
----------
今日始めて出会ったトンボ
No. 75. タイリクアカネ,オス.