今日は,水に濡れて一時は完全に沈黙したカメラが奇跡的に復活再稼働し始めたので,そのテストをかねて近くの公園に出かけ,撮影をしてみました.連写,ストロボ発光,オートフォーカス,等々のチェックです.250枚ぐらいの写真を撮りましたが,極めて順調でした.これなら使えそうです.よかった.
さてそんな軽い気持ちでのテスト撮影でしたが,トンボの方は成果がありました.近くの公園にベニイトトンボがいたのです.
▲処女飛行に飛び立ち,止まったベニイトトンボのオス.▲
池の際を歩いていると,池の方から処女飛行に飛び立ったイトトンボがいました.赤い色をしていましたので,まさかと思いましたが正真正銘のベニイトトンボです.この時期はトンボの端境期であり,この公園のトンボもあまりパッとした種類がいないと決めつけていました.だから今まで足が向かなかったのですが,そういった隙間にこういったトンボが見落とされるんですね.今年は似たような反省をよくしています.
▲近くを探すと,池には成熟した個体が10頭程度活動していた.▲
さらに目を凝らして探しますと,交尾をしているペアがいました.交尾が終わると産卵が始まるかもしれません.
▲交尾するベニイトトンボ.メスにはダニがついている.▲
このペアはやがて交尾を解き,タンデムで水面の方に降りていきました.しかしすぐには産卵を始めず,メスは腹部を直線的に伸ばしたままでいます.
▲水面に降りたペアだが,メスは腹部を伸ばしたまま曲げようとしない.▲
根比べでかなり待ちましたが,やがて飛び立ち,草陰に入ったかと思うと見失いました.しかたないので,移動しながらベニイトトンボの状況をさらに調べました.単独オスがときどき目に付きます.そんな中,ペアが草の間を矢のように飛んでいるのを見ました.
▲飛び回っていたペアが止まるところ.▲
▲あちこち移動するベニイトトンボのペア.▲
このペアもタンデムで飛ぶだけか...と思っていますと,やがて産卵を始めてくれました.
▲産卵するベニイトトンボのペア.▲
ということで兵庫県のベニイトトンボの産地が一つ増えたことになります.この池は他の生息地からは相当に離れていますから間違いありません.カメラテストが新しい発見につながりました.他のトンボは端境期であることもあって,少なかったです.キイトトンボと産卵するコシアキトンボを紹介しておきましょう.
▲キイトトンボのオス.ベニイトがいればキイトがいるという経験則は当たった.▲
▲若いコシアキトンボのメスが産卵していた.すぐにオスに見つかりどこかへ行った.
トンボの世界は夏に衣替えを始めていますね.
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今日初出会いのトンボたち
No.40. ベニイトトンボ,産卵
No.41. キイトトンボ,オス,メス