ミナミヤマトンボ科は国内では一属一種,サキシマヤマトンボしか分布していない.この幼虫は他に類を見ない形態と橙褐色という珍しい色彩(ただし色彩には生息環境により変化がある)をしていて,それだけでほぼ同定できるほどである(右図).ただし羽化殻になるとややくすんだ色となる.
以前はエゾトンボ科に含められていたため,基本的にエゾトンボ科と共通の形質を持っている.しかしエゾトンボ科・ヤマトンボ科と異なり,触角第1節と第2節の合計長が第1節基部内側から正中線までの距離より短くなっている点が特異である.このことが,トンボ科幼虫との検索キーの切り分けを困難にしているものの,下唇側片外縁の鋸歯はコヤマトンボ属のそれに近く,粗く切れ込みが深いので,この点でトンボ科幼虫と区別がつく.以上から次のような検索キーを設定した.
国産のミナミヤマトンボ科の検索キーは「後肢腿節長が頭幅長を越え,かつ下唇側片前縁の鋸歯は大きく深く非対称で10対以下,かつ尾毛の先端位置が肛側片の先端位置の50%を超え,かつ触角第1節と第2節の合計長が第1節基部内側から正中線までの距離より短くなっている」とした.
以前はエゾトンボ科に含められていたため,基本的にエゾトンボ科と共通の形質を持っている.しかしエゾトンボ科・ヤマトンボ科と異なり,触角第1節と第2節の合計長が第1節基部内側から正中線までの距離より短くなっている点が特異である.このことが,トンボ科幼虫との検索キーの切り分けを困難にしているものの,下唇側片外縁の鋸歯はコヤマトンボ属のそれに近く,粗く切れ込みが深いので,この点でトンボ科幼虫と区別がつく.以上から次のような検索キーを設定した.
国産のミナミヤマトンボ科の検索キーは「後肢腿節長が頭幅長を越え,かつ下唇側片前縁の鋸歯は大きく深く非対称で10対以下,かつ尾毛の先端位置が肛側片の先端位置の50%を超え,かつ触角第1節と第2節の合計長が第1節基部内側から正中線までの距離より短くなっている」とした.
a.触角の第1節と第2節の合計長が触角第1節の基部内側から正中線までの距離より短い.
b.下唇側片外縁の鋸歯は切れ込みが深く,数は10以下.
a,b.サキシマヤマトンボ.
これ以外にも体色が橙色が基調であること,後肢腿節長が頭幅長より長いことなどを調べるとよい(右図).・・・ミナミヤマトンボ属−サキシマヤマトンボ
これ以外にも体色が橙色が基調であること,後肢腿節長が頭幅長より長いことなどを調べるとよい(右図).・・・ミナミヤマトンボ属−サキシマヤマトンボ