■見分けのチェックポイント
羽化殻全長27mm前後(cf.石田・石田,1985).橙褐色の特異な形態の幼虫である.羽化殻を背面から見ると,第5−9腹節あたりの正中線が稜状に見えるが背棘と呼べるものはない.側棘は第9腹節にある(松木,1989;石田,1996)とされるが非常に小さい.写真の亜終齢幼虫(F-1)では,側刺毛は左10,右11本で,腮刺毛はそれぞれ16本である.杉村ら(1999)によると終齢幼虫では,側刺毛が9本,腮刺毛が16,17本と記されている.また松木(1989)の挿図では側刺毛が10本描かれている.下唇側片の基部には短い刺毛群(矢印)がある.下唇側片前縁の鋸歯は7,8個である.尾毛は羽化殻(終齢幼虫)においても肛側片・肛上片より明らかに短い.
■分布と類似種
石垣島と西表島に生息している.類似種は国内には全くいない.
■生態
樹林におおわれた流れに生息する.西表島では樹林の中の細流の植物沈積物が堆積している場所で採集された.