■見分けのチェックポイント
羽化殻全長15mm前後.クチクラが厚い.触角第3節の基部が著しく横に広がり,先端に向かってゆるいカーブを描いて狭まるような三角形に近い形状をしていて,内縁が互いに寄り合う.側棘は腹部第8,9節に存在する.背棘はない.前肢・中肢脛節先端の突起は存在するが小さい.下唇側片内葉片の先端は円い.
■分布と類似種
鹿児島県大隅半島南部,種子島,屋久島,奄美大島,徳之島に分布する.宮崎県にも記録がある.本種の亜種であるオキナワオジロサナエは沖縄本島と阿嘉島に分布しており,分布域は重ならないが,形態的には区別が困難である.九州南部でオジロサナエと分布域が隣接しているが,他のオジロサナエ属各種とは分布域が重ならず,通常の同定に問題はない.
■生態
樹林におおわれた河川の源流域から上流域にかけて生息する.淵や岩の間にたまった砂の中に潜って生活している.羽化は5月下旬頃から始まる.