トップ写真の解説
カオジロトンボは静止をはさみながら打水産卵を行います.数回打水しては静止し,また打水してと,交互に静止と打水を繰り返します.この写真は,静止した後飛び立って打水を始めようとするところです.
産卵中のメス.2010.7.10.
成虫
信州の高原では,7月から8月にかけてたくさんの成虫が見られます.オスは湿原の水たまり近くの葉上などに止まりメスを待ちます.メスを見つけると,接近し,飛びながらタンデムになり交尾します.交尾態が形成されると止まります.交尾を解かれたメスは,いったん近くに止まってから,おもむろに産卵を始めます.産卵は単独打水ですが,数回打水するとすぐに隠れるように止まることが多いです.これは,おそらくオスの注意を引かないための動きだろうと考えています.オスは目ざとくメスを見つけ,捕捉し,交尾しますが,交尾が2−30分続きます.産卵したいメスにとって,これは鬱陶しいことこの上ないでしょう.
交尾.2010.7.10.
幼虫
幼虫は,クチクラが軟らかくすべすべしていて,アカネ属幼虫に似ています.写真は成虫が繁殖活動をしている時期に採集したもので,このままこのシーズンに羽化するのか,次の年まで持ち越すのかはよく分かりません.
スタジオ写真.2010.7.10.