No. 1045. マイコアカネの観察.2025.10.1.

ようやく10月になり,気温も30℃を下回るようになりました.そろそろアカトンボも本格的に活動しているはずです.しばらくの間,暑さに負けて野外へ出ていませんでした.この秋に県下に棲息する一通りのアカトンボに出会いたくなって,今日久しぶりに本格的に調査を行いました.ねらいは,ナニワトンボとマイコアカネです.

マイコアカネのいる池から調査を始めました.しかし今年この池は水位が低くなっていて,マイコアカネが活動する岸近くの浅いところに水がなく,全くマイコアカネは見つかりませんでした.そこで,第二の池へ出向きました.そこにはマイコアカネがいました.


▲マイコアカネのオスとメス.メスは翅の付け根がオレンジ色である.▲

一つ目の池をていねいに回ったため,時刻はもう11:30でした.しかしこれがちょうどよかったようで,湿地状の場所で産卵を初めてくれました.マイコアカネの産卵を見るのは久しぶりです.


▲打泥の瞬間を採ることに注力したら,1枚意図した写真が撮れた.▲

産卵するペアの数は,多いときには5ペアほどいました.こういった集団的な産卵もずいぶん久しぶりに見ました.


▲2ペアがすれ違うように産卵.▲

▲マイコアカネは上下の動きが大きいので,写真は結構難しい.▲

次はナニワトンボです.ただマイコアカネの産卵に出会ったため,時間が過ぎてしまいました.こちらは産卵を見るのは無理でしょうね.案の定,次の池に着いたとき,ナニワトンボは,オスが池岸で,飛んだり止まったりしているだけでした.


▲ナニワトンボのオスたち.まあ居ることは分かった.▲

これで今日は目的を果たしたことになります.では他のトンボたちを紹介しておきましょう.まずはオオキトンボ.最初の池で3頭見かけました.止まっている個体もいましたが,とても神経質で,すぐに池面を飛び回りました.オオキトンボは3つ目の池にも居ました.ただどちらもやっと出始めたという感じでした.


▲最初の池のオオキトンボのオス.まだ若い色をしている.▲


▲まだ明るい黄色をしている.若い♂である.▲

次はナツアカネ.二つ目の池で見つけました.


▲ナツアカネのオス.▲

アオイトトンボ属3種に出会いました.今が活動の中心は,アオイトトンボです.オオアオイトトンボは下草の笹の中に隠れていました.コバネアオイトトンボは草原を飛んでいました.後二者はまだ出番を待っているような印象でした.


▲今が盛りのアオイトトンボの産卵.▲


▲オオアオイトトンボは,まだ薄暗い林の中の下草に隠れるようにして過ごしている.▲


▲コバネアオイトトンボは,明るい草原で出番を待っている感じだ.▲

秋のトンボが出始めています.そんな中,シオカラトンボがアオイトトンボを食って,頭だけがポロリ.ホラー映像のようです.


▲アオイトトンボを食ったシオカラトンボのメス.▲

と言うことで今日はおしまいですが,小径を歩いているときにマムシに遭遇しました.下を見ていなければ踏んでいたかもしれなくて,ちょっとぞっとしました.立派な個体でとぐろを巻いていました.今日のゲストです.


▲マムシ君.とぐろを巻いているのに出会うことは少ない.▲

ということで,オオキトンボも出始めました..調査に頑張ることとしましょう.

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