しばらくは暑さに負けて自宅にこもっていました.でもこの暑い中トンボたちは頑張っているのに,観察者がサボっていてはいけないと思い,今日はヤブヤンマを見に行くことにしました.以前はヤブヤンマというと兵庫北部まで出かけていましたが,いつもの観察地は多分干上がったままなのでやめにし,近くの,ときどき産卵にやってくるところに行くことにしました.ヤブヤンマは一番暑い正午から昼下がりに産卵に来るので,35℃を覚悟して出かけました.観察場所は日陰ですがそこへ着くまでが日向です.
いつもの薄暗い池に着きました.すぐにメスが入ってきました.体が黒くなっていかにも老熟はじめという感じの個体でした.しかし産卵せず,足下をくるくる飛んで,飛び去りました.あと,待ってみましたがやって来ませんでした.ちょっと迷いましたが,もう一つの小さな水たまりに行ってみることにしました.少し上の方にあるので,坂道をはぁはぁ言いながら上りました.体力の低下を感じます.ここは春にクロスジギンヤンマが産卵に来ていたところで,いちおう日陰です.ちょっと明るいのですが.
着いて池面をのぞくと,いるんですねメスが.産卵しています.池が小さいので,追うのは楽です.坂道を登ってきた甲斐がありました.
▲複眼が水色のヤブヤンマのメス.あちこち移動して産卵する.▲
ヤブヤンマのメスの複眼はいろいろな色に輝きます.白色,緑,水色,マリンブルーなどです.これは成熟が進んでそうなるのか,メスが直前に過ごしていた光環境でそうなるのか,分かりません.今までの写真を見ていると,見る時期が遅くなると緑からだんだんと青に変わっていくように見えます.今回のような綺麗な水色のメスには,あまりお目にかかれません.翅が濃い褐色に着色して,ガラス細工のようです.
▲今回は割合明るい場所で産卵していた.▲
さて,明るい池では,チョウトンボとギンヤンマが飛び回っており,本当に彼らは暑さをものともしませんね.すごいトンボです.もう,ショウジョウトンボやコシアキトンボの姿は見えません.
▲明るい池では,チョウトンボやベニイトトンボが活動している.▲
一方日林の中の薄暗いところでは,マユタテアカネがひっそりと成熟の時を待っていました.
▲林の中で過ごすマユタテアカネのオス.▲
ということで,所期の目的を達成しました.短時間の観察でしたが,これぐらいが無難ですね.