神戸のトンボたち
K083. アメイロトンボ Tholymis tillarga
神戸市内の写真記録なし.
神戸市内の写真記録なし.
 アメイロトンボは文献に古い記述があるだけで,標本も残っていなくて,記録の真偽は現在では確かめようがありません.そのうち一つは,木村春彦氏採集の須磨区多井畑のもので,日付すらありません(小林,1942).宝塚昆虫館所蔵の芝川又之助氏による『六甲』採集のものを朝比奈(1958)が引用していますが,日浦勇(1966)がまとめた『宝塚昆虫館に所蔵されるトンボ標本』の中にはこれが欠落していて,その標本があるのかどうかさえ分かりません.
 本種は南西諸島に分布するトンボで,神戸にはいない種です.和歌山で成虫が採れたりしていますが,いずれも偶然の飛来や一時的発生である可能性が高いと思います.もし,地球の温暖化が進行し,生物の分布が変動するようになると,神戸近辺でもかなり頻繁に見つかるようになるかも知れません.
朝比奈正二郎,1958.日本の蜻蛉(16).新昆虫 11(4):58-62.
小林嗣夫,1942.関西地方の不均翅蜻蛉類追補訂正.關西昆蟲學會々報 12(1):50-53.
日浦勇,1966.宝塚昆虫館に所蔵されるトンボ標本.大阪市立自然史博物館研究報告.19:53-58.