神戸のトンボたち
K055. タカネトンボ Somatochlora uchidai
産卵にやってきたメス.2016.9.4.,神戸市灘区.
産卵にやってきたメス.2016.9.4.,神戸市灘区.
 体が金緑色に輝くトンボです.かつて神戸市では,六甲山地など山間部に広く分布していました.しかし,最近はめっきりすがたを見なくなってしまいました.本種に限らず,エゾトンボ属のなかまは神戸市から姿が見えなくなっています.本種はまだ神戸市RDBではランクインされていませんが,今後の調査でランクインする可能性が最も高い種の一つです.本種を目的に,一日六甲山の池々を探し回ったことがありましたが,全くその姿を見ることができませんでした.そんな本種に,2016年,久しぶりに出会いました.そして産卵まで見せてくれました.
 7月になってから成虫の姿を見ることができるようになり,9月中にはすがたを見ることができなくなります.以前であれば,7月ころの未熟な時期には,六甲山地のハイキングコースなどで,せわしなく同じ場所を行ったり来たりしながら摂食(せっしょく)する本種を見ることができました.
 盛夏になると,オスはやや薄暗い池の周辺を,グリーンの目を輝かせながら,ホバリングを交えて飛び回っています.メスは,そういった池の岸辺で産卵をします.産卵動作はなかなかユニークで,まず岸辺でいったん池の中心の方に向き,腹端を水につけます.その後,体の向きを岸辺の方に変え,腹端についた水とともに卵を岸辺に飛ばします.写真は水を飛ばす直前の状態です.腹端が水にぬれていますね.