No.627. アオモンイトトンボのカニバリズム.2018.8.25.

台風一過とはいかず,昨日も一日中風の強い日でした.ときどき晴れ間は見えましたけど,トンボを見に行く気にはなりませんでした.今日は風も弱まり,青空が見えています.前回アオモンイトトンボの産卵が見られなかったので,今日は時間を早めて12:40ころに池に行ってみました.

▲アオモンイトトンボ.水色のアンドロモルフ(雄色型)のメス.産卵しているメスは目につかなかった.

でも,やはり,産卵している個体が見当たりません.メスはいずれも摂食しているばかりです.オスもたくさん飛んでいました.まあ,それでもめげずに探し回りましたら,1頭だけ産卵しているメスを見つけました.非常に小型で,多分二化目の個体と思われます.写真では大きさが分かりませんが,後ほどそれは明らかになります.

▲やっとのことで,産卵しているメスを見つけた.アオモンイトトンボ.

▲写真では分からないが,かなり小型の個体である.おそらく二化目である.

▲あちこち移動しながら産卵する.

▲上の方から見ると,背景の色に同化して,保護色になっているのが見て取れる.

さて,小さいながらも,場所を次々に移動しながら,一生懸命に産卵を繰り返しています.まわりの普通サイズのメスは,食べてばかり...とそのとき,別のメスが視界を横切ったと思ったら,産卵しているメスに食いついて水面に転がり落ちました.

▲産卵メスを突然襲った不幸.大きさがかなり違うのが分かるであろう.

あーあ,共食いだ.上の写真を見れば,その大きさの違いがはっきりすると思います.食いついた方が普通サイズのメスで,食いつかれた方が産卵していた小型のメスです.アオモンイトトンボは結構獰猛なことは知っていました.よく他種のイトトンボを食しているのを見かけます.餌食になるのは小型のイトトンボが多く,ヒヌマイトトンボやアジアイトトンボなどを見たことがあります.

▲前バネのつけ根に食いついている.まずは飛べなくする魂胆なのだろうか.

▲食いつく位置が少しずつ上に上がっていっているのが分かる.

▲食いつかれたメスは腹部をまるめてもがいているが,まったく効果なし.弱点を知っているようだ.

▲さらに食いつく位置が上にいった.体の一部に穴があいている.

▲食いつく位置がとうとう首もとまでやって来た.

まあ,同種のメスを食べてしまうなんて,種の繁栄という視点からいったらめちゃくちゃな感じです.小さいので同種と気づかないのか,普段から同種でも平気で食べているのかは分かりません.上の最後の写真から7分後,頭と胸の半分がなくなっていました.捕食者のおなかの中に入ってしまったのでしょうか.もうこれ以上見る気もしませんでしたので,観察を終えました.

▲7分後,とうとう頭と胸の上半分がなくなってしまった.

カニバリズムはコオニヤンマやシオカラトンボなどでも見ることがあります.カニバリズムが進化の過程で淘汰されずに残ってきたのは.餌が少ないときには共食いしてでも強い個体が生き残って子孫を残す方が良い,といった生存戦略に基づくものかもしれませんね.

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