No.624. 夏を過ごすマユタテ・マイコ・ヒメアカネ.2018.8.20.

今日も昨日に続いて「夏を過ごすアカネ属」のテーマで,マユタテアカネ,マイコアカネ,ヒメアカネの小型アカネ属を探しに行きました.まず最初は,ヒメアカネのいそうな湿地に入りました.といっても,未熟なアカネ属を探すので,その周辺の林の中を探索します.ヒメアカネは見つからず,マユタテアカネがいました.

▲マユタテアカネのオス.腹部はだいぶん赤くなってきているが,まだ鮮やかさに欠けている.

▲マユタテアカネのメス.ノシメ斑があるタイプ.

▲マユタテアカネのメス.写真ではわかりづらいが,ノシメ斑がないタイプ.

そうそう,顔シリーズで,マユタテアカネの顔面アップを撮り忘れていました.この後で会えればと思っていましたが,結局は出会えませんでした.

次はマイコアカネです.マイコアカネは最近減少が著しく,ほとんどその姿を見つけられません.1カ所だけ友人から教わった場所に生息していることを知っています.しかし池に着いたときに愕然としました.池の水がほとんどなく,マイコアカネが繁殖活動を行っている岸近くのヒメガマの群落の部分が,完全に干上がっていました.

▲マイコアカネの生息場所の状況.連日の猛暑で,雨も降らず,池の水位が大幅に下がっていた.

羽化する前にこうなっていたら,マイコアカネは全滅していたでしょう.でも,例の西日本豪雨は,マイコアカネの羽化時期あたりだったと思います.おそらく,羽化してからこうなったのだと考え,周辺を探してみました.いました.よかったです.数も十分で,もう腹部が真っ赤に染まり,顔面も青白くなっている個体がたくさんいました.

こういう状況を見るにつけ,アカネ属のトンボは,雨季・乾季のある熱帯地方がその起源であるという考え方に,思わず納得してしまいます.雨季,すなわち梅雨に短時間で幼虫期間を終えて,乾季,すなわち夏に成虫で過ごす.そして秋雨の秋に産卵を行い,冬を卵で過ごす.上の写真のような状況に見事に適応しているように見えます.秋の産卵時期に水があれば,この個体群はこの渇水に何の影響も受けずに来年に世代をつなげていくことでしょう.

▲マイコアカネのオス.腹部の赤も鮮やかさが出ていて,顔面も青白く,成熟を感じさせる個体である.

▲マイコアカネのオス.腹部はまだ褐色で,未熟さが残るマイコアカネのオス.

▲マイコアカネのメス.腹部はまだ細く,卵はまだ十分につくられていないのだろう.

▲マイコアカネのメス.翅のつけ根がオレンジ色である.

マイコアカネは樹木の中にもぐり込むようにして,下枝に止まっている個体が結構います.また,驚かせると上に上がり,樹木の葉の茂み中へと逃げ込みます.

▲木の葉の茂みの中に潜んでいるマイコアカネのメス.

マイコアカネの名は,オスの顔面(前額)が青白い色をしており,舞妓さんの化粧をイメージさせるからだそうです.もう十分色が出ている個体もあり,顔面アップを一枚載せておきましょう.

▲マイコアカネのオスの顔面.もう十分に青白くなっている.

最後はヒメアカネ.かなり以前に訪れた神戸市内の産地へ行ってみました.湿地への小径を歩くと,ヒメアカネの未熟な個体が止まっていました.あっけなく見つかった感じです.

▲ヒメアカネのオス.腹部はまだ土レンガ色で赤の鮮やかさはない.

▲林縁の日向に止まるヒメアカネのオス.

▲ヒメアカネオスの顔面.額は薄黄色味を帯びているが,成熟すると真っ白になる..

▲同じように林縁の日当たりのよい草の上に静止するヒメアカネのメス.

▲ヒメアカネのメスが腹部挙上姿勢をしている.

メスが腹部挙上姿勢を示していました.気温は31度.暑いんでしょうね.とまあ,今日は目的の3種のアカネ属の夏越しの姿をとらえることができました.最後に,マイコアカネといっしょに夏越しをしていたアオイトトンボ,そして最初に訪れた湿地に咲いていたサギソウを紹介して今日の観察記録を終えることにします.

▲マイコアカネといっしょに夏を過ごしているアオイトトンボ.3頭見つけた.

▲最初に入った湿地に咲いていたサギソウ.

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