No.623. 夏を過ごすナツアカネとアキアカネ.2018.8.19.

私のトンボ暦(ごよみ)では,9月からを秋と定義しています.つまり,そろそろ夏の終わりということです.これはとりもなおさず,夏のトンボと秋のトンボの端境期にさしかかったということになります.この時期によく目立つトンボは,ウスバキトンボ,シオカラトンボ,ギンヤンマ,クロイトトンボなどの,ほぼトンボの飛翔シーズン(Flying Season)全期間で見られるトンボです.それと,夏のトンボでも出現が少し遅いタイワンウチワヤンマやオニヤンマ,また個体数のピークがこの時期に一致するハグロトンボなどです.チョウトンボ,ショウジョウトンボ,コシアキトンボなどの夏を彩ったトンボたちは,明らかに個体数を減らしています.そして,これからが本番のアカトンボやアオイトトンボたちが,夏が終わるのをひそかに待っています.今日は,これからが本番のアカトンボ,特にナツアカネとアキアカネを探しに行きました.

アキアカネは高い山の上に上がれば比較的簡単に見つかります.山は,山頂に近くなるほど,同じ標高の面積が小さくなります.これは等高線を見れば明らかでしょう.したがって,アキアカネが高い山を目指せば,だんだんと面積の狭い領域に集まることになり,必然的に個体数の密度は高くなります.でも,ナツアカネはどうも山の麓や中腹あたりに分散しているようで,どこにいるか意外と見つけにくいのです.

▲平地の山の麓で見られたナツアカネの未熟個体.体に赤みが差し始めている.

今日は1頭だけナツアカネを見つけました.まだ体は完全に赤くなっていません.山の麓の木陰に止まっていました.

アキアカネの方は,標高約600mのところにある高原の池へ出かけてみました.池に突き出た木の枝の先にそこそこの数のアキアカネが止まっていました.

▲標高約600mにある池の畔で未熟時代を過ごしているアキアカネたち.

ここのアキアカネは,10月ころの最盛期にもこの池で産卵をしている個体群の個体だと思われます.ですから秋になっても低地へ降りていかない可能性があります.池の近くの草むらにも何頭かのアキアカネが止まっていて,池面に突き出た棒の先に止まっている個体もいました.まだ未熟です.

▲腹部背面はまだ完全に赤くなっていず,まだ未熟な状態のアキアカネのオス.

▲上の個体よりはやや赤みが強くなってきているアキアカネのオス.

▲アキアカネのメス.

アキアカネは高い山ならどこでもいるというわけではなく,彼らも”飲料水”が必要ですから,池などがある近くには特に多いような気がします.

この池では,他に,オオルリボシヤンマ,オオヤマトンボ,ギンヤンマ,オオイトトンボ,シオカラトンボが見られました.

▲オオイトトンボのオス.

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