兵庫県の幼虫ガイド
H028. アオヤンマ Aeschnophlebia longistigma
アオヤンマ終齢幼虫
写真1.アオヤンマ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長40−50mm.2010.5.24.
<特ちょう>
 ヤンマ型をした幼虫で,全体に角ばった感じがします.背中のまん中に黒いスジがあって,その両側にベージュ色のはっきりとしたスジがあります.アオヤンマには背中のとげ(背棘:はいきょく)はありません.写真3のように,腹の横の部分にはとげ(側棘:そっきょく)があります.

アオヤンマのはいきょく アオヤンマのそっきょく
写真2.アオヤンマには,背中のとげがありません. 写真3.アオヤンマの横のとげ.第6〜9節にあります.


<よく似た幼虫との区別>
 アオヤンマにそっくりな幼虫に,ネアカヨシヤンマがいます.でも,ネアカヨシヤンマには背中に2つのとげがあるので見分けることができます.


<さがす場所のヒント>
 アオヤンマはヨシ原の住人です.下の写真のようなところでメスは産卵を行います.幼虫は,ヨシ,ガマ,ヒメガマ,フトイなどの背の高い水生植物が一面に茂っている池や湿地(しっち)で,これらの植物の根元の泥(どろ)にもぐりこんで生活しています.こういうところに入ると,足がズブズブとしずんでいって,ぬけ出せなくなることがあるので注意が必要です.羽化を観察したいときは,5月のはじめくらいに採りに行くとよいでしょう.そのころに羽化が近い終齢幼虫が見つかります.夏から秋にかけての幼虫は小さいので,飼って羽化させるのはむずかしくなります.

アオヤンマの産卵場所.
写真4.アオヤンマの産卵.アオヤンマは背の高い水生植物の茎に卵を産みます.幼虫はその根元で暮らします.