No.533. 真夏のトンボたち その六.ネアカヨシヤンマ.2016.8.11.

今年2回目のネアカヨシヤンマの観察です.今年はネアカヨシヤンマに2回遭遇しており,発生個体数が多い気配が感じられますので,今日は本格的にネアカヨシヤンマにねらいを絞って観察に出かけました.数年前の個体数の多かった時には,午後2時ころから4時ころにかけてたくさんの個体が産卵にやってきていました.ところが,今年はそれより少し早く産卵に来ているのを見ています.ということで,12時前に現地に着くように家を出ました.

ネアカヨシヤンマは真夏の昼下り,最も暑い時間帯に,日向で産卵する習性があります.もちろん日陰でも産卵します.今年の夏シーズンは「真夏の炎天下で活動するトンボたち」をテーマにしていますので,日向で産卵するネアカヨシヤンマの観察が目的です.ネアカヨシヤンマが日向で産卵するためには,湿地の表面水が乾燥によってなくなり,広く湿土が現れた時です.今年の夏は雨が少なく,きっとそういう状態になっているだろうと予想してでかけたところ.見事にそれが的中していました.

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0811-105▲夏の日差しが照りつける日向で産卵するネアカヨシヤンマ.

ネアカヨシヤンマは,かなり乾いた土や朽木に産卵します.ヤブヤンマはほとんど土だけ,コシボソヤンマはかなり湿って水に浸かっているような朽木だけと,ネアカヨシヤンマの嗜好とは微妙に違っています.ヤブヤンマの産卵状況はNo.532の記事をご覧ください.特に日向で産卵するときは,土に卵を産みこむことが多いような気がします.乾燥を気にしているのでしょうか? それとも単に朽木が少ないからでしょうか.

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0811-109▲日向では,土に産卵する個体が多い.

0811-110a▲珍しく,日向で朽木に産卵している.

以前にも書きましたが,土に産卵するネアカヨシヤンマは,地面の窪みが好きです.私が作った長靴の跡などによく産卵しています.自然にはこういうことはありません.でもよく見ると,イノシシやシカの足跡の窪みに産卵しています.

0811-106▲私の長靴の足跡に産卵するメス.

0811-104▲獣の足跡に産卵するメス.

日陰で産卵するときには,朽木にも結構産卵しています.もちろん,日陰で土に産卵することもありますが,朽木が目立つのです.湿土に産卵するときはやはり窪みを選んでいます.平坦な湿土上に産卵管を突き立てることもありますが,すぐに産卵行動を止めて移動します.

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0811-114▲日陰では圧倒的に朽木に産卵する個体が多い.

0811-118▲日陰でも湿土に産卵することもある.ただ,やはり窪みを選んで産卵している.

今年のネアカヨシヤンマの産卵は,12時40頃から始まり,14時30分ころには終わってしまいました.数年前の観察に比べるとかなり早く終わってしまいました.少なくとも4頭は産卵に来ていたように思います.最後に,木漏れ日の中でゆったりと産卵を続けるネアカヨシヤンマのビデオを紹介して,観察を終わります.なお,ビデオでは,朽木に産卵する場面と,湿土に産卵する場面が収められています.Youtubeからの配信です.

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No.532. 真夏のトンボたち その五.ヤブヤンマ.2016.8.11.

ヤブヤンマは,これまた毎年観察している定番ヤンマです.夏はこのトンボに会わないとおさまりがつきません.先日すでに観察をしているのですが,今回は少し腰を落ち着けて観察することにしました.まずはオスのパトロールです.何度か産卵場所を視察して回っていました.メスが止まっていそうな木の枝や産卵場所を丹念に見ながら飛んでいます.そしてメスがいないと分かると,飛び去るか,木にぶら下がって止まるかします.

0811-001▲メスを探したあと少し休憩するオス.

そうこうしているうちに,メスが入ってきました.この日,メスは,2頭入ってきました.1頭目は結構気難しやで,アプローチに苦労しました.2頭目は穏やかな気性の持ち主で,比較的容易に近づくことができました.ヤンマというのは,影の動きに敏感ですが,光にはあまり反応しません.ストロボやビデオのライトは近づけても結構平気で産卵をしています.

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0811-005▲少しずつ場所を変えながら産卵を続けるメス.

基本的には土中産卵です.比較的湿り気の少ない土が好きなようです.じゅくじゅくのところでは産卵しているのをあまり見かけません.時々朽木に産卵管を突き立てたりしていますけれども,朽木に産卵することはほとんどないようです.

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0811-008▲翅が茶色にけぶってなかなかきれいなメスである.

夏の暑いときに,こういった日陰で生活しているトンボを観察するのは,楽でいいものです.目の前ではオオシオカラトンボたちが次々と産卵をしていました.最後にビデオを紹介しておきましょう.これが1頭目のヤブヤンマです.YouTubeからの配信です.

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No.531. 真夏のトンボたち その四 オナガサナエ.2016.8.9-10.

夏の定番,オナガサナエの観察に,今年も出かけてきました.毎年,20種類くらいのトンボは,同じ場所へ観察に出かけています.そして今年も相変わらずであることを確認して安心するという感じです.でもこうやって観察していくと,ある年突然目的のトンボの姿が消えてなくなることがあるのです.オナガサナエは今年も健在でした.

さて,オナガサナエは,早朝と夕刻に産卵活動が活発だと言われています.この二日間とも,朝ねらいで行きました.現地に入ったのは9日が8時前,10日が7時30分でした.早朝とは言えませんが,早朝の名残くらいには出会えるでしょう.朝の8時も過ぎると太陽は川面を照らし,もう夏の朝の気配が十分です.よく夏の朝曇りといいまして,ここ2,3年は,オナガサナエの観察時間帯に曇っていることが多かったのですが,今年の夏は朝から太陽がさんさんと降り注ぐ青空が続いています.オスは早朝から出てきています.メスが早朝に来るのを知っているのでしょうね.

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0810-003▲早朝より出勤してきているオスたち.太陽がまだ低く朝の感じである.

10日の朝は,7時30分に着いたとたんにメスが続けて産卵に入りました.これはビデオに収めました.まだ太陽は低く,川の半分くらいしか日が当たっていません.その川の日の射す側で産卵が行われました.こちらは最後に紹介します.9日も10日も,メスは退屈しないほどに産卵に訪れました.2日間で20頭たらずの産卵を見ました.

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0810-006▲次々に産卵にやってくるメスたち.オレンジ色の卵塊が落ちていく.

そんな中でアクシデントが.産卵が終わるとメスは2,3回打水して飛び去るのが普通です.今年は川にアオミドロが繁茂していて,打水したとき,メスがアオミドロに引っかかって水面でバタバタしたのです.

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0810-013▲藻に引っかかりバタバタと暴れるメス.中段はあきらめたような顔.

しばらくは観察していましたが,これ,最後は捕まえて,アオミドロをほぐしてやり,逃がしてあげました.こんな感じで事故死するメスもいるのですね.去年だったか,水面に浮かぶメスの食害を受けた死体を見ました.これはきっとこんな感じで水面に落ちたメスが,アメンボなどに襲われたのでしょうね.

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0810-010▲まだまだ産卵は続いている.

産卵は,まだまだ続きました.でも2日間とも9時半を過ぎたころには一段落.少し間が空くようになりました.今までの観察では,正午を過ぎても産卵に来ていました.しかし,30度越えの予報で,日向に何時間もいるのは熱中症の危険もあり,このあたりで引き上げました.最後にビデオを紹介しておきます.YouTubeからの配信です.

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No.530. 真夏のトンボたち その参 チョウトンボ.2016.7.30-8.9.

チョウトンボの観察,と名をつけて記録をするのは初めてではないかと思います.夏になるとどこの池に行っても飛んでいる,というのは大げさですが,トンボがいそうな池にはたいがい飛んでいるトンボです.夏の最も暑い時期に,日向で飛び回っているチョウトンボ.それでいてそれなりに警戒心が強く,敏捷ですばしこい.暑い中でじっくり腰を落ち着けるには,あまりに普通種,いつでも見られるから後回し… という感じで観察を避けてきたのだと思います.ホームページの改訂にあたって写真を整理していると,チョウトンボのまともな写真がないことに気づきます.何かのついでに撮ったものばかり… そこで,今年は暑い中で頑張るトンボをテーマにしていますので,チョウトンボに負けず,炎天下で粘って観察をしました.といっても,一日でことをなすにはあまりに暑すぎますので,何回かに分けて観察をしました.

0809-902▲ハスのつぼみの先端に止まって腹部挙上姿勢をとるオス.

0809-901▲腹部を90度以上倒しているオス.前翅の先端に色がついているタイプである.

まずは定番.ハスのつぼみのてっぺんに止まっての腹部挙上姿勢.もう一つは,90度を超えての倒立姿勢です.たまたま止まった位置が,頭が太陽の方角に向いていたからでしょう.これらいずれも正午前後,止まるとすぐに腹部を上げました.もう人間は,立っているだけで汗がだらだら出てくるような状況です.

0809-903▲オスはほとんどこのように飛び回っている.

そして止まっても仲間がそばを飛ぶとすぐに飛び立って追いかけ合いです.本当に暑い中,よく頑張ります.外気温はたぶん37度くらいです.体温越えの中を飛び回るすごい奴です.そしてオスを追い払うとまたしばらくして止まります.

0809-904▲通常の休止姿勢.太陽の光がきつくなければこのように水平に止まる.

そんな時にメスが入ってきました.メスを追いかけてオスは飛びますが,メスがほんの少し先に気づくと,まずメスの逃げ切りが成功します.メスが一瞬オスに気づかなかったら,オスは見事にメスを捕捉し,あっという間に交尾態になります.たいがい交尾態のまま飛び回っていますが,他のオスの干渉がない場合は静止することも結構あります.

0809-905▲メス(右)を追うオス(左).

0809-906▲交尾.交尾は非常に短時間.飛んでいることの方が多い.

交尾は非常に短時間,1分ほどでしょうか.メスはすぐに産卵を始めます.産卵を始めるとすぐに他のオスが気づき,ここでもメスの気づきが早いかオスの気づきが早いかで,逃げ切るか交尾に持ち込まれるかが決まります.一度の産卵で数回交尾されることもあります.もうメスもそういったことは織り込み済みで産卵しているようにさえ見えます.

0809-907▲産卵のために草陰を飛ぶメス.

0809-908▲産卵のために水面近くを飛び回るメス.

0809-909▲打水の瞬間.少し開けたところで産卵する.

メスの打水産卵は,非常に周期が早く,またあちこち移動しますので,なかなかカメラでとらえるのは困難です.すぐにフレームアウトしますし,またそんなですからピントを合わしている暇はほとんどありません.ほとんど勘でシャッターを切っているような状況です.そしてピンボケの山になります.

0809-910▲産卵のために水面近くを飛び回るメス.

0809-911▲打水の瞬間.

さて,メスには多型があります.翅の色が金色に光るタイプ,これが一番数が多いように思えました.次にオスと同じ翅色のタイプ.メスの後翅の先端はふつう透明になっていますが,オスと同じように,先まで色がついているタイプのものもあります.前翅の先が黒いタイプのメスもあるようですが,これは目にすることがありませんでした.オスについては,上から2枚目の写真の個体が,先端に色がついているタイプになっています.

0809-912▲一番数が多いように思われる金色に輝く翅をもつメス.

0809-913▲オスと同色型のメス.後翅の先端まで色がついている.

0809-914▲オスと同色型のメス.こちらは後翅の先端は透明である.

チョウトンボは今が盛りですが,この時期に羽化する個体もあるようすね.未熟なオスも見つけました.

0809-915▲この日に羽化したと思われるオス.

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No.529. 真夏のトンボたち その弐.2016.8.3., 8.6.

今回は,炎天下で活動するトンボではなく,ひっそりと秋を待つトンボたちを観察しました.ひっそりと秋を待っているトンボは,アカトンボの仲間たち,アオイトトンボの仲間たち,そしてヤンマの仲間たちです.このうち,アカトンボ3種,ヤンマ2種をみつけることができました.なおミルンヤンマとナニワトンボが8月6日になっていて,他は8月3日です.

まずはカトリヤンマです.林の中を歩きながら,偶然出会うのを期待するだけの観察.うまく偶然が重なり,オスメス各1頭を見つけることができました.

0803-007▲カトリヤンマのオス.だいぶん色づいて成熟が進んでいる.

0803-008▲カトリヤンマのメス.尾毛がまだ長いままの若いメスである.

このあと,ミルンヤンマを探しに行きましたが空振りでした.そこで,リベンジを兼ねて別のところへ6日に出かけました.そこで,うまい具合に,メスのミルンヤンマに出会いました.

0806-004▲ミルンヤンマのメス,8月6日.腹部はまだ薄っぺらで成熟していないようである.

次はアカトンボの仲間.山地へ移動する種ではなく,生息地の近くの林に潜り込む種を探しました.マイコアカネ,ヒメアカネ,マユタテアカネです.

0803-005▲マイコアカネの未熟なオス.少し顔面が薄青くなり始めている.

0803-003▲ヒメアカネの未熟オス.

0803-006▲ヒメアカネの未熟メス.

0803-004▲マユタテアカネのの未熟オス.

ミルンヤンマを探しに行ったときに,ナニワトンボも見つけました.ナニワトンボはもう青白い粉を吹いていて,あとはメスを待つだけという感じです.ナニワトンボはかなり早い時期から繁殖活動を開始するようです.オスたちは直射日光を避け,薄暗い木の陰に止まっていました.胸部には,うっすらと未熟時の斑紋が透けて見えます.

0806-009▲ナニワトンボのオス.もう粉を吹いている.オス同士が追いかけ合いもしていた.

季節はどんどん進んでいます.夏のトンボの季節ももう盛りを過ぎようとしています.

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No.528. 真夏のトンボたち その壱.2016.7.31.

前回,真夏のトンボとして,アオモンイトトンボの観察を行いました.今日は,それ以外の真夏のトンボを観察しました.池に出かけると,チョウトンボ,ショウジョウトンボ,シオカラトンボ,オオシオカラトンボなどが炎天下を飛び回り闘争活動を展開しています.今日は,そんな中で少し目立たないイトトンボを2種,そしてヤンマの仲間を観察しました.

0731-012▲オオシオカラトンボのオス.林内の木漏れ日のところで止まってメスを待つ.

0731-013▲産卵しているオオシオカラトンボのメス.薄暗い林内で産卵している.

0731-018▲ショウジョウトンボの産卵.オスに追い掛け回されながらの産卵である.

まずオオイトトンボ.これは年間少なくとも2世代は出現すると考えられます.今盛りなのは夏世代.春に現れるよりは少し小型です.気温はとうに30℃を超えた12時を過ぎたころ,池ではペアが産卵活動を繰り広げ,あぶれたオスたちはペアにちょっかいをかけています.太陽はほとんど真上から照りつけコントラストの強い色彩になります.たくさんの個体が産卵をしていました.

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0731-002▲タンデム状態で,私が危険でないことを確かめるまで止まっている(上2枚).

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0731-008▲オオイトトンボの産卵.様々な姿勢で産卵をする.直射日光がきつい.

0731-009▲オオイトトンボの産卵の向こうでホソミイトトンボが産卵をしている.

次はホソミイトトンボの夏世代.オオイトトンボに混じって,こちらも炎天下の産卵活動です.やはり,越冬世代に比べて小型で,色もややグリーン味が強くなります.この両者とも,オスがメスの前胸をつかんで立ち上がるので,オスメスともににピントの合う産卵写真の焦点面を探すのが難しい.ほとんどの場合オスがピンボケになってしまいます.

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0731-011▲ホソミイトトンボの夏世代の産卵.メスが特に緑がかっている.

イトトンボ2種を紹介しましたのでつぎはヤンマの仲間.ヤンマは,ギンヤンマを除くと,この時期薄暗くて涼しいところが好きなものが多いです.まずはネアカヨシヤンマ.一昨日見つけたのですが,今日も産卵にやってきていました.波打つようなリズムで独特の飛び方をする産卵メス.産卵基質の朽木の上でホバリングしたかと思うと,さっと着地して基質を探ります.基質の固さや湿り具合などを見ているのでしょうか? なかなか気に入る基質が見つからないようで,神経質に着地しては飛び立ち,着地しては飛び立ちを繰り返します.気に入った基質が見つかると,長時間そこで産卵を続けるようです.

0731-019▲ネアカヨシヤンマの産卵.産卵基質が気に入らなかったらすぐに飛び立つ.

0731-020▲飛び立とうとする瞬間.肢が離れかけているのが分かる.

続いてヤブヤンマ.今日はヤブヤンマの活動も活発でした.オスが何度か産卵場所に入ってきて,丹念にメスが止まっていそうな木の枝をチェックしています.そして,ほかのトンボでも時々感じることですが,メスがやってくる前後にオスがうろうろするのです.今日も,私が産卵に入ったメスに気が付かず飛ばせてしまった後,オスが入ってきて丹念にメスを探す動作を見せまあした.オスは,メスがいないとわかると,木の枝にぶら下がってしばらく休みます.

0731-024▲メスを探し回って一休みするヤブヤンマのオス.

メスは様子を伺うように産卵場所に入ってきます.基質である湿土やコケの上でしばらくホバリングして着地します.こちらはネアカヨシヤンマと違ってあまりはずれがないようで,たいがい最初に着地したところで産卵を始めます.時々はすぐに場所替えをしますけれども...... 気に入った場所では,足元を中心に円を描くようにして産卵します.植物の茎に産卵するトンボでは,後ろや前に直線状に産卵位置を変えていきますが,ヤブヤンマは円形に産卵管を突き立てる場所を探します.

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0731-030▲足元を中心に円を描きながら産卵を続けているヤブヤンマのメス.

最後は秋の気配といいますか,リスアカネの産卵です.リスアカネとネキトンボはアカトンボであるにもかかわらず,7月から産卵をしています.まだ若いが成熟したオスが林内の暗い所にひっそりと止まっています.時々飛び立ってはホバリングしてようすを伺っています.

0731-014▲林内に止まるリスアカネのオス.本当に暗いところに止まっている.

ヤンマを待つ私の横で突然リスアカネの産卵が始まりました.7月の産卵は目撃したことはありましたが,私にとって写真記録は初めてではないかな.リスアカネは11月下旬でも産卵していますから,実に4か月間も産卵を見ることができる,ある意味すごいトンボです.4か月間あるいはそれ以上の期間産卵がみられるトンボというのは,1年に複数世代出現するトンボではありますが,おそらくリスアカネは年1世代です.

0731-015▲リスアカネの連結打空産卵.7月に産卵をしているのだ.

0731-016▲メスを放し,上空から警護飛翔するリスアカネのオス.

0731-017▲放されたメスは単独で打空産卵する.

連結していたオスはメスを放した後,そばを飛翔しながらの警護産卵に切り替えました.写真に撮るこちらの方が暑さにやられそうで,この続きはまた次回に.

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No.527. アオモンイトトンボの観察.2016.7.30.

この時期のトンボ観察といえば,だいたい林の中に潜り込んで,涼しい場所にやってくるヤンマやサナエトンボ,エゾトンボなどが例年の観察対象になっていました.最近ホームページの大改訂を始めていて,そんな中で,極普通種のアオモンイトトンボの観察記録が少ないのに気づきました.「ネコまたぎ」ならぬ「トンボ屋またぎ」の種といえるアオモンイトトンボ.今から10年以上も前に集中的に観察したきりです.

0730-001▲オス.午前中交尾になれなかったオスである.夏世代のようで少し小さい.

さて,アオモンイトトンボといえば,夏の代表的なトンボです.もともと南方に分布中心がある種で,亜熱帯の島々にも広く分布しています.暑さに強いトンボなのです.午前中,観察場所を決めることを兼ねて,家の近所の池を2か所回りました.2か所ともアオモンイトトンボの交尾交尾交尾状態でした.8時過ぎでしたが,草むらをかき分けて進むと,たかっていたハエが飛び立つがごとく,アオモンイトトンボの交尾態が次から次へと飛び出してきます.

0730-002▲異色型との交尾.

0730-005▲雄色型メスとの交尾.

0730-004▲まだ若干未熟色が残っているメスとの交尾.

0730-003▲雄色型(黒化して前肩の淡色部が見えない)メスとの交尾.

0730-006▲交尾のツーショット写真.

単独で止まっているメスが全然見つからないほど,ほとんどのメスが交尾されているような感じでした.オスは時々単独のが飛んでいて交尾のペアにちょっかいをかけたりしています.「ああ,こいつはメスを見つけることができなかったんだな」と同情したくなるような状況でした.アオモンイトトンボの交尾は非常に長時間です.したがいまして,午前中は午後の産卵観察池を決めていったん帰宅しました.

午後2時,現地に入りました.池の岸に立つと,産卵をしているメスがあちらこちらに見られました.午前中あれだけの数交尾していたら,見つけるのはたやすいと思っていましたが,着いて即ミッション完了という感じでした.

0730-009▲雄色型♀の単独植物内産卵.前肩の淡色部が細くなって黒化しているタイプ.

0730-007▲異色型のメスの単独植物内産卵.

0730-008▲雄色型の単独植物内産卵.

0730-010▲浮草の葉裏に産卵する異色型のメス.

午後の日が射し,気温は33℃(車の外気温計).真夏の日を受けて,日陰に入ることもなく,炎天下での産卵活動.いやはや,本当に彼らは夏に強い.夏のトンボの面目躍如という感じでした.

最後にちょっぴり面白い2題.まずは肛門からハリガネムシを出しながら活動していたオス.はじめこれは雄色型のメスかと思っていました.というのは腹部先端を植物にこすり続けるような動きを続けていましたから.きっとくすぐったいというかかゆいというか,変な違和感があったのでしょうね.このハリガネムシぐにょぐにょ動いていて,だんだんと腹の中に戻っていきました.ちょっと気持ち悪くてごめんなさい.

0730-011▲ハリガネムシが出ているオス.

もう一つは蜘蛛を食べるメス.トンボって蜘蛛に食べられる昆虫ですが,小さな蜘蛛は逆にトンボの餌となります.アオモンイトトンボは結構獰猛なんですね.他のトンボを食べているのもときどき見かけます.

0730-012▲蜘蛛を食べるメス.産卵途中でもやはり食欲優先か….

とても暑い午後の観察でした.やっぱり涼しい林の中がいいですね.明日はヤンマの観察に行こう…

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No.526. ネアカヨシヤンマの産卵観察.2016.7.29.

ネアカヨシヤンマは,かなり個体数の年変動が激しいトンボではないかと思います.ほとんど見られない年があるかと思えば,たくさんが集まって飛んでいたり,産卵していたりする年もあります.今年は,雨が多かったせいか,いつもより少しだけ数が多いかなという予想です.今日はそんなネアカヨシヤンマと接近遭遇することができました.

0729-001▲朽木に産卵するメス.今日はこのパターンが一番多かった.

産卵に入ってきたのは13時30分頃でした.さあっと飛び込んできたかと思うと,産卵基質である朽木の上でホバリング,そして着地,という感じで,すぐに産卵を始めました.

0729-002▲朽木に産卵するメス.木の裏側に腹部を回して産卵する.

はじめのうちは,1頭だけで産卵しているせいか,非常に敏感で,約3m近づくと,さっと産卵を止め,別の場所へと移動します.追いかけていくとさらに逃げ,なかなか近くによることができませんでした.

0729-003▲土に産卵するメス.

しかし根気よく,近づいてはビデオを回し,しているうちに,とうとう多少のことでは逃げなくなりました.そのうち,脅かして飛び立ったら,むしろ私の足元へ飛んできて,産卵を始めるといった具合に,私の動きには反応しますが,私自身には危険を感じていないみたいでした.

0729-004▲湿土に産卵するメス.

多分影が動くのでしょうね,そういった動きにはよく反応します.何かが動いたと感じると,細かく震わせていた翅の動きをびたっと止め,すぐに飛び立つことができるように準備します.

0729-005▲湿土に産卵するメス.

産卵は実に15時45分くらいまで続き,なんと,2時間以上も産卵していたことになります.もっとも,途中,私がしつこく追い回すので,一時姿を消した時はありましたが… でも13時49分には戻ってきていました.(私も一時姿を消した(笑)).今日はビデオを中心に採りました.写真は,十分にビデオを回した後の最後の方に撮ったものです.ではビデオの方も紹介していきましょう.

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No.525. オジロサナエの観察.2016.7.21-24.

今年もオジロサナエの観察にやってきました.実はこの観察も今年で最後になりそうです.生息地が開発されてしまうからです.工事の槌音はもう聞こえています.そこで,連日の観察を行いました.日付は21,23,24日の三日間です.21,23日はビデオを,24日はスチル写真を中心に記録しました.

0724-008▲腹部挙上姿勢でメスを待つオス.オスはメスの来る場所をよく知っている.2016.7.23.

今年はまだこの時期,オジロサナエは早いようです.オスもメスも観察できましたが,いずれも若々しい個体ばかりです.今年はいつのも産卵場所にはほとんど来ず,少し離れた,川岸近くに砂利が堆積して浅くなっていて,小石のすき間を水がちょろちょろ流れるような場所に,複数回産卵にやってきました.まずはビデオで見ていただきましょう.YouTube からの配信です

では次はスチル写真で紹介していきます.これは,ビデオと同じポイントに降りてきたメスで,ビデオは7月23日,これは7月24日です.

0724-001▲降りてきてすぐに卵塊をつくり始めたメス.白い矢印の先に卵塊が見える.

産卵に降りてきたらすぐに石の上などに静止します.そして,腹端に卵塊をつくり始めます.上の写真の白い矢印ぼ部分に,卵塊ができているのが分かります.そして卵塊がある程度大きくなると,飛び立って打水する位置を決めます.

0724-002▲卵塊がある程度の大きさになると飛び立って打水するポイントを探す.白い矢印の先に卵塊が見える.

打水する位置が決まったら,2,3回,その付近に打水し,放卵します.写真のように,小石のすき間に腹端をたたきつけています.

0724-003▲打水の瞬間.小石のすき間に卵を置いているのが分かる.

あとはこれの繰り返し.2~3分程度産卵を続けて,終われば一気に樹上へ逃げていきます.打水の瞬間が結構撮れたので,紹介しておきましょう.水がほんの少しだけ流れているような場所を選んでいるのが分かります.

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0724-007▲いろいろなポイントに放卵している.

スチル写真は,このワンチャンスでしたが,目の前に降りてきてくれたので,メスを驚かせることなく,十分に接近して,楽な姿勢で撮り続けることができました.実はカメラも新しくなっています.では最後にもう一度打水前の雄姿(いや雌姿?か)を見ながら,ここのオジロサナエたちの将来をちょっぴり心配しながら,紹介を終わります.

0724-004▲打水するポイントを見極めるメス.

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No.524. モートンイトトンボの観察.2016.5.28, 6.26.

モートンイトトンボの交尾は早朝に行われます.早朝といっても8時ころまでは交尾をしていますので,通常の観察時間帯に交尾を見ることができます.5月28日,天気があまり芳しくなかったのですが,交尾にはあまり関係ありません.やや暗い感じなので9時を過ぎても交尾をしていました.

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0528-001▲モートンイトトンボの交尾.朝9時過ぎ.曇天.

モートンイトトンボにとっては5月下旬はまだまだシーズン早めということで,未熟なメスもたくさんいました.

0528-003▲モートンイトトンボの未熟なメス.

この日は交尾を観察した後,別のトンボ探索に行きましたのでこれでおしまいにしました.次は一か月後に産卵を見に行きました.

今まであちこちでモートンイトトンボを見てきましたが,産卵にはなかなか出会えませんでした.最近いろいろなトンボのメスで,産卵時に非常に敏感になる種類を見てきましたので,モートンイトトンボもその類ではないかと思い,今日6月26日は,非常に慎重に,モートンイトトンボのいる湿地に入っていくことにしました.午後2時前です.天気は曇りの予報を裏切って晴天! 天気予報もいい方に裏切られると責める気がしませんね(笑).

0626-001▲モートンイトトンボの成熟オス.

オスに混じって,成熟したメスも湿地の中に止まっていました.オスもメスも,湿地の草の表面をつつくような動作をします.これは草の表面についている小さな昆虫を捕っているのでしょうか? そんなメスをじっと観察していると,スッと草に降りて産卵を始めました.長い間見たかった産卵を見ると,緊張するものです.最初に撮った写真が下の写真でした.

0626-007▲モートンイトトンボの水面上の植物組織への産卵.14時ころ.これが一番イメージ通りの産卵姿勢.

写真を撮る位置を変えようと,湿地の中を動くと,水面に波が立ち,草が揺れます.すると,気配を感じてか,産卵を止めて,またいつものように草に止まります.

0626-008▲産卵を止めて飛び立ち,草に止まったメス.

でも,待てば再び産卵をすることが分かってからは,根くらべということになりました.あらかじめ光線のいい位置に陣取り,産卵を始めても動かないで済むようにし,待つことにしました.そうすると,産卵したり,摂食したりと,モートンイトトンボのメスは,産卵に集中するというより,産卵もしながら食べもするという感じの行動を見せてくれました.

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0626-005▲モートンイトトンボの産卵.水面より高い位置へも産卵する.

モートンイトトンボは,上の写真のように,水面より高い位置にも産卵することがあることを知りました.もちろん,下のように,水面より低い位置にも産卵します.

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0626-003▲モートンイトトンボの産卵.水面より低い位置への産卵.

でも,一番イメージ通りなのは,下のように水面の位置に産卵する姿ですね.

0626-006▲モートンイトトンボの産卵.水面の位置への産卵.

ということで,光の条件も良好で,晴天下のモートンイトトンボの写真を撮ることができました.めでたしめでたし.

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