No. 863. ヤブヤンマを藪の中で探す(2).2022.7.28.

夏はヤンマの季節.今日もまた懲りずに,「ヤブヤンマを藪の中で探す」を実践しました.今年はヤブヤンマに手こずりそうなので,積極的に攻めようという魂胆があります.一昨日と同じコース,ほぼ同じ時間帯で活動しました.最初の公園では相変わらずタイワンウチワヤンマやチョウトンボが活動していました.


▲暑い日差しの中,タイワンウチワヤンマやチョウトンボは元気である.▲

この公園には薄暗い流れが整備されているので,ミルンヤンマを探しに入ってみました.1頭だけそれらしいのが飛びましたが,確認できませんでした.

お昼が近くなりましたので,移動しました.今日は,前回とは違ったトンボたちに出会いました.まずはエゾトンボのオスです.去年はエゾトンボの姿を見るだけで大変な努力を強いられましたが,今年は,先日のメス.今日のオスと,運良く姿を見つけられています.再び増加傾向があるのでしょうか? この夏の後半が楽しみです.


▲山道に何気なく止まっているエゾトンボのオス.▲

その後カトリヤンマを見ました.追いかけすぎたせいか逃げられてしまいました.山道をどんどん進んでいってもトンボの姿がありません.帰り道木々に囲まれた小さな池をのぞいたとき,ヤブヤンマのオスが池の中をぐるぐると旋回し,メスが産卵しそうな泥の岸上をのぞき込むような動きをしました.そして木の幹にちょっとだけ止まりました.


▲メスを探しているヤブヤンマのオス.▲

そういえばヤブヤンマの産卵の時間帯です.池の畔に腰を下ろして,しばらく観察を続けてみました.オスは池には長居せずすぐに出て行きますが,またしばらくすると戻ってきます.そしてメスが産卵しそうな池岸を探っています.一度に2頭のオスが入ったときには追飛行動も見られました.結局メスは産卵には来ませんでした.しかし,ヤブヤンマは健在であり,オスの動きから,ここに産卵に来る可能性も十分あります.今年もなんとかヤブヤンマの繁殖活動に出会えるかもしれません.

ということで,帰途につきました.しばらく進むとカトリヤンマが弱々しく飛んで,止まりました.


▲羽化してあまり時間が経っていないカトリヤンマのメス.▲

近づくと少し飛んでまた止まりました.まだ胸部が赤っぽく,縁紋も白くて,本当に羽化して間もない個体であることが分かります.やっとカトリヤンマも出始めたというところでしょうか.でも本当にカトリヤンマにも出会いにくくなりました.


▲カトリヤンマのメス.未熟なこの時期のメスは尾毛が切れていなくて長い.▲

あと,珍しく,ノシメトンボの未熟なメスが止まっているのに出会いました.


▲林内に潜り込んでいたノシメトンボのメス.▲

まあ5時間ぐらい頑張ってこの程度の結果で,本当にヤンマも少なくなりました.今日は木陰に止めていた車の外気温計が38℃を指していました.その後走っても36-37℃から下がりません.つまり私が歩いていた木陰の山道もきっと同じぐらいの温度だったのでしょう.風がほとんど吹いていなくて汗も乾かず,今日もふらふらする感じを抱きながら歩いていました.多分熱中症一歩手前というところで,なんか命がけのトンボ観察という気がします.

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