No.815. マイコアカネを探して.2021.10.26.

昨日までの寒い日と打って変わって,今日は朝から太陽の日射しがさんさんと降りそそいでいました.そこで,悪天候の後の晴れの定石通り,アカトンボたちの活動を観察に出かけました.いちおう観察の軸として,マイコアカネに出会っていないので,その生息状況の確認をすることにしました.最初は,この数年毎年観察に出かけている池です.

▲たった1頭だけしかいなかったマイコアカネ.▲

この場所は少し前にも来たのですが,水が落とされていて,マイコアカネの産卵場所が干上がっている状態でした.今日は,昨日の雨のせいか,湿地が湿っていてアカトンボたちが集まっていました.でも,マイコアカネは1頭だけでした.これ以外には,ネキトンボやマユタテアカネやナツアカネがいました.

▲ネキトンボのオス.▲

▲ナツアカネのメス.▲

▲マユタテアカネのオス.▲

到着時,雲が多く出ていて,日が陰っていました.近くの池にマイコアカネが避難していないか,少し探索することにしました.ここは池が二つ並んでいるところなので,隣の池に行ってみることにしました.そのうち日が射してきて,隣の池の水際に立つと,オオキトンボやタイリクアカネ,マユタテアカネなどが止まっていました.そのうちタイリクアカネが産卵にやって来ました.

▲産卵するペアにちょっかいをかけるタイリクアカネのオス.▲

池に流れ込む水路の土管の入口でマユタテアカネも産卵していました.土管の中の方に潜り込んで産卵しています.

▲土管の中に入りこんでその壁に産卵するマユタテアカネ.▲

少し天気が安定してきましたので,また元の場所に戻ることにしました.しかし探してもマイコアカネは見つかりません.でも,タイリクアカネやオオキトンボ,マユタテアカネなどが産卵をしていました.オオキトンボは,メスが水際で単独産卵していました.

▲産卵をするタイリクアカネ.▲

▲単独産卵するオオキトンボのメス.▲

▲間違ったのだろうか,打水産卵中に浮葉植物の葉上に腹端を打ちつけた.▲

本当にタイリクアカネとオオキトンボは,あちこちの池で見かける感じです.ただこの池は,この2種だけではないところが良いところです.マユタテアカネはそこそこの数いました.交尾し,すぐ横の水際で産卵を始めました.

▲マユタテアカネの交尾.▲

▲水際で砂泥産卵を続けるマユタテアカネのペア.▲

さて,お昼が近くなってきました.この場所ではマイコアカネは望めそうにありませんので,もう一つのマイコアカネが生息する池に行くことにしました.空には重たい雲が垂れ込めています.どうするか迷いながら車に移動しました.途中タイリクアカネのメスが止まっていました.池から少し離れたところにたむろしているのですね.写真を撮るとき,雲のすき間から日が射しました.ラッキーです.

▲タイリクアカネのメスたち.腹部背面が,上は茶色タイプ,下は赤色タイプだ.▲

次の池に向かう途中,その方向の空だけ雲が切れて青空が顔を出しています.ひょっとしたらその池の所は日が射しているかも知れない,と思って車を走らせていると,なんと,本当にその池の上あたりが青空でした.マイコアカネの生息する池には,マイコアカネのオスが6頭ほど飛んでいました.生きていましたね.ほっとしました.

▲暖かい日射しを受け,活発に動きまわっていた.マイコアカネ.▲

この池にはオオキトンボもよく来ていたのですが,今日は満水状態.そこで,ここまで来たついでに少し移動して,以前に来たオオキトンボやタイリクアカネがいた池に出向いてみることにしました.ここは大きく水落をしていますので,池の周囲を歩くことができます.池に着くと,前より水がさらに少なくなっていて,抽水植物帯が陸化していました.近づくと,ナツアカネが産卵していました.

▲干上がった池の抽水植物帯で産卵するナツアカネのペア.▲

こういう所だとノシメトンボが来るかも知れないと思って回りをよく探してみると,ノシメ斑のあるトンボのペアが産卵しています.近づいて見ると,リスアカネでした.まわりに樹林のない,オオキトンボやタイリクアカネが飛ぶ平地の池で,樹陰が好きなリスアカネが日向で産卵する,もう晩秋の風情です.

▲明るい場所で産卵するリスアカネのペア.▲

池の周囲を歩いてみました.タイリクアカネがたくさん活動しています.池岸に木の生えているところにはリスアカネもいました.オオキトンボも止まっていました.

▲日向の石の上に止まるオオキトンボのオス.▲

池の反対側にも抽水植物帯があり,そこも陸化しています.こちらの方が抽水植物帯が広いので,ノシメトンボが来るとしたらこちらだなどと考えていると,ノシメトンボが止まっていました.やっぱり来ているようですね.兵庫県南部では最近のシメトンボに出会うことが非常に少なくなっています.絶滅危惧I類のオオキトンボより断然少ないです.地方によってはあふれるほどいるトンボですが,どういうわけか兵庫県ではノシメトンボが減っています.

▲久しぶりに出会ったノシメトンボのオス.▲

ここへは日を改めてきてみる必要がありそうです.ノシメトンボの産卵が見られるかも知れません.今年はもう観察対象がほとんどないような状態でしたので,また一つ目標ができました.

ということで,やはり悪天の後の晴天は,トンボの繁殖活動が盛んになるという経験値がまた上がったような気がする観察行でした.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 パーマリンク