No.807. 本当に生物季節は確かなものだ.2021.9.20.

昨日兵庫県北部に出かけて,まだ秋は少し早い感じでした.今のアカトンボはリスアカネとナニワトンボです.今年も飽きずにナニワトンボの繁殖活動を見に行くことにしました.この数年,毎年出かけているところです.現地に着きますと,今までと違って,かなり水が入っていました.ただ,岸の部分は歩けるぐらいに水が落とされていました.池に下りるルートが水に浸かり今までと違うので,下りる場所から要チェックです.

何とか池に下り,例年とは反対側の岸で,ナニワトンボを探すことにしました.といっても探す必要がないほどたくさんのナニワトンボが日陰に止まっていました.

▲池に覆い被さる木々の枝に止まるナニワトンボのオスたち.▲

昨日,台風明けの晴れだったので,昨日のリスアカネのように,ここではたくさんのナニワトンボが産卵しただろう,だから今日は少ないかな,などと想像しながら,産卵にやって来るのを待ちました.11:00少し前,まず産卵に入ってきたのは,リスアカネでした.

▲リスアカネの産卵,後半メスを放し単独産卵に移行した.▲

例年のように,リスアカネがナニワトンボより先に産卵を始めました.リスアカネが産卵を始めるとやがてナニワトンボがやって来るはずです.まず見たのは,入ってきたメスを捕まえたのでしょう,オスがメスを捕まえて木の高い所へ上がりました.見上げると交尾をしています.

▲ナニワトンボの交尾.▲

下を見ると,いつの間にか,ナニワトンボのメスが単独産卵をしていました.ナニワトンボの産卵時間帯に突入したようです.

▲ナニワトンボの単独打空産卵.▲

少しすると,今度は連結のペアが入りました.池岸は結構広くあちこちにオスが止まっているのですが,同じポイントに産卵に入るのが面白い.

▲やはり後半オスはメスを放して,メスは単独産卵に移行する.▲

結局今日確認したのは,交尾態を入れてのべ3頭のメスでした.池にやって来たのが10:30ごろで,ちょっとルーズな観察でしたが,まあこんなものでしょう.ここまでとしました.帰ろうとすると,リスアカネが産卵をやっていましたので,これをちょっと撮っておくことにしました.

▲連結産卵から単独産卵へ.岸の斜面に向かって産卵をする単独メス.▲

毎年のようにこの時期になるとナニワトンボやリスアカネを見に来ています.そして彼らも期待に応えて,繁殖活動を目の前で展開してくれます.本当に生物季節には感動させられます.決まった時期に決まった活動ができるように造られている昆虫たち,進化というのは本当に不思議です.

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