月別アーカイブ: 2020年10月

No.759. 飛来種を見に行ったけれども… 2020.10.13.

今日は都市公園へ飛来種を探しに行きました.しかし成果はゼロでした.というよりトンボ自体の数が少なかったように思えました.タイリクアカネがいただけです.

▲タイリクアカネのオス.

公園で座っていると,やたらスズメが近づいてきてこちらを見ています.スズメは決して人に慣れないと聞いたことがありますが,この公園のスズメは人慣れしているようです.近づきすぎて望遠レンズの最短撮影距離内に入ってしまい,写真も撮れない始末でした.あとで公園の看板に,「鳥に餌をやらないでください」と書かれているのを見ました.ヒトがスズメを餌付けしていたのですね.

▲今日のゲスト,スズメさん.

ということで報告するほどのこともないので,家で良品発掘と,古いビデオテープの中から,エゾトンボの羽化全長版を公開することにしました.暇があればご覧ください.また少し前にマルタンヤンマの自宅羽化も公開しています.当サイトは結構羽化の写真やビデオが少ないのですが,どれも同じようで,私があまり興味ないからかも知れません.

ビデオ:エゾトンボの羽化(全長版)
ビデオ:マルタンヤンマの自宅羽化(休止期以後)

それではまた,晴天の時,別のところへ行くことにしましょう.

No.758. コノシメトンボの観察.2020.10.12.

今日は朝から非常に良い天気.空は真っ青.こんな秋晴れの日にはもうトンボを見に行くしかありません.マイコアカネが終わったので,次はコノシメトンボです.コノシメトンボが大量にいるところは,私の知っている場所はもうなくなってしまいましたので,新天地へ行くしかありません.友人にいただいた情報をもとに,まったく行ったことのない池へ出かけてきました.

▲コノシメトンボの交尾.

現地に到着したのは10:00頃でしたが,たくさんのトンボがもう水面を舞っていました.よく見ると,ほとんどがネキトンボで,コノシメトンボが少しだけ混じっていました.この池には膨大な沈水植物が茂っています.それに向かってネキトンボが産卵をしているのでしょう.ここはネキトンボの大産地のようです.藻を食べる外来種が入らないことを祈るのみです.

▲池の中央部の開水面を飛び回って産卵するネキトンボ.

10:20ぐらいになると,コノシメトンボも目立つようになってきました.コノシメトンボはどちらかというと岸近くで産卵するペアが多いようです.そんななか,コノシメトンボではあまり見かけない交尾態を見つけました.産卵はもっぱらビデオで撮影します.1時間以上集中して撮影しますと,さすがに疲れてきました.

▲岸近くで産卵するコノシメトンボ
▲開水面を飛び回って産卵するコノシメトンボ.

家に帰ってビデオを編集していると,以前にも感じたことですが,コノシメトンボの打水行動には興味深い内容が含まれているように思えました.この池は水が澄んでいて,写真で見て分かるように,水中のようすが手に取るように分かります.水面で産卵するときには,魚に注意しなければなりません.ただこれだけ水面が澄んでいると,魚影は上から一目瞭然です.そんなところで産卵するときは,打水後あまり高く上昇しません.オスの頭の位置は打水前後で水面からほとんど変わらないのです.

しかし,草の生えた岸近くで打水するときは,打水後,オス・メスが平行にふわっと上昇します.マユタテアカネやミヤマアカネのようです.これはおそらく草むらに隠れているかも知れないカエルを警戒してのことでしょう.同じ岸近くでも,コンクリート護岸の場所では,見通しがよいせいか,ほとんどそういった上昇行動は見せません.おそらくオスは,捕食者の状況を判断しながら,メスの打水行動をリードしているのだと思います.この辺に注目してビデオを見ていただくとよいかと思います.

ビデオ:コノシメトンボの打水産卵

今日はコノシメトンボはおそらく20-30ペアが産卵に来たと思われます.ネキトンボも多いですがコノシメトンボもそれに負けないくらいたくさん生息している池です.谷の一番奥にある池は,薬剤が流れてこないためでしょうか.ビデオの冒頭にも紹介したように,無数のトンボが豊かに舞っていました.

さて,産卵の競演も11:45頃には終わり,池から潮が引くようにトンボの姿がなくなってしまいました.先ほどまでの喧噪が嘘のようです.そうそう,こんな10月12日に,ネキトンボが羽化していました.これは相当に遅い記録になりそうですね.

▲羽化して飛び立ったところを成熟オスに襲われ地面に落ちたネキトンボのメス

帰りにオオキトンボとオオアオイトトンボ(これは今年最後の課題のトンボです)の様子を見に行きました.気温が25度を超えており,そのせいか,アオイトトンボ以外はあまり活発な動きを見せてくれませんでした.

▲オオキトンボは1頭だけだった.
▲この池にはマイコアカネもいました.
▲他k巣案いたアオイトトンボ(ダニが着いている?).
▲オオアオイトトンボ.数は少なかった.この池で産卵は見られるだろうか?

ということで今日は終わりにしました.

No.757. 意地になったマイコアカネの産卵撮影.2020.10.11.

マイコアカネの産卵をビデオ記録しようと連日のように出かけ,今日やっとのことで,何とかぎりぎりカメラに収めることができました.観察に出かけたのは,まず9月29日,10月1日の二日間.いずれも産卵にやって来ましたが,見つけたタイミングが悪く,まったくモノになりませんでした.しかし生息地の中で産卵によく入るポイントは,この二日間の観察でだいたい分かりました.続いて10月2日.この日,晴天続きのせいか,残念ながら産卵によく入るポイントの湿地部分が完全に干上がっていました.水のないところにはマイコアカネは産卵しませんので,この日はヒメアカネやオオアオイトトンボに転進.そして台風がやって来て長雨.

この長雨が,あの湿地部分に水がふたたびたまるという幸運をもたらすのではないかという予想で,台風一過の10月10日にふたたび出かけました.ありました.水がたまっています.そしてマイコアカネもちゃんといました.しかし,9月の末に比べるとオスの数は半減していました.もうマイコアカネはピークを過ぎているのですね.また台風の影響で減った可能性もあります.しかしこの日,12:00ごろに,メスが単独で産卵に入ってきました.予想通りのポイントに入りましたが,スゲの間に潜り込んで産卵するので,すぐに姿を見失うのとピントが合わせづらいのとで,結局ほんのワンカットだけの記録となりました.

こうなったら意地になってきました.今日10月11日もう一度出かけました.9:30に現地に入り,じっと同じポイントで待ちます.2時間経っても,オスがときどき飛ぶだけで,敗色濃厚になってきたとき,交尾態で飛ぶペアが目の前を横切りました.でも湿地で縄張りを張っているオスに追われ,姿を見失いました.しかし遠くへ飛んだ気配がないので,目指すポイントへ産卵に帰ってくることを信じ,待ちました.11:40,ポイントのすぐ後ろ側で産卵をしているペアを見つけました.場所は手持ちカメラの接近戦が良さそうです.かなり産卵し始めてから時間が経っていたようで,十分な記録ではありませんが,なんとかぎりぎり形にできました.5回通っての観察完了でした.

ビデオ:マイコアカネ

いやはや意地になった観察でした.

No.756. ヒメアカネの観察.2020.10.7.

今日は10月2日に続いて,ヒメアカネの観察に行ってきました.10月2日はトンボノートに記載がありません.それはビデオだけで記録したからです.この日はヒメアカネのオスは10頭以上湿地に降りてきていました.そして交尾態は3ペア.しかし,なかなかうまく動いてくれないので,ビデオに撮ることができませんでした.

今日は,そのリベンジです.2日とは場所を変えて出かけました.カメラも接近戦用の手持ちで臨むことにしました.ただ空模様がもう一つで,前線の雲がちょうど太陽を隠しています.前線がもう少し北にあったら,南側に青空が見えているだけに残念な感じです.まあ台風が近づいてきているそうなので,致し方ないでしょう.

観察地の湿地に入るには,夏の間にうっそうと茂ってしまった笹の間を藪漕ぎで抜けていかねばなりません.ということで,現地に入ったのはちょうど10時頃でした.ヒメアカネのオスは1頭だけ湿地に降りてきていました.

▲太陽が陰った湿地でメスを待っているオス1頭.

まったくトンボがいる気配がしないのでちょっと不安になりましたが,時間が経つにつれて,1頭,また1頭とオスが増えてきました.今日の湿地はかなり水が少なくなっていて,観察には都合良さそうです.というのは,あちこちに水がたまっていると,どこで産卵するか分からない,そして,多くの場合,草の根もとに潜り込んで見えない位置で産卵するからです.ところが今日は,そういった草が生えているところには水がなく,開けたところにだけ水がたまった状態なのです.多分開けたところで産卵するだろうと思って,メスを待っていました.

▲オスが1頭,また1頭と上から降りてきて,姿を見せはじめた.

11:00頃になると運良く雲が分散し,太陽が射し始めました.するとあっという間にオスが増え,交尾態も出てきました.最初の交尾態は見逃してしまいましたが,2ペア目は,足下のいかにも産卵しそうなところを飛んでいます.これにねらいを定めました.

▲あちこち移動しながら交尾を続けるペア.

やがて,オスはメスを放し,いつものようにメスに産卵をうながすような動きをします.しかしメスは関心なさそうにちょっと移動しては止まったまま.やがて,オスはそのメスに興味を失ったのか,メスのそばから離れていきました.するとメスはおもむろに産卵を始めました.

▲単独打泥産卵するヒメアカネのメス(ビデオの切り出し).

今日は産卵のビデオを撮るのが目的できているので,,手持ちのカメラで撮影を続けました.十分に近づいて撮影できる位置で産卵をしてくれるよい子ちゃんでした.向こうの方から足下にやって来て,トントン打泥産卵のパフォーマンスをしてくれました.記録は,10月2日の分と合わせて,7分を超えるビデオになってしまいましたが,時間があればどうぞご覧ください.

ビデオ:ヒメアカネの活動.

全部で5組くらいが交尾態になっていましたが,産卵に至ったのを確認できたのはこのメスだけでした.同時に2ペアはいったりするものですから,撮影についてはどうしようもありません.

さて,最後に観察した交尾態は12:00を回った頃のものでした.このペアは,それまでのペアと違って,湿地の隅でじっくりと交尾している風に見えました.産卵を始めるのを待ち続けましたが,こちらが根負けし,そのままにして観察を終えました.もう空はすっかりと曇り空になってしまっています.産卵を撮影している時だけ太陽が照っていたのはラッキーでした.

▲私が根負けした交尾ペア.いつまでもいつまでも交尾していた.

帰り道,湿地の外の小径にも交尾態がいました.産卵活動時間帯が終わったと思われる午後の交尾は,産卵前の交尾とは少し違った感じがしました.産卵ポイントではなく,少し離れたところで,長時間行われているからです.

▲湿地の外の小径で交尾するペア.

こんな感じで今日の観察を終えました.今日面白かったのは,ビデオでも解説していますが,オスとメスの駆け引きです.オスは交尾後メスを放し,そばに止まったりそばを飛んだりして,メスに産卵をうながすような動きをします.しかし,メスはこれに応じず,オスがいなくなってから産卵を始めるのです.メスは警護されたくないのでしょうか?

10月2日に行った生息地では,何年か前もそうでしたが,交尾後メスは産卵せずに樹上へ逃げていってしまうのです.何組ものペアでそういうことを見ましたので,そのときは,今日は産卵意欲がないのか,などと考えていました.

そして10月2日にも同じ行動を見ました.交尾後オスから離れたメスは,しばらくまとわりつくオスをやり過ごしていました.その後産卵を始めるかと思いきや,また樹上へ逃げていったのです.オスはそれを追いかけました.またか,と私は観察を中断しましたが,ちょっと後で1頭のメスが交尾していたあたりの草陰から飛び出したのです.これは産卵していたのかも知れません.ずっと見ていたわけではないので,先の樹上へ逃げたメスかどうかは確認できませんでした.

この生息地で,交尾後樹上へ上がるのは,オスをまくための逃避行動なのかも知れません.先のメスは,オスから逃げ切ったあと,こっそりと湿地に降りてきて産卵をしていたのかも知れません.

そうだとすると,今日の観察地のオスは諦めが早く,しばらくするとメスから離れますから,樹上へ上がっていくと言った行動が見られないと考えることができます.いずれにしても,メスはオスがいなくなってから産卵するようです.他の単独産卵をするトンボのように,交尾と産卵の間に大きく時間が空くわけではありませんが,やはりオスがいないということが単独産卵をするトンボには意味があることなのかも知れません.

ただヒメアカネは密度が高いときは連結産卵するという報告があり,ビデオでも連結産卵しようとする姿が映っています.ただビデオではメスは産卵を拒絶しているように見えました.地域によって違っているのかも知れませんが,私の観察地のヒメアカネは,オスを避けて単独産卵するように思えます.

▲鉄柵に並んで止まるナツアカネたち.

さて,今日湿地へ行く途中の農道に,ナツアカネがたくさん集まっていました.ナツアカネは珍しいトンボではありませんが,最近のトンボの減少を考えると,普通種でもたくさんいるだけで嬉しい気持ちになります.

▲ナツアカネのオス(上)とメス(下).

ということで,半日の晴れをうまく活用できた観察日でした.

No.755. ルリボシヤンマを見に行った.2020.10.6.

アカトンボの季節ですが,今日は朝のうちに所用があったので,午後にねらえるルリボシヤンマを見に行きました.兵庫県ではルリボシヤンマは限られた場所にしか生息していません.遠くまで出かけても確実に見られるわけではないので,あえて難しい神戸市内へ見に行くことにしました.

ルリボシヤンマは,オスが4回池に入ってきましたが,5分もすると出て行くような動きでした.この池はあまりルリボシヤンマには適していないのかも知れません.また入ってきても気温が低いせいかものすごくすばしこく動くので,99%以上の写真が使いものにならない状態でした.やっと2枚だけそれらしい写真が撮れました.

▲ルリボシヤンマのオス.暗いので,ISO1600で撮った.
▲植生の間でホバリングするルリボシヤンマのオス.

今日は長袖を着ていても寒いくらいの気温でした.特にルリボシヤンマは標高の高いところにいるので,外気温は17度でした.他には,ミルンヤンマが入ってきて摂食をしました.あとはオオアオイトトンボが日向で憩っていました.残念ながら産卵活動はしていませんでした.

▲オオアオイトトンボのオス.ときどき飛んで摂食をしていた.
▲オオアオイトトンボのメス.メスもまったく産卵の気配はなし.

山なので日が陰るのが早く,15:00には観察を止めました.以前ルリボシヤンマのメスも飛んだこの池ですが,今日はメスはまったく来ませんでした.数の少ないトンボは難しいです.