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No.711. ヤブヤンマの観察.2019.7.31.

梅雨明け十日といいますが,今日は結構曇りがちでした.暑さだけは本格的.毎年恒例のヤブヤンマを見に行ってきました.ただ今日はメスの姿を見ず,オスのヤブヤンマと二人で待ちぼうけを食らいました.そう,今日はオスがよく飛び回っていました.

▲薮の中を飛び回るヤブヤンマのオスの顔.
▲どういうわけかしばらくこちらを向いてホバリングを続けていました.

いきなりヤブヤンマの顔のアップから始まりましたが,オスの顔をこのアングルで撮ることはなかなか難しいです.チャンスはめったにありません.ストロボを焚いたら,それに反応したのか,かなり長時間ホバリングしてくれました.

▲あちこちに止まるヤブヤンマのオス.

このオスは,やって来てしばらく止まっていたかと思うと飛び立ち,どこかへ姿を消したかと思ったら,またやって来て止まる.そんな行動を繰り返していました.また,低く飛んでメスの産卵していそうな地面をのぞき込むようにして飛ぶこともしばしばでした.産卵に来るメスを待っているようですね.

▲木々の間を飛ぶヤブヤンマのオス.

まあそんな感じで,このオスと一緒に,メスが産卵にやって来るのを11時から14時くらいまで待っていました.でも今日はまったくメスの動きはありませんでした.ということで,今日はおしまい.その後このオス君メスに出会えたでしょうか….足下ではシオカラトンボが交尾をしていました.

▲シオカラトンボの交尾.

No.710. オオセスジイトトンボを見に行ったが.2019.7.25.

ものはついでというので,北海道から直帰せず,新潟に寄ることにしました.フェリーも小樽から新潟行きがあるのです.新潟にはオオセスジイトトンボヤオオモノサシトンボの生息する場所があります.それをちょっとのぞいていようというわけです.ところが,前日まで19度から20度という曇り空で涼しい北海道にいて,新潟に着いたらいきなりガンガン晴れた35度.倍近くの気温上昇に,身体が参ってしまいました.それでも滝のように汗をかきながら池及び池の周囲を周到に探索しました.しかしながら,これらのトンボの姿はまったく確認できませんでした.ふつうのセスジイトトンボばかりが目立っていました.

▲セスジイトトンボのオス(上)とメス(下).

ショウジョウトンボ,チョウトンボ,コフキトンボ,シオカラトンボ,ギンヤンマなどのふつうのトンボたちはたくさん舞っていました.このように晴天でも目的のトンボの気配すら見つけられないと,自身のトンボ探索能力の衰えを感じてしまいます.1時間半が限界で,諦めることにしました.

今から25年前(古い!)の1994年にここを訪れ,幼虫を採集したときには,池に入って5分もたたないうちに,オオセスジイトトンボヤオオモノサシトンボの幼虫がたくさん網に入りました.私の探索力のなさもあると思いますが,多分,数がかなり減少しているのでしょう.あるいは私の来た時期が悪かったのかも…

▲25年前に採集したオオセスジイトトンボとオオモノサシトンボの幼虫標本.

この遠征旅行では,最後の最後までいい成果を出すことができませんでした.全国的にトンボが減少し,気軽に行っただけでは,もはやトンボを見ることすら難しくなっているように思えます.

No.709. 北海道のトンボたち(6).2019.7.24.

 帯広の朝は雨でした.7:00ころには雨は上がり,徐々に地面も乾き始めてきました.しかし空はどんよりした曇り空.今日も期待は出来そうにありません.しかし予定通りというか,雨で草が濡れているので,足場のよいところを選んで出かけることにしました.

 最初の池はなかなか雰囲気がよい池でした.でも,曇り空の下,キタイトトンボが2,3飛ぶだけでした.1時間以上待ってみましたが,雲を通した太陽の暖かさが感じられるときがあったものの,トンボが飛ぶような天気にはなりません.

▲キタイトトンボのオス(上)とメス(中・下).

 それでも,少し暖かさが感じられたとき,ヨツボシトンボがさっと池に入ってきて,コサナエが産卵をしに来ました.さすが北海道ですね.兵庫県では6月には姿を消してしまうコサナエが,7月下旬に産卵しているなんて,緯度の違いを感じました.

▲雨に濡れた草の間に入って産卵するコサナエ.

 10:30くらいにここは諦め,次の池に行きました.この池にはクロイトトンボがたくさんいて,彼らは元気ですね,薄暗い曇り空の下,水面をビュンビュン飛んでいます.メスにちょっかいをかける個体もいました.それ以外には,エゾイトトンボ,ルリイトトンボ,マユタテアカネ,モノサシトンボ,正体不明のエゾトンボ類が飛んでいました.

▲悪天候でも池面に出て飛び回っているクロイトトンボ.
▲メスにちょっかいをかけるクロイトトンボ.メスは交尾拒否.
▲まだ若いクロイトトンボのオス.
▲北海道で初めて見たモノサシトンボ.
▲ルリイトトンボのオス.
▲エゾイトトンボのオス.
▲いつもどこでも私を迎えてくれたキタイトトンボ(メス).ありがとう.

 今日で一応の北海道のトンボ観察は終わりです.明日からは帰途につきます.小樽まで走り,新日本海フェリーに乗って新潟へ行きます.

 北海道のトンボ観察のための滞在6日間中,晴れたのは網走の1日(午後と翌日の午前)だけ.あとは全部曇りか雨でした.希少種については,いちおう情報を集めてそれなりにねらってはいましたが,見られるのは運次第と思っていました.しかし普通種でさえぽつぽつ出ているだけで,希少種などは出てくる気配さえ感じられませんでした.唯一知床五湖は晴れていて,五湖や四湖でたくさんのトンボが群れ飛んでいたのが,北海道らしい風景でした.でも,網走の池は晴れていましたが,トンボのにぎわいをあまり感じない静かな印象でした.北海道もトンボが減っているのかなぁ.

 北海道は,トンボがどこにでもいるというのとは,ちがった感じでした.兵庫県などでは,ふり向けばトンボというくらい,あちこちにふつうに見られます(それでも最近はうんと減りましたが).印象としては,乾いた大地という感じで,特定のポイントに行かなければトンボの姿を見られないという印象でした.もっとも天気のせいかもしれませんが.

No.708. 北海道のトンボたち(5).2019.7.23.

 今日はマンシュウイトトンボを見に行きます.マンシュウイトトンボも,北海道ならどこにでもいるというトンボではありません.しかし曇り空ではありますが,多分姿を見られるでしょう.アオモンイトトンボの親戚ですから,曇りで風の強い日は,池の周囲の草むらにたむろしているはずです.

 駐車場に車を止めて周囲に沿った道を歩いて行きました.数分後,草むらに青い色をしたマンシュウイトトンボのメスを見つけました.やはり草むらにたむろしていました.しかしその後,いくら歩いても,次の個体が見つかりません.経験的に,こういった日のイトトンボは,どこかにかたまっているものです.それさえ見つければ楽勝のはずです.

▲マンシュウイトトンボのメス.濃いきれいなブルーをしている.

 しばらくすると,たくさんのマンシュウイトトンボが集まっている場所に出くわしました.マンシュウイトトンボはどれがオスでどれがメスか,慣れないと分かりませんでした.全部オスに見えてしまうのですが,よく見ると産卵管がついています.こういった集まっている場所は3カ所ほどありました.別の場所では未熟な橙色のメスもいました.

▲マンシュウイトトンボのオス.少しうす緑が混じったような青色だ.
▲マンシュウイトトンボのテネラルなメス.
▲マンシュウイトトンボの未熟なメス.腹部先端が先に青くなるようだ.
▲わずかに未熟色のオレンジ色が透けて青と混じり,藤色に見えるメス.
▲マンシュウイトトンボの成熟メス.まだあざやかな青ではなくやや藤色に近い.
▲摂食するマンシュウイトトンボのメス.
▲少し青みの強いマンシュウイトトンボのオス.

 今日みたいな日は産卵活動は望めません.次に行くことにしました.カラカネイトトンボを見たいので,湿原の木道を歩いてみましたが,ヨツボシトンボとシオカラトンボ,そしてエゾトンボ類が飛んでいただけでした.そう,キタイトトンボも連結で産卵しようとしていました.草の中に潜り込んでいったので,写真は諦めました.湿原をあとにし,別の湿地へ行ってみました.ここはものすごく雰囲気がいいのですが,何も飛んでいません.薄日が差してきたりしましたが,だめでした.風は相変わらず強く吹いています.

▲湿原にいたキタイトトンボのペア.
▲見るからに素晴らしい環境だが,うす暗く風も強く,何もトンボが飛ばない.

 次にエゾカオジロトンボの探索に行くことにしました.しかし空はますます曇り,風は冷たく強く,もうどうしようもありません.例によって湿地の中に入っていくのももう無駄足のような気がして嫌気がさし,やめました.近くを自転車道が走っていましたので,持ってきた自転車を組み立て,自転車道をサイクリングすることにしました.しかし,道がでこぼこで全然スピードが出せず,フラストレーションはたまるばかり.

 このあと帯広へ移動します.阿寒から道東自動車道に乗ると,「何!?,白糠IC-浦幌IC間,事故で通行止め?」.北海道の地理に不案内で,ナビもついていない車で,白糠ICで強制的に下ろされてどうなるのだろう.もう最後は旅行ガイドに掲載されている地図を頼りに走ることしかありません.幸い,一本道の迂回路があって,それを走ることにしました.でも,迂回するだけで40km以上.さすが北海道です.スケールがでかい.

 まあ,無事迂回して,帯広のホテルに着いたのは18:00前でした.今日は,全然ついていない感じの一日でした.マンシュウイトトンボを見ることができたのでよかったとします.

No.707. 北海道のトンボたち(4).2019.7.22.

 今日は朝から晴れています.しかしこの晴れは知床連山より北側に限られているようです.ちなみに北海道では西側というらしい.網走はその位置にあるので晴れています.今日は釧路へ行く予定ですが,晴れがもったいないので,もう一度エゾトンボ類の摂食飛翔を見に行って,何か新しい種が混じっていないか探してみることにしました.

▲コエゾトンボのメス.
▲今日は低く飛んでいるコエゾトンボのオスたち.

 昨日の場所に着いたのは9:30ころです.たくさんのエゾトンボが摂食飛翔をしています.なぜここにだけ集まるのでしょうか.よく見ていると,小さな羽虫がたくさん飛んでいます.こういう餌が集中して発生しているところに集まっているようです.いくつか採集してみましたが,昨日と変わらず,タカネトンボとコエゾトンボだけでした.

▲タカネトンボのオス.
▲タカネトンボのメス.
▲コエゾトンボのオス.
▲コエゾトンボのメス.

 1時間ほどいて,次は別海町の方に寄り道することにしました.データ放送によると午後は晴れるようです.北海道はちょっと移動するというだけで100km.もう慣れましたけど,走ってばかりいる感じです.根北峠にさしかかると空が曇ってきました.2時間足らずで一昨日訪れた沼に到着しました.空は晴れていましたが,風がものすごく強い.水面を飛んでいるのはシオカラトンボだけ.天候が荒れるとだめなのか,それともトンボがいないのか,それすら判断できません.

 ここは見切って,宿泊地の釧路へ移動することにしました.また100km以上.釧路では,郊外にある小さな池に行ってみました.空はどんよりとした曇り空.風はほとんどありませんが,トンボが飛ぶ雰囲気ではありません.池のそばの草むらの中にキタイトトンボが群れていました.青色のメスがいました.1頭だけ,キタイトトンボにしては腹部が細長いメスがいて,オゼイトトンボかと思いましたが,姿を見失い,確認が出来ませんでした.あと,テネラルなアオイトトンボがたくさんいました.

▲キタイトトンボのオス.もうだいぶん見慣れてきた感じだ.
▲キタイトトンボのオス.胸の部分が薄緑色ではなく水色になっている.
▲キタイトトンボの青色型のメス.
▲キタイトトンボの未熟なメス.
▲ちょっと腹部の長さが長い感じのするメス.でも多分キタイトトンボだろう.
▲アオイトトンボのオス(上)とメス(下).

 今日も,最初を除いて,結局悪天候に悩まされた感じです.晴れてトンボが活動してくれないと,そこにいないのか,いるけど出てきていないだけなのかが分からず,悩ましい限りです.明日も曇り空の予報です.